インスリン抵抗性の評価法 糖尿病診療に必要な知識 座長:久保田 稔 (関西学院大学 保健館) 2013年2月15日(金) 14:00-14:30 第47回 糖尿病学の進歩 E会場 四日市都ホテル3F 鈴鹿 埼玉医科大学 総合医療センター 内分泌・糖尿病内科 Department of Endocrinology and Diabetes, Saitama Medical Center, Saitama Medical University 松田 昌文 Matsuda, Masafumi インスリン抵抗性の評価法 ●インスリン抵抗性とは? インスリン抵抗性、インスリン感受性という用語について ●評価方法のうちで直接法と間接法について 直接法の代表はインスリンクランプ法(ブドウ糖トレーサー使用) 間接法の代表はHOMA-IR、Matsuda Index ●グルコースクランプ法(血糖を一定にする方法) インスリンクランプ法とは ●HOMA-IR(HOMA-R)とは よく用いられるが理論的な根拠は? ●Matsuda Indexとは どのようなIndexか? ●Disposition Indexとは インスリン分泌能評価にもインスリン抵抗性の評価は必要! 糖尿病 とは? 血糖が上昇する病気です HbA1C(NGSP) 6.5%以上 空腹時 126mg/dl以上, 随時血糖 200mg/dl以上, 負荷後 200mg/dl以上 放置すると合併症(網膜症) (糖尿病の診断基準の血糖値は合併症発症で決めている!) 糖尿病とはどんな病気か? 血糖が慢性的に上昇する病気です インスリン分泌能 insulin secretion/resistance index 放置すると合併症が進行します (糖尿病の診断基準の血糖値は合併症発症で決めている!) インスリン抵抗性 Insulin resistance インスリン抵抗性が高いのは誰? A: B: C: 血糖90mg/dl インスリン 5mU/ml 血糖90mg/dl インスリン10mU/ml 血糖120mg/dl インスリン10mU/ml インスリン抵抗性の順番は? インスリン抵抗性を 空腹時の血糖値とインスリン値から推定すると? インスリン感受性/インスリン抵抗性 の評価 血糖値の調節 血糖値は制御され た値であり制御機 構が正常なら全く 血糖は上昇しな い! 膵臓 脂肪組織 インスリン ↑ 尿糖 血糖 200 g/日 Plasma Glucose Blood Glucose グリコーゲン 肝臓 120g/日 乳 酸 グリコーゲン 筋肉 脳 (食事) 40g/日 その他のブドウ糖 のみ用いる組織 インスリン抵抗性 Liver インスリン感受性低下 Muscle 肝臓のインスリン抵抗性と筋肉のインスリン感 受性低下が2型糖尿病の特徴である。 肝臓のインスリン抵抗性増大 筋肉のインスリン感受性低下 Matsuda M: Measureing and estimating insulin resistance in clinical and research settings Nutr Metab Cardiovasc Dis. 20:79-86, 2010. インスリン抵抗性 インスリン「治療」への抵抗性 • インスリンを用いても血糖が低下しない Himsworth HP: Diabetes mellitus: Its differentiation into insulinsensitive and insensitive types. Lancet i:127-130, 1936. • 1日100単位以上 • 1日1.4単位/kg体重を越える Flier JS, Kahn CR, Roth J: Receptors, antireceptor antibodies and mechanisms of insulin resistance. N Engl J Med 300:413-9, 1979. インスリン「作用」への抵抗性 • インスリン測定したら糖尿病患者で高かった! Yalow R, Berson S: Immunoassay of endogenous plasma insulin in man. J Clin Invest 39:1157-1175, 1960. インスリン抵抗性/感受性測定 [直接インスリンを入れ反応をみる] Lundbaek K: Intravenous glucose tolerance as a tool in definition and diagnosis of diabetes mellitus. Br Med J 1:1507-13, 1962. (インスリン:非定常状態) インスリン負荷試験 DeFronzo RA, Tobin J, Andres R: Glucose clamp technique: a method for quantifying insulin secretion and resistance. Am J Physiol 237:E214-E223, 1979. (インスリン&ぶどう糖:定常状態) インスリンクランプ法 [間接的にモデルでインスリン測定値から感受性を推測する] Turner RC, Holman RR, Matthews D, et al: Insulin deficiency and insulin resistance interaction in diabetes: estimation of their relative contribution by feedback analysis from basal plasma insulin and glucose concentrations. Metabolism 28:1086-1096, 1979. (何も入れない:定常状態) HOMA-IR Bergman RN, Ider YZ, Bowden CR: Quantitative estimation of insulin sensitivity. Am J Physiol 236:E667-E677, 1979. (ぶどう糖:非定常状態) Minimal model インスリン抵抗性/感受性測定 [直接インスリンを入れ反応をみる] Lundbaek K: Intravenous glucose tolerance as a tool in definition and diagnosis of diabetes mellitus. Br Med J 1:1507-13, 1962. (インスリン:非定常状態) インスリン負荷試験 DeFronzo RA, Tobin J, Andres R: Glucose clamp technique: a method for quantifying insulin secretion and resistance. Am J Physiol 237:E214-E223, 1979. (インスリン&ぶどう糖:定常状態) インスリンクランプ法 [間接的にモデルでインスリン測定値から感受性を推測する] Matsuda M, DeFronzo RA: Insulin sensitivity indices obtained from oral glucose tolerance testing: comparison with the euglycemic insulin clamp. Diabetes Care 22:1462-1470, 1999. (何も入れない:定常状態 & ぶどう糖:非定常状態~定常状態) Matsuda インデックス インスリン抵抗性の測定 直接法 非定常状態 (直接法) インスリン Non-steady state (Direct) 血糖 血糖 ブドウ糖感受性 = 変化したインスリン値の差 変化させた血糖値の差 インスリン分泌能 例:Insulinogenic index (OGTT) インスリン 感受性の評価 (予備能) インスリン感受性= 変化した血糖値の差 - 変化させたインスリン値の差 インスリン感受性 ITT グルコースクランプ Steady state (Direct) Hyperglycemic clamp 膵臓のインスリン分泌を評価する。 膵臓 Euglycemic hyperinsulinemic clamp 末梢組織(主に筋肉)のインスリン感受性を評価する。 (インスリンクランプ) 筋肉 肝臓 ●Pancreatic clamp 肝臓のインスリン感受性/抵抗性を評価する 高血糖クランプ法 膵臓 グルコースクランプ法の一つ 基本的にはインスリン分泌を見る方法。インスリン感受性は計算可能だ が,人為的な要因の影響を受けやすい。 血糖 (動脈) インスリン (動脈) 糖注入率 (mg/kg per min) (mg/dl) 凸 (m U/ml) 250 25 100 200 20 80 150 15 60 100 10 40 50 5 20 0 0 0 0 40 80 120 分 2相性インスリン分泌が観察 できる 0 40 80 120 分 インスリンクランプ法 グルコースクランプ法の一つ 血糖 (動脈側) (mg/dl) 糖注入量 糖注入量 (mg/kg (mg/kg per per min) min) 凸 凸 インスリン注入 アルゴリズム 筋肉 (40mU/m2 per min クランプの場合) 分 インスリン注入速度 (mU/m2 per min) 0–1 127.6 1–2 113.6 2–3 101.2 3–4 90.2 4–5 80.2 5–6 71.4 6–7 63.6 7–8 56.8 8–9 50.4 9 – 10 45.0 10 – 40.0 インスリン (動脈側) (一定にするように注入) ((mU/ml) U/ml) m 100 250 250 200 200 10.0 10.0 80 80 150 150 7.5 7.5 60 60 100 100 5.0 5.0 40 40 50 50 2.5 20 20 0 00 00 40 80 120 120 分 00 内因性インスリン分泌は無視 できるレベルとなる 0 40 40 80 120 分 肝臓 膵クランプ法 P<0.05 PG:93mg/dl IRI:6mU/L C-pep:0.12mg/L PG:92mg/dl PG:92mg/dl IRI:6mU/L IRI:15mU/L C-pep:0.11mg/L C-pep:0.11mg/L Matsuda,M et al: Metabolism 1111-1119, 2002 グルコースクランプ Steady state (Direct) 高血糖クランプ法 膵臓のインスリン分泌を評価する。 膵臓 インスリンクランプ法 末梢組織(主に筋肉)のインスリン感受性を評価する。 筋肉 肝臓 ●膵クランプ 肝臓のインスリン感受性/抵抗性を評価する インスリン抵抗性の存在 Threshold defined in Diabetes 54:333–339, 2005 インスリン感受性 by Dr.DeFronzo コント 非肥満 ロール 糖尿病 肥満 高血圧 高中性 虚血性 脂肪 心疾患 冠血管危険因子集積状態= Syndrome X インスリン抵抗性 耐糖能異常 高インスリン血症 VLDL-TG上昇 HDL-C低下 高血圧 Dr.Reaven 1988 メタボリック シンドローム Deadly Quintet りんご型 肥満 (android) 耐糖能異常 高TG血症 高血圧 上半身肥満 喫煙 Dr.Kaplan 1989 洋ナシ型 肥満 (gynoid) Insulin Resistance Syndrome 2型糖尿病 高インスリン血症 異常脂質血症 高血圧 肥満 Dr.DeFronzo 1991 腹腔内脂肪蓄積症候群 耐糖能異常 高TG血症 HDL-C低下 高血圧 内臓脂肪蓄積 Kylin E: 高血圧・高血糖・高尿酸血症候群 松澤先生 1987 Dr. Kissebah 1982 Zentralblatt fuer Innere Medizin 44:105-127, 1923 インスリン抵抗性の測定 間接法 非定常状態 (間接法) dg p k g p g 1 1 b dt dk p k p i i 2 3 b dt ミニマルモデル インスリン感受性 p3 SI p2 p1 , p2 , p3 正の係数 gb , ib 血糖,インスリン基礎値 k 血糖に対するインスリン作用の割合 非定常状態をシミュレーション解析し,その状態を一番よく説明でき る係数を決定する。 HOMA Homeostatic Model Assessment 定常状態 (間接法) Steady state (Indirect) インスリン 血糖 定常状態 HOMA-IR 定常状態 血糖 インスリン 感受性の評価 (予備能が定常状態の基礎値で評価できる?!) ブドウ糖感受性 = 定常状態のインスリン値 定常状態の血糖値-基礎血糖値 インスリン分泌能 インスリン感受性= 1÷(定常状態の血糖値 × 定常状態のインスリン値) インスリン感受性 Anyone Should Appreciate the Danger of Interpreting Ratios 空腹時の血糖値とインスリン値の比でインスリン抵 抗性が評価できる? A: 血糖90mg/dl インスリン 5mU/ml 比90/5=18 積90x5=450 B: 血糖90mg/dl インスリン10mU/ml 比90/10=9 積90x10=900 比120/10=12 積120x10=1200 C: 血糖120mg/dl インスリン10mU/ml インスリン抵抗性の順番はC,B,Aのはずだが? インスリン抵抗性は 空腹時の血糖値とインスリン値の積で評価できる。 HOMA-IR簡易式の導入 1 Ra dg dt k g V dk a1 k a2 i dt インスリン感受性 a1 , a2 正の係数 g, i 血糖,インスリン値 k V Ra a2 SI a1 the fractional disappearance rate of glucose (insulin action) the volume of distribution of glucose the glucose input rate (Radziuk J: J Clin Endocrinol Metab 85: 4426-4433, 2000) HOMA-IR簡易式の導入 2 Ra dg dt k g V dk a1 k a2 i dt 定常状態では, dg dt 0 dk 0 dt インスリン感受性 (定常状態) k a2 Ra Ra V SI i a1 V g i g i 1 g i HOMA IR S I const (Radziuk J: J Clin Endocrinol Metab 85: 4426-4433, 2000) Description of the Original HOMA BRAIN PERIPHERAL TISSUE Metabolism 28:1086-1096, 1979 Homeostasis model analysis (HOMA) 最初の記載: 1979 Turnerら Turner R, Holman RR, Matthews D, Hockaday TR, Peto J : Insulin deficiency and insulin resistance interaction in diabetes : estimationof relative contribution by feedback analysis from basal plasma insulin and glucose concentrations. (Metabolism 28:1086-1096, 1979.) HOMA INDEX( インスリン抵抗性 )=rl=rp 早朝空腹時には 0= HGP & Splanchnic ( fPG,fIRI,rl) - Brain (fPG) - Muscle (fPG,fIRI, rp) 従ってmmol/minで表現した場合次の式が成立する。 0= 0= 3-1.86 log 3-1.86× log ただし fIRI -1.5 -1.5 ×log(fPG) ×log(fPG) rl -- 0.4 1.2 11 11 0.4 1.2 -× × × × 0.1 14 0.1 0.4 66 14 0.4 1+ 1+ 1+ 1+ 1+ 1+ fPG fPG fIRI fPG fIRI fPG +2 +2 rp rp fIRI : 早朝空腹時インスリン濃度 [mU/L], fPG : 早朝空腹時血糖 [mmol/L] rl : 肝臓インスリン抵抗性, rp : 筋肉(末梢)インスリン抵抗性 rl=rp(=R)と仮定すると, 上記の式にfIRIとfPGを代入しHOMAのインスリン抵抗性(R)の 指標を計算できる。 注意:これらの関数は時間の関数ではない。 HOMA-IRの算出 0= 0= 3-1.86 log 3-1.86× log fIRI 0.4 1.2 0.4 1.2 -1.5×log(fPG) --1.5 ×log(fPG) -0.1 14 rl 0.1 14 1+ 1+ 1+ 1+ fPG fPG rl=rp(=R),fIRI=8 [mU/ml] , fPG=6 [mmol/L] × × fIRI fIRI +2 +2 rp rp 11 11 × × 0.4 6 0.4 1+ 1+ 6 fPG fPG より 0= 3-1.86 × log 8 R したがって R=2.1 0.4 -1.5 × log(6) - 1+ 0.1 6 - 1.2 14 1+ 8 × 1 1 × 0.4 1+ +2 6 6 R (fIRIが8 mU/ml, fPGが108mg/dl(=6mmol/L)の場合) 1979年には大型コンピュータでないと解けなかった。 現在はEXCELのgoal seek機能で簡単に解ける。 注意:関数については Metabolism 誌に掲載の図から推定したものであり, Turnerらがこれと同じ数式を用いたわけではない。 松田昌文:インスリン分泌能力・インスリン抵抗性指標 内科 105:39-44, 2010. HOMAの計算結果と簡易算出式 Reduced formula 空腹時 インスリン値 (1985 by Matthews D et al.) HOMA-IR= fIRI fIRI fPG ln fPG 22.5e 22.5 HOMA-b%= 空腹時血糖 20 fIRI fPG 3.5 計算結果をプロットし近似した式 Diabetologia 28:412-419, 1985 QUICKI 1 QUICKI logI 0 logG0 QUICKI 1 log I 0 G 0 1 log 22 . 5 HOMA IR Kats A, Nambi SS, Mather K et al: Quantitatative Insulin-Sensitivity Check Index (QUICKI): a simple, accurate method for assessing insulin sensitivity in humans. J Clin Endocrinol Metab 85:2402-2410, 2000. HOMA-IRとインスリンクランプ法の インスリン抵抗性と感受性の評価 ぶどう糖分布 スペースで正規化 体重当り インスリンクランプ法で 見ている差 体表面積 または Lean Body Mass Insulin (mU/ml) HOMA-IRやQUICKIで見ている差 筋肉の感受性 肝臓の抵抗性 Rd(t) 基礎ブドウ糖代謝:2.2 mg/kg per min Hepatic Glucose Production は門脈中インスリン濃度に対応した値 Hepatic Glucose Production (mg/min・kg) Total Glucose Disposal (mg/min・kg) HOMA-IRやQUICKIで見ている差 Ra(t) HOMAの拡張 ●全身のインスリン抵抗性 ISI(comp) or Matsuda Index ●肝臓・筋肉の特異的測定 Modified HOMA Matsuda indexの導入 全身のインスリン抵抗性指標を HOMA-IRつまり空腹時の血糖値とインスリン値の 積、およびOGTT時に反応した血糖値とインスリン値の平均値の2つを用い推定する。 (空腹時、HOMA-IRは主に肝臓、OGTT時は肝臓も含むが主に筋肉の抵抗性) 幾何学的平均の逆数 ブドウ糖負荷後の糖代謝(MCR) MCR (ブドウ糖代謝クリアランス率) ブドウ糖投与量(75g) = AUC [血糖濃度] (非定常状態でも成立) PG ブドウ糖投与 mean MCR ブドウ糖が体内で代謝されるクリアランス率:MCR 0 ~180min 経口ブドウ糖負荷中のインスリン感受性 OGTT中のインスリン感受性 は以下のように計算されるはずである ブドウ糖代謝クリアランス率 インスリン濃度の平均 = ブドウ糖投与量 PG × Insulin HOMA-IR同様に経口ブドウ糖負荷試験中のインスリン抵抗性 も 反応した血糖値とインスリン値(Δでなく絶対値)の積となる。 経口ブドウ糖負荷試験より推定する インスリン抵抗性の指標 10,000 Matsuda index = (FPG X FPI)X(G X I) G= I= 1 120 g(t) dt ∫ 120 0 1 mean 120 i(t) dt ∫ 120 0 0 120 Matsuda indexの計算 1999年にDiabetes Care誌に発表時の計算式(台形法) ISI(comp) 10000 g 15 g30 30 g60 30 g90 30 g120 15 i0 15 i30 30 i60 30 i90 30 i120 15 g0 i0 0 120 120 g 0 : 0分の血糖値,g 30 : 30分の血糖値,g 60: 60分の血糖値,g 90 : 90分の血糖値,g120 : 120分の血糖値 i0 : 0分のインスリン値,i30 : 30分のインスリン値,i 60 : 60分のインスリン値,i90 : 90分のインスリン値,i120 : 120分のインスリン値 • • • • 可能であれば負荷後180分くらいまでのAUCが計算できると理想的である。 もし測定が0,30,60,120分であればそのAUCの平均でもよい。 比較は、原則としては同じ負荷量、同じ計算方法で算出したものについて行う。 負荷量について:Matsuda index (75g) = dose / 75 x Matsuda index (dose) Mean (range, ±SD) in healthy young persons New Haven, CT (n=37) 5.43 (2.7-9.6, ±1.9) San Antonio, TX (n=62) 4.34 (1.0-11.0, ±2.6) Correlation with clamp: r ≧ 0.73 Yale大学やテキサス糖尿病施設でインスリンクランプ法と比較したデータではよい相関がある。 Matsuda M, DeFronzo RA: Insulin sensitivity indices obtained from oral glucose tolerance testing. Comparison with the euglycemic insulin clamp. Diabetes Care 22: 1462-1470, 1999. 経口ブドウ糖負荷試験より推定する インスリン抵抗性の指標 10,000 ISI(comp)= (FPG X FPI)X(G X I) G= I= 120 ∫ 120 1 120 1 120 ∫ 0 0 g(t) dt mean i(t) dt 0 120 Usually we have OGTTs with 120 minutes. And the initial validation was done from the data up to 120 min. Matsuda M, DeFronzo RA.: Diabetes Care 22(9):1462-70, 1999. 経口ブドウ糖負荷試験より推定する インスリン抵抗性の指標 10,000 ISI(comp)= (FPG X FPI)X(G X I) G= I= 240 ∫ 240 1 240 1 240 ∫ 0 0 g(t) dt mean i(t) dt 0 240 Response up to 240 minutes or time that is necessary to reach basal state. Matsuda M, DeFronzo RA.: Diabetes Care 22(9):1462-70, 1999. Diabetes Care 33: e93, 2010 病棟血糖管理マニュアル 理論と実践 増補版 p.11 2010 インスリン抵抗性を有する者の存在と診断 2,321 (2,138 nondiabetic) euglycemic insulin clamp studies European Group for the Study of Insulin Resistance (EGIR) project (n = 1,436) Pima Indian Study (n = 597) San Antonio (n = 288, of whom 99 were Mexican American) The EGIR studies were performed on Caucasians from 17 European sites (Athens, Greece; Baden, Heidelberg, Kreisha, and Munich,Germany; Belgrade, Serbia; Geneva, Switzerland; Goteborg, Sweden; Helsinki and Kuopio, Finland; Odense, Denmark; and Naples, Padova, Pisa, Rome,Torino, and Verona, Italy). Mixture model for whole-body glucose disposal measured by the euglycemic insulin clamp technique. Dashed line, histogram including diabetic subjects; solid line, histogram excluding diabetic subjects; dotted line, normal mixture density estimate. インスリン抵抗性の cut of 値 Rd: 28 mmol/min per kg LBM 未満 (5.0 mg/min per kg LBM) (200 mg/min per m2) Diagnosis of insulin resistance (if any of the following conditions are met) BMI >28.9 kg/m2 HOMA-IR>4.65 BMI >27.5 kg/m2 and HOMA-IR >3.60 Rd インスリン感受性 (Sensitivity 84.9%, Specificity 78.7%) Diabetes 54:333–339, 2005 Cut off Value Calculation from the data set used to introduce Matsuda Index Rd<200mg/m2 per min as the gold standard Sensitivity Specificity 83% 66% 65% 80% 84% 80% 69% 77% 76% 71% 71% 84% 91% (85%¶) 62% (79%¶) BMI≧28.0 BMI≧30.0 (Rd vs BMI: r=-0.45) HOMA-IR≧2.50 HOMA-IR≧2.80* (Rd vs HOMA-IR: r=-0.44) Matsuda Index<3.1 Matsuda Index<2.6* (Rd vs ISI(comp): r=0.73) Model BMI >28.9 kg/m2 or HOMA-IR>4.65 or (BMI >27.5 kg/m2 and HOMA-IR >3.6) *:best value by ROC analysis (Data set used in Diabetes Care 22: 1462, 1999) ¶: shown in Diabetes 54:333–339, 2005 ISI(comp)=2.5 was used as a cut-off in Kerman WN, et al: Pioglitazone improves insulin sensitivity among non diabetic patients with a recent transient ischemic attach or ischemic stroke. Stroke 34:1431-6, 2003 5~8程度,2.5以下は抵抗性 1.6以下正常,2.5以上は抵抗性 0.4以下は低下 5程度 http://mmatsuda.diabetes-smc.jp/MIndex.html Matsuda indexの引用状況 Scopusによる 2012年11月14日 埼玉りそな銀行川越支店 国・登録有形文化財 大宮ソニックシティビル インスリン分泌能評価 に必要な インスリン抵抗性 Disposition Index インスリン感受性とインスリン分泌能 インスリン分泌能 r=0.01, p=0.88 (n=183) D IRI/DPG at 30 min (OGTT) 4 3 2 1 0 0 200 400 Total Glucose Disposal mg/m2 per min · (100 mU/ml)-1 600 インスリン感受性 インスリン感受性とインスリン分泌能 インスリン分泌能 D IRI/DPG at 30 min (OGTT) 4 r=0.01, p=0.88 (n=183) 3 2 1 0 0 200 400 Total Glucose Disposal mg/m2 per min · (100 mU/ml)- 600 インスリン感受性 インスリン感受性とインスリン分泌能 インスリン分泌能 D IRI/DPG at 30 min (OGTT) 4 r=0.01, p=0.88 (n=183) CONTROL IGT DM 3 2 1 0 0 200 400 Total Glucose Disposal mg/m2 per min · (100 mU/ml)- 600 インスリン感受性 インスリン感受性とインスリン分泌能 インスリン分泌能 4 r=0.01, p=0.88 (n=183) D IRI/DPG at 30 min (OGTT) CONTROL IGT 3 DM 2 1 0 0 200 400 Total Glucose Disposal mg/m2 per min · (100 mU/ml)-1 600 インスリン感受性 インスリン分泌能評価におけるDisposition Index HOMA-b,Insulinogenic IndexやCPI(C-peptide index) のような見た目のインスリン分泌指標は残存膵β細胞機能を 正しく反映していないことがよく議論される。そこで、血糖値 による補正の他にインスリン抵抗性(感受性)で補正を行っ た値を併記することがよく行われる。 Disposition Indexに相当する Insulin secretion ÷ insulin resistance または Insulin secretion × insulin sensitivity を併記するとよいとされる。 付記)HOMA-bは個人での指標としては評価は困難。 ただし疫学的な研究ではおそらく問題ないであろう。 インスリン抵抗性評価の利用 インスリン抵抗性や感受性低下は糖尿病の糖代 謝異常や合併症進展の病態解明にその評価が重 要な役割を占め多くの研究がなされてきた。 インスリン抵抗性やインスリン感受性低下のある 場合には食事療法や運動療法といったそれぞれ に対する介入は必須。さらにインスリン作用を高 める薬物介入を考慮する。 一方、インスリン抵抗性やインスリン感受性を評 価し悪化していない場合でも食事療法や運動療 法といった基本的な介入は忘れてはいけない。 川越市広報室撮影 2009年11月14日 Metabolism Clinical and Experimental 58 :891–900, 2009 計算プログラム ISEC [I(nsulin-)SEC(retion)]プログラム 仮定 1) C-peptide の動態は2コンパートメントモデルに従う。 2) 動態計算に用いる定数は体重、身長、年齢、性別で計算 される。 (Van Cauter, E., F. Mestrez, J. Sturis, and K. S. Polonsky.: Estimation of insulin secretion rates from Cpeptide levels: Comparison of individual and standard kinetic parameters for C-peptide clearance. Diabetes 41:368-377, 1992 により検討・確認されている) Roman Hovorka, Paul A. Soons, Malcolm A. Young: ISEC: a program to calculate insulin secretion Computer Methods and Programs in Biomedicine 50: 253-264, 1996. このプログラムを用い、食事負荷試験、頻回静脈サンプル経静脈ブドウ糖負荷試験、インスリ ンクランプ、基礎値について妥当性が検討されている。 ISEC User's Manual Version 3.4a Roman Hovorka, September 1994 実行例 プログラムISECの 実行例 入力例 ID: TEST-DATA SEX: M AGE: 63 years HEIGHT: 163 cm WEIGHT: 65.0 kg TIME (min) C-PEPTIDE (pmol/l) 0 276 basal 30 498 60 885 90 1161 120 1493 180 885 ISEC V3.4a June 1994 ID: TEST-DATA Date: Mon Aug 27 14:35:22 2012 CV wanted: 5 % CV achieved: 4.94 % Constraint: LINEAR Estimated insulin secretion: time secretion (min) (pmol/kg/min) from to 0.0 0.90 break 0.0 5.0 1.14 5.0 10.0 1.45 10.0 15.0 1.75 15.0 20.0 2.06 20.0 25.0 2.36 . . . 実行例 プログラムISECの 実行例 Fit to C-peptide concentration: time calculated (min) (pmol/l) 0.0 276.0 5.0 291.6 10.0 320.9 15.0 359.2 20.0 404.1 25.0 453.9 30.0 507.8 35.0 564.9 40.0 624.5 45.0 685.7 50.0 747.9 55.0 810.2 60.0 872.0 65.0 932.5 70.0 991.1 . . . measured (pmol/l) 276.0 diff. (pmol/l) -0.0 CV (%) 0.0 498.0 9.8 2.0 885.0 -13.0 1.5 basal 既報データの比較 このAJP論文には日本人データが入っている。日本人はインスリ ン抵抗性が低く、インスリン分泌率自体は見た目では低いが、 ΔISR(AUC)/ΔG(AUC)÷IR [×Matsuda index] といった指標を とると日本人でもインスリン分泌能が比較的低下してはいない? Muhammad A. Abdul-Ghani, Masafumi Matsuda, Rucha Jani, Christopher P., Jenkinson, Dawn K. Coletta, Kohei Kaku and Ralph A. DeFronzo: The relationship between fasting hyperglycemia and insulin secretion in subjects with normal or impaired glucose tolerance Am J Physiol Endocrinol Metab 295: E401–E406, 2008. MAGEの自動計算プログラム Life Style Medicine 2013年1月号 (Vol.7 no.1) プログラムによる自動計算も提唱されている。まずピークを発見し、血糖変化を抽出するア ルゴリズムでありMAGE+とMAGE-やMAGE以外の変動の指標であるM値なども同時 に計算する。汎用統計プログラム言語であるS-PLUSやRでコーディングがされており、各 種コンピュータ環境で使用可能とされる。 Baghurst PA : Diabetes Technol Ther. 2011 Mar;13(3):296-302. MAGE計算 Baghurst PAのプログラムのWindowsへの 実装と計算の実例 endodm(10.52.11.119)にリモートディスクトップ接続する。 これらのファイル にデータを準備 する CONT+A そして CONT+R CONT+A そして CONT+R mean.BSL SD.BSL MAGE+ MAGE- MAGE.avge GEperTime MODD J.Index conga1 SA 174.9 62.48 177.00 -167.33 171.73 0.2226 56.51 18254 55.45 SN 110.6 22.55 43.25 -49.00 46.44 0.1306 22.89 5748 11.62 conga2 conga4 conga8 GRADE.mean GRADE.hypo GRADE.eu GRADE.hyper LBGI SA 85.48 91.06 107.02 208.4 1.43 29.49 69.08 0.34390 SN 15.10 17.22 22.75 194.9 0.00 85.89 14.11 0.74322 hypo.% SA 0.6734 SN 0.0000 Direct Evaluation (insulin administration) 1 Therapeutic insulin resistance Dose of insulin dose of insulin (Himsworth HP: Lancet i:127, 1936.) Insulin tolerance test Change of PG KITT (Lundbaek K: Brit Med J 1:1507, 1962) Insulin suppression test PG SSPG (Shen S-W et al: J Clin Invest 49:2151, 1970) Insulin suppression test (modified by somatostatin infusion) PG SSPG (Harano Y et al: J Clin Endocrinol Metab 45:1124, 1977) Co-administration of glucose and insulin IRI and PG during glucose and insulin infusion SSPG (Johnston C et al: Diabetic Med 7:110, 1990) Direct Evaluation (insulin administration) 2 Forearm perfusion PG, blood flow (PGa-PGv) x Flow (Zierler K et al: J Clin Invest 40:2111, 1961) Euglycemic hyperinsulinemic clamp (insulin clamp) Glucose infusion GIR (DeFronzo RA et al: Am J Physiol 237:E214, 1979) Measurement of Ra of glucose by a tracer Specific activity of glucose, GIR Rd, EGP (Groop LC et al: J Clin Invest 84:205, 1989) Pancreatic clamp Specific activity of glucose, GIR EGP (Matsuda M et al: Metabolism 51:1111-1119, 2002) Analysis of insulin effectiveness Insulin and glucose infusion ISI-delta, IRI-absolute (Matsuda M et al: Diabetologia 50:S276, 2007) Indirect Evaluation (measurement of plasma insulin concentration) 1 Fasting insulin For sensitivity; 1/FI Fasting IRI Fasting insulin (Yalow R et al: J Clin Invest 39:1157, 1960) Fasting insulin Fasting IRI (specific) Fasting insulin (Olefsky JM et al: Diabetes 22:507, 1973) HOMA method Fasting IRI, fasting PG HOMA-IR (Turner R et al: Metabolism 28:1086-1096, 1979) HOMA method updated Fasting IRI, fasting PG HOMA-%S (Levy JC et al: Diabetes Care 21:2191, 1998) QUICKI Fasting IRI, fasting PG QUICKI (Katz A et al: J Clin Endocrinol Metab 85:2402) HOMA-AD (*) Fasting IRI, fasting PG, adiponectin HOMA-AD (Matsuhisa M et al: Diabetes Res Clin Pract, 77:151, 2007) *: Regressed algorithm Indirect Evaluation (measurement of plasma insulin concentration) 2 CIGMA IRI and PG during glucose infusion CIGMA (Hosker JP et al: Diabetologia 28:401, 1985) OGTT product IRI and PG during oral glucose load average PG x average IRI (Levine R et al: N Engl J Med 283:237, 1970) SI IRI and PG during oral glucose load SI (Cederholm J et al: Diabetes Res Clin Pract 10:167, 1990) Composite index or Matsuda index IRI and PG during oral glucose load ISI(Comp) (Matsuda M et al: Diabetes Care 22:1462, 1999) Si calculated from fasting and post oral glucose load IRI and PG during oral glucose load Sib, Si2h, SiM (Avignon A et al: Int J Obes Relat Metab Disord. 23:512, 1999) ISI (*) BMI, IRI at 120 min, PG at 90 min ISI (Stumvoll M et al: Diabetes Care 23:295, 2000) *: Regressed algorithm Indirect Evaluation (measurement of plasma insulin concentration) 3 OGIS IRI and PG after oral glucose load OGIS (Mari A et al: Diabetes Care 24:539, 2001) SI (oral) : minimal model index IRI and PG during meal load SI (oral) (Caumo A et al: J Clin Endocrinol Metab 85:4396, 2000) SI (oral) : minimal model index IRI and PG during oral glucose load SI (oral) (Brenda E et al: Diabetes 50:150, 2001) SIis OGTT IRI and PG after oral glucose load SIis (Bastard JP et al.: Diabetes Metab 33:261, 2007) Minimal model (FSIVGTT) PG and IRI after iv glucose infusion SI (Bergman RN et al: Am J Physiol 236:E667, 1979) Minimal model (dynamic analysis) PG and IRI after iv glucose infusion SID (Pillonetto G et al: IEEE Trans Biomed Eng 53:369, 2006) *: Regressed algorithm