S4H00 SAP S/4HANA の概要 . . 受講者用ハンドブック 講師主導のトレーニング . コースバージョン: 20 コース期間: 3 日 製品番号: 50158531 SAP 著作権、商標および免責事項 © 2022 SAP SE or an SAP affiliate company. All rights reserved. 本書のいかなる部分も、SAP SE 又は SAP の関連会社の明示的な許可なくして、いかなる形式でも、いかな る目的にも複製又は伝送することはできません。 本書に記載された情報は、予告なしに変更されることがあります。SAP SE 及びその頒布業者によって販売 される一部のソフトウェア製品には、他のソフトウェアベンダーの専有ソフトウェアコンポーネントが含ま れています。製品仕様は、国ごとに変わる場合があります。 これらの文書は、機械翻訳を使用している可能性があり、文法上の誤りや不正確さを含んでいる可能性があ ります。 これらの文書は、いかなる種類の表明又は保証もなしで、情報提供のみを目的として、SAP SE 又はその関 連会社によって提供され、SAP 又はその関連会社は、これら文書に関する誤記脱落等の過失に対する責任 を負うものではありません。SAP 又はその関連会社の製品及びサービスに対する唯一の保証は、当該製品 及びサービスに伴う明示的保証がある場合に、これに規定されたものに限られます。本書のいかなる記述 も、追加の保証となるものではありません。 特に、SAP SE 又はその関連会社は、本書若しくは関連の提示物に記載される業務を遂行する、又はそこに 記述される機能を開発若しくはリリースする義務を負いません。本書、若しくは関連の提示物、及び SAP SE 若しくはその関連会社の戦略並びに将来の開発物、製品、及び/又はプラットフォームの方向性並びに機 能はすべて、変更となる可能性があり、SAP SE 若しくはその関連会社により随時、予告なしで変更される 場合があります。本書に記載する情報は、何らかの具体物、コード、若しくは機能を提供するという確約、 約束、又は法的義務には当たりません。将来の見通しに関する記述はすべて、さまざまなリスクや不確定要 素を伴うものであり、実際の結果は、予測とは大きく異なるものとなる可能性があります。読者は、これら の将来の見通しに関する記述に過剰に依存しないよう注意が求められ、購入の決定を行う際にはこれらに依 拠するべきではありません。 本書に記載される SAP 及びその他の SAP の製品やサービス、並びにそれらの個々のロゴは、ドイツ及びそ の他の国における SAP SE (又は SAP の関連会社)の商標若しくは登録商標です。本書に記載されたその 他すべての製品およびサービス名は、それぞれの企業の商標です。商標に関する詳細の情報や通知に関して は、https://www.sap.com/corporate/en/legal/copyright.html をご覧ください。 © 著作権. All rights reserved. iii 凡例 このハンドブックでは、標準としてアメリカ英語を使用します。 このハンドブックで使用する凡例を次に示します。 この情報は、講師のプレゼンテーションに表示されます。 デモ 手順 注意点 ヒント 関連情報または追加情報 ディスカッション ユーザインタフェースコントロール Example text ウィンドウタイトル Example text iv © 著作権. All rights reserved. 内容 vii コースの概要 1 1 章: 3 35 SAP S/4HANA の概要 レッスン: SAP S/4HANA の説明 2 章: ナビゲーション 37 レッスン: SAP Fiori の使用 45 レッスン: SAP Business Client の使用 - オプション 49 レッスン: SAP Logon (GUI) の使用 67 3 章: システム共通のコンセプト 69 レッスン: 組織ユニットの説明 71 レッスン: マスタデータのコンセプトの説明 79 4 章: ロジスティクス 81 レッスン: 購買から支払までのプロセスの使用 87 レッスン: 計画から生産までのプロセスの使用 95 レッスン: 受注から入金までのプロセスの使用 107 5 章: 会計 109 レッスン: 財務会計 (FI) の使用 121 レッスン: 管理会計 (CO) の使用 131 6 章: 133 155 レッスン: SAP ERP HCM と SAP SuccessFactors の使用 7 章: 157 179 199 組込分析 レッスン: 組込分析の使用 8 章: 181 197 Human Capital Management (HCM) と SAP SuccessFactors SAP Activate および SAP Best Practices レッスン: SAP Activate およびベストプラクティスの説明 9 章: SAP サービス レッスン: SAP Services へのアクセス © 著作権. All rights reserved. v vi © 著作権. All rights reserved. コースの概要 対象グループ このコースの対象者は、以下のとおりです。 ● アプリケーションコンサルタント ● サポートコンサルタント ● テクノロジコンサルタント ● プロジェクトマネージャ ● システムアーキテクト ● エグゼクティブ ● ビジネスユーザ ● スーパーユーザ/キーユーザ/パワーユーザ © 著作権. All rights reserved. vii viii © 著作権. All rights reserved. 1章 SAP S/4HANA の概要 レッスン 1 3 SAP S/4HANA の説明 章の目的 ● SAP S/4HANA の説明 © 著作権. All rights reserved. 1 1 章: SAP S/4HANA の概要 2 © 著作権. All rights reserved. 1章 レッスン 1 SAP S/4HANA の説明 レッスンの目的 このレッスンの目的は、以下のとおりです。 ● SAP S/4HANA の説明 SAP S/4HANA の概要 図 1: 変わりゆく世界 図 "変わりゆく世界" に示した数値は、私たちを取り巻く世界がますます複雑化していくことを表 しています。この複雑化の要因には、以下のものが挙げられます。 ● デジタル情報 (ソーシャル、モバイル、ビッグデータ) の驚異的な成長 ● ビジネスネットワークのグローバル化と普及 ● モノのインターネット、つまりあらゆるもののインターネット化 これまでの対応は、ビジネスプロセス、企業、ソフトウェアソリューションをさらに煩雑にする ものでした。 世界は変化し続けているため、ビジネス上の課題と機会が生まれています。今日の世界はデジタ ル化され、ネットワーク化されています。 ● データ生成のペースは加速しています。過去 2 年間で、世界のデータの 90% が生成されてい ます。 © 著作権. All rights reserved. 3 1 章: SAP S/4HANA の概要 ● 今後 2 年間で、ビジネスネットワークの導入が 40% 増加する見込みです。 ● この 10 年間の終わりまでに、自動車から重機、家電製品に至るまでの 2,120 億のモノがイン ターネットに接続されるでしょう。 ● 2020 年までに、世界のモバイルユーザの数は 90 億に達します。 ● 昨年だけで、ワークロードの 51% がクラウドで処理されました。当分の間、その量は増え続 けるでしょう。 モバイルデバイス、ソーシャルメディア、クラウドテクノロジーの使用増加と、そこから生み出 されるデータ量の増加により、私たちの生活と仕事は様変わりしました。事実、大部分の人々が 電子メールからプロジェクト管理、コンテンツ作成に至るあらゆることにスマートデバイスを使 用していると 61% の企業が報告しています。 機械学習 (ML) は、コンピュータシステムが特定のタスクのパフォーマンスを段階的に改善する ために使用する、アルゴリズムおよび統計モデルの学習です。ML アルゴリズムは、タスクを実 行するために明示的にプログラムせずに予測または決定を行うことを目的として、トレーニング データと呼ばれるサンプルデータの数学モデルを構築します。 人工知能 (AI) は、人間のように作業し、反応するインテリジェントな機械の構築を目指す、コン ピュータサイエンスの領域です。AI を備えたコンピュータは、以下のような活動のために設計さ れています。 ● 音声認識 ● 学習 ● 計画 ● 問題解決 こうした進化は、いずれも私たちの生活を改善し、イノベーションのチャンスをかつてないほど もたらしてくれましたが、まったく新しい問題にも立ち向かわなければならなくなりました。こ の、これまで見られなかった膨大な複雑さによって、イノベーションが阻害されています。 世界はスマートになっているかもしれませんが、やりやすくなったわけではないのです。消費者 による IT の大量消費は、オンラインでの購入、オンラインバンキング、オンラインアプリケー ションの利用が一般的なものになったことを意味します。あなたは今日、どのくらいのデジタル データを作り出したか考えてみてください。おそらく、それは一部の企業も知りたいことでしょ う。しかし、それをコアビジネスプロセスに組み込むことができるのは、SAP S/4HANA を使用 している場合だけです。データは非常に価値があります。 4 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP S/4HANA の説明 図 2: テクノロジーの進化 過去数年、テクノロジーは大きく進化しました。その進化のおかげで、アプリケーション開発者 はよりスマートで強力なアプリケーションを開発できるようになっています。例としては、次の ものが挙げられます。 ● マルチコアプロセッサによってタスクの並列処理が可能になったことで、データのスループ ットが向上し、処理が高速化したため、リアルタイムでの応答が実現しました。 ● メモリの大容量化により、企業のデータベース全体をメモリ内に格納できるようになったた め、機械的な回転を伴うディスクとそれに起因する遅延を排除できます。 ● オンボードキャッシュの設計も進化したため、メモリと CPU コアの間をデータが迅速に通過 できるようになりました。かつては、メモリを多く確保している場合でも、CPU がより多く のデータを要求している状態では、これがボトルネックとなり、メモリから CPU への道筋は 最適な状態になっていませんでした。 ● サーバランドスケープの増強とは、処理能力またはメモリを任意のサイズに拡張するために、 サーバの数を増強することを意味します。 SAP は、新しいハードウェアを完全に活用できるように、ビジネスアプリケーションソフトウェ アを設計し直しました。業界屈指のハードウェアパートナと緊密な連携を保ち、新しい CPU ア ーキテクチャの製品設計を共有することで、現時点で最先端のソフトウェアを開発し、パワーを 最大限に引き出すノウハウを手に入れました。 クラウドコンピューティングテクノロジーはここ数年で成熟しました。IT 環境の導入と保守管 理に伴う煩雑さやコストを避けたい顧客にとっては、きわめて魅力的なデプロイメントの選択肢 となっています。仮想マシンを使用することで、企業規模のアプリケーションを実行する際のコ ストを抑えることができます。サブスクリプションモデルに基づくパブリッククラウドサービ スを利用すれば、誰でも最新のソリューションを利用できるようになるため、あらゆる要素を簡 略化しながら、コストを抑えることになります。 インテリジェントエンタープライズ © 著作権. All rights reserved. 5 1 章: SAP S/4HANA の概要 図 3: インテリジェントエンタープライズにおける SAP S/4HANA: 全体像 SAP は、"成功する企業" はインテリジェントエンタープライズであると考えています。インテリ ジェントエンタープライズは、俊敏かつ統合されたビジネスプロセスに、高度なテクノロジーと ベストプラクティスを適用します。この図は、インテリジェントエンタープライズソリューショ ンポートフォリオと、各ポートフォリオがどのようにして一体となるかを示しています。以下で 詳しく説明します。 ● Business Technology Platform データ管理および分析機能を提供し、アプリケーション開発と統合をサポートします。こ れにより、人工知能、機械学習、モノのインターネットなどのインテリジェントテクノロ ジーを使用してイノベーションを促進することもできます。 ● Business Network 会社間ビジネスプロセスのデジタル化を支援します。このネットワークは、調達、出張、 非正規要員の各ソリューションを基盤としています。これは、顧客が連携して柔軟なバリ ューチェーンを構築するのに役立ちます。 ● エクスペリエンス管理 顧客、パートナ、従業員のセンチメントを評価し、それに基づいて行動できるように組織 を支援します。利害関係者の要望とその感情を理解することは、適切な意思決定を行う上 で不可欠です。 ● インテリジェントスイート 俊敏かつ統合されたビジネスプロセスの実行をサポートします。SAP は、従業員、顧客、 製品、支出、財務、IT など、組織のあらゆる側面の管理を支援します。組込分析により、 ビジネスをあらゆる角度から把握することができます。 ● Industry Cloud 顧客が SAP およびパートナの垂直型ソリューションを発見および展開できるようにしま す。これらのソリューションを使用して、顧客は最先端の業界のベストプラクティスを適 用し、現在のビジネスプロセスを拡張することができます。 ● 6 サステナビリティ管理 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP S/4HANA の説明 顧客が人と環境への影響を理解し、管理できるように支援します。Climate 21 は、SAP の 新しいサステナビリティ管理ソリューション群の背景にある取り組みの名称です。これ らのソリューションは、企業が温室効果ガス排出量を把握し、管理するのに役立ちます。 インテリジェントエンタープライズの詳細については、https://www.sap.com/products/ intelligent-enterprise.html?url_id=ctabutton-glo-icon-ie&btp=d01a5612-66fd-40e3-8b53bb605d549504 を参照してください。 図 4: インテリジェントエンタープライズにおける SAP S/4HANA: ビジネスプロセス この戦略の重要な部分は、エンドツーエンドプロセスの統合です。SAP は、これらのプロセスを 統合することを最優先事項としました。SAP の幅広いソリューションによってこれが実現され ます。 図 5: インテリジェントエンタープライズにおける SAP S/4HANA: Business Technology Platform Business Technology Platform は、データ管理と分析を提供し、アプリケーション開発と統合を サポートします。これにより、人工知能、機械学習、モノのインターネットなどのインテリジェ ントテクノロジーを使用してイノベーションを促進することもできます。 © 著作権. All rights reserved. 7 1 章: SAP S/4HANA の概要 図 6: インテリジェントエンタープライズにおける SAP S/4HANA: Business Network SAP Business Network は、会社間ビジネスプロセスのデジタル化を支援します。このネットワ ークは、現在の調達、出張、非正規要員の各ソリューションを基盤としており、インテリジェン トエンタープライズが連携して柔軟なバリューチェーンを構築するのに役立ちます。 ビジネスパートナのコラボレーションを強化し、場所、組織、およびシステムランドスケープ間 のギャップを埋めます。 図 7: インテリジェントエンタープライズにおける SAP S/4HANA: エクスペリエンス管理 エクスペリエンス管理は、顧客、パートナ、従業員のセンチメントを評価し、それに基づいて行 動するのに役立ちます。利害関係者の要望とその感情を理解することは、適切な意思決定を行う 上で不可欠です。 8 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP S/4HANA の説明 図 8: インテリジェントエンタープライズにおける SAP S/4HANA: サステナビリティ管理 サステナビリティ管理は、顧客が人と環境への影響を理解し、管理できるように支援します。 Climate 21 は、SAP の新しいサステナビリティ管理ソリューション群の背景にある取り組みの名 称です。これらのソリューションは、企業が温室効果ガス排出量を把握し、管理するのに役立ち ます。 図 9: インテリジェントエンタープライズにおける SAP S/4HANA: インテリジェントスイート SAP は、エンドツーエンドのビジネスプロセスをサポートするアプリケーションの統合スイート を提供しています。このスイートは、従業員、顧客、製品、支出、財務、IT など、組織のあらゆ る側面の管理を支援します。組込分析により、ビジネスをあらゆる角度から把握することができ ます。 25 の業種で、業務ライン (LoB) のビジネスアプリケーションが用意されています。 © 著作権. All rights reserved. 9 1 章: SAP S/4HANA の概要 図 10: インテリジェントエンタープライズにおける SAP S/4HANA: Industry Cloud SAP の industry cloud では、SAP とパートナの垂直型ソリューションを発見および展開するこ とができます。これらのソリューションを使用して、最先端の業界のベストプラクティスを適用 し、現在のビジネスプロセスを拡張することができます。 図 11: インテリジェントエンタープライズにおける SAP S/4HANA: Line of Business Solutions SAP は、エンドツーエンドのビジネスプロセスをサポートするアプリケーションの統合スイート を提供しています。 ● SAP S/4HANA Enterprise Management ● SAP S/4HANA LoB Solutions (追加料金あり) ● Suite Line of Business Solutions (追加料金あり、追加のインストール作業あり) SAP S/4HANA Intelligent ERP システム 10 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP S/4HANA の説明 図 12: SAP S/4HANA Intelligent ERP システム SAP S/4HANA では、人工知能と次世代のベストプラクティスを活用した機能により、すべての 従業員がよりスマートな意思決定をより迅速に行うことができます。 図 13: SAP S/4HANA: すべての選択肢が用意された次世代の ERP オンプレミス、パブリック/プライベートクラウド、ハイブリッド環境で利用可能な、AI と機械 学習が組み込まれた真に近代的な ERP システムを体験してください。 © 著作権. All rights reserved. 11 1 章: SAP S/4HANA の概要 図 14: SAP S/4HANA は 4 つの重要な柱でインテリジェントエンタープライズを実現 次に、ビジネスの俊敏性を獲得するには、Intelligent ERP である SAP S/4HANA によって提供さ れる標準化が必要です。 SAP S/4HANA は、市場をリードする Intelligent ERP です。あらゆる業種の組織が、高まり続け る顧客の期待に応え、新しい製品とサービスを提供して、市場と規制の要求が増加する時代にお いてリソースをより効率的に管理することを可能にし、圧倒的なビジネスの俊敏性を実現できる ように支援します。 次世代のエンドツーエンドビジネスプロセスは、以下の 3 つの主なイノベーション領域を基盤と しています。 ● デジタルアシスタンスと自然言語による会話に基づくデジタル時代のユーザエクスペリエン スにより、生産性とユーザ満足度が向上します。 ● 人工知能 (AI) やロボティックプロセスオートメーション (RPA) などのインテリジェント自 動化により、効率と有効性が向上し、マニュアルタスクが 50% 以上削減されます。 ● エンドツーエンドの分析では、コンテキスト対応かつリアルタイムの予測インサイトが提供 されるため、ユーザとエグゼクティブの両方がより的確な意思決定をより迅速に行えるよう になります。 図 15: エンドツーエンドの自動化のためのインテリジェントテクノロジーの連携 12 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP S/4HANA の説明 SAP S/4HANA は、意思決定を構成する以下の 4 つのステージに沿ってビジネスユーザをサポー トします。 ● データ取得 ● 情報分析 ● 意思決定 ● アクション実行 これらすべてのステージで、インテリジェントテクノロジーはビジネスユーザが生産性を向上さ せ、より優れたインサイトを得るのをサポートします。ビジネスプロセスによっては、データ取 得時の Intelligent Robotic Process Automation (RPA) サービスを使用した自動化を促進するこ とで、最大の利点を得られる場合があります。一方、別のプロセスでは、AI によってサポートさ れる情報分析の機能からより多くの利点を得られる場合があります。ただし、これらの目標を達 成するには、一連の補完機能が必要です。これらの機能の連携は、会話型 AI、状況処理、インテ リジェント RPA、AI、およびモノのインターネットにわたるインテリジェントテクノロジーによ って提供されます。 SAP が提供する事前構築済コンテンツにより、組織のデータを使用して機械学習モデルをトレー ニングすることで、カスタマイズやパーソナライズの労力が最小限に抑えられます。これらのコ ンテンツには、状況ベーステンプレート、RPA ボット、機械学習モデルなどがあります。これに より、SAP S/4HANA Cloud によってサポートされるエンドツーエンドのプロセスでインテリジ ェントテクノロジーをすぐに使い始めることができます。 インテリジェントエンタープライズの詳細については、https://www.sap.com/products/ intelligent-enterprise.html?url_id=ctabutton-glo-icon-ie を参照してください。 インテリジェントテクノロジーの詳細については、https://www.sap.com/products/ intelligent-technologies.html を参照してください。 インテリジェントエンタープライズにおける SAP S/4HANA: ソリューション概要 図 16: インテリジェントエンタープライズにおける SAP S/4HANA: ソリューション概要 © 著作権. All rights reserved. 13 1 章: SAP S/4HANA の概要 すべてのソリューション領域では、正式な SAP 用語が反映されます。正式な SAP 用語の詳細は SAP Solution Explorer に記載されていますが、SAP Feature Scope Description にも記載されて います。 ● 濃い灰色の領域には、シップメント範囲および S/4HANA Enterprise Management ライセン スに含まれるすべてのソリューション領域が表示されています。 ● 薄い灰色の領域には、個別のライセンスが必要な、シップメントに含まれる (またはアドオン として利用可能な) ソリューション領域が表示されています。 ● 白い領域には、シップメント範囲外の製品またはソリューションが表示されています。これ らは統合可能ですが、個別のプロジェクトが必要です。これらの多くは、利用可能なインタ フェース (API) または Best Practices とシームレスに統合できるため、関連する統合範囲が 追加設定なしでサポートされます。 SAP S/4HANA による生産の最適化: ● インテリジェントな生産プロセスを実行し、イノベーションを市場での成功につなげます。 ● 設計から運用に至るインテリジェントな生産を実現します。 - 負荷分散を把握し、リアルタイムで調整を行うための作業区およびリソースの能力利用度 に関するリアルタイムのインサイト - ユーザが需要および確認済指図の変更に対応できるようにするライブ計画 - 人的介入を最小限に抑え、個別化およびパーソナライズされた部品の大量生産 - 在庫と廃棄物を削減しながらカスタム指図の迅速な履行を実現するための OEM と契約サ ービスプロバイダ間のコラボレーション SAP S/4HANA による販売の最適化: ● 営業活動をインテリジェントに管理し、競合他社の一歩先を行き続けます。 ● インテリジェントな販売によってカスタマエクスペリエンスを向上させます。 - カスタマリレーションシップマネジメントと、プリセールス、サービスオーダー管理、お よびカスタマインタラクションのサポート - データの冗長性の低減、ビジネス文書の少ない簡易プロセス、全体的なシンプル化に対応 する 1 つのシステム - 拡張 ATP オーダーコミットメント日付のリアルタイム在庫情報による顧客満足度の向上 - 単一の見積および請求書で提供されるソリューションパッケージを販売するためのエン ドツーエンドプロセス SAP S/4HANA によるサプライチェーンの最適化: 14 ● サプライチェーンにおける不確実性を軽減し、大きな競争力を引き出します。 ● 俊敏かつ接続されたインテリジェントサプライチェーンを構築します。 - 積送品の確実な計画とスケジューリングのための在庫転送オーダーの早期かつ効率的な 把握 - 無制限の同時在庫移動および在庫と品目フローの真の透明性を実現するライブ在庫管理 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP S/4HANA の説明 - 最適化、自動化、労務管理など、すべての倉庫管理業務に対応する単一の倉庫管理プラッ トフォーム - すべての品目 (無制約品目と高度な制約条件準拠計画を必要とする品目の両方) に対応す る統一された 1 つの MRP プロセス SAP S/4HANA による財務の最適化: ● 財務プロセスの俊敏性を高め、エンドツーエンドの分析を実現します。 ● 動的なグローバル市場に合わせて財務を変革します。 - トランザクション、分析、および計画の統合によるライフサイクル全体の強化 - 合理化されたインテリジェントな自動化プロセスによるスループットの向上 - サブスクリプションベース課金モデルと従量課金モデルによる企業の個人のニーズへの 対応 - リアルタイム評価の意思決定ポイントにおける実行可能なインサイトと推奨事項 SAP S/4HANA によるソーシングおよび調達の最適化: ● 次世代 ERP により、コンプライアンスに準拠した価値主導型のスケーラブルな調達を実現し ます。 ● 調達を一元化および自動化します。 - 組織全体で柔軟性と可視性を提供する集中購買 - 組込の機械学習ベースの分析による契約消費の予測および交渉と品目管理の改善 - 新規カタログ明細に対する自動推奨、既存の契約がない品目の契約登録、および必要なユ ーザ定義テキスト付き明細の品目グループの照合 - 自動債務照合と、自動的に消し込まれなかった明細に対する消込の提案 SAP S/4HANA によるサービスプロセスの最適化: ● SAP S/4HANA で信頼性の高い卓越したパーソナライズ済サービスを提供します。 ● サービスを変革し、顧客を生涯維持します。 - サービスのポートフォリオ全体にわたる包括的な分析 - 統合されたフルフィルメント、請求、財務プロセスを含む商用サービスのエンドツーエン ド管理 - 単一のプラットフォームにおける計画からフルフィルメントまでの技術サービス管理 - 業務全体にわたる広範な可視性によるデータの追跡、視覚化、分析、操作 SAP S/4HANA による資産管理の最適化: ● 統合および最適化されたプロセスによって保全作業を計画、スケジュール、および実行しま す。 - 人、治工具、品目などのリソースを割り当てて最適化するための統合スケジューリング - 応答および分析を含む環境、安全、衛生データの包括的な管理 - 安全、環境への影響、および作業結果を改善するための事前のタスクの特定、管理、実行 © 著作権. All rights reserved. 15 1 章: SAP S/4HANA の概要 SAP S/4HANA による研究開発およびエンジニアリングの最適化: ● 次世代 ERP を活用して、パーソナライズされた新しい製品で価値を高め、デジタルイノベー ションを企業の競争上の優位性につなげます。 ● 研究開発を促進します。 - 効果的かつ予算内のプロジェクトを実行するための包括的なプロジェクト財務およびロ ジスティクス管理 - 単一プロジェクトおよびポートフォリオ全体に対応するリソース管理 (需要と能力を含 む) - 安全な品目処理を保証するための製品コンプライアンスおよび危険物管理 - 設計からバリアント選定までの製品ライフサイクル管理 SAP S/4HANA Intelligent ERP システムの詳細については、https://www.sap.com/products/ s4hana-erp.html を参照してください。 SAP HANA - SAP S/4HANA のプラットフォーム 図 17: SAP HANA - SAP S/4HANA のプラットフォーム SAP S/4HANA は、SAP HANA の内蔵機能を継承しています。これは、新しい SAP S/4HANA アプリケーション全体で明らかです。 SAP HANA の主要機能の一部を以下に示します。 ● アプリケーションサービス: データベースだけでなく、SAP HANA は、多くのアプリケーションサービスを提供できます。 これは、多くのアプリケーションが 3 層モデルではなく、2 層モデルで構築できることを意味 します。たとえば、すべてのチームメンバーが自分のタイムシートを完了していることをプ ロジェクトマネージャがすぐに確認できるアプリケーションがあるとします。これは、Web ブラウザと SAP HANA のみを必要とする Web アプリケーションとして簡単に開発できま す。アプリケーションサーバは不要です。これは、SAP HANA がデータベースサービスだけ 16 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP S/4HANA の説明 でなくビジネスロジックも処理できるためです。SAP HANA は、ボックスに付属の生産性ツ ールで完全な開発環境を提供します。開発者が設計時および実行時に必要とするあらゆるも のが揃っています。 ● 処理サービス: SAP HANA は、数多くの新しいタイプのデータに対応できます。これには、テキスト、空間、 グラフなどが含まれます。ただし、新しいデータタイプを格納するだけには不十分です。ビ ジネストランザクションなど、従来のデータタイプでこのデータを処理、統合できるアプリ ケーションを構築できるようにする必要があります。SAP HANA は、あらゆる種類のデータ をリアルタイムで処理するネイティブインメモリエンジンを提供します。 ● 統合サービス: SAP HANA には、複数のデータ使用オプションを備えています。連続したストリーミングデ ータを分析し、あらゆるデータソースにあるデータをリモートで読み取り、Hadoop などのビ ッグデータストアを読み取り、データ (IoT) を収集するリモートデータベースおよびデバイス と両方向で同期できます。SAP HANA には、抽出、変換、ローディング (ETL) 機能が内蔵さ れているため、各ソフトウェアが、どのソースのデータでもクリーニング、拡張、プロファ イリングする必要はなくなります。 ● データベースサービス: SAP HANA は、オンライントランザクション処理 (OLTP) 要件とオンライン分析処理 (OLAP) 要件をサポートし、ハイエンドハードウェアで実行するために開発された完全なインメモリ カラムおよびローストアデータベースです。自動圧縮により最適な状態でデータを格納し、 データエージング戦略をサポートするために複数の異なるストレージ層でデータを管理でき ます。また、高可用性機能が内蔵されており、データベースを継続的に実行し、ミッション クリティカルなアプリケーションのダウンを防ぎます。 SAP Business Technology Platform: SAP Business Technology Platform (SAP BTP) は、データベースおよびデータ管理、分析、統 合、および拡張機能を備えたインテリジェントエンタープライズアプリケーションを、クラウド 環境とハイブリッド環境の両方に対応する 1 つのプラットフォームに統合します。これには、 SAP およびサードパーティアプリケーション用に事前構築された数百の統合機能が含まれます。 SAP Business Technology Platform (SAP BTP) の詳細については、https://www.sap.com/ products/business-technology-platform.html を参照してください。 デジタル世界に向けたビジネススイートの再構築 企業コンピューティングが始まって以来、SAP は、大規模なテクノロジーの変革が起こるたびに ビジネスアプリケーションを再構築してきました。SAP のアプリケーション開発の歴史におけ る重要なポイントをいくつか次に挙げます。 © 著作権. All rights reserved. 17 1 章: SAP S/4HANA の概要 図 18: デジタル世界に向けたビジネススイートの再構築 ● 1979 - SAP は ERP を発明しました。SAP は、メインフレームテクノロジーに基づいて標準ビ ジネスソフトウェアを構築します。SAP R/2 は、主なビジネス機能をリアルタイムでサポー トして統合し、多国籍および多通貨実装を処理します(R はリアルタイムを意味します。また、 R/1 がありましたが、最初のメジャーリリースとは見なされません)。 ● 1992 - パーソナルコンピュータの登場により、クライアント/サーバアーキテクチャが導入さ れました。これにより、3 層の階層式アーキテクチャの真価を引き出すために、アプリケーシ ョンを開発し直すことになりました。このアーキテクチャでは、クライアント、アプリケー ション、データベースの 3 階層に分かれて処理が実行されます。グリーン 1 色の画面にテキ ストが散らばっている環境はここで終わり、新しいグラフィカルインタフェースが幕を開け、 エンドユーザエクスペリエンスが向上しました。SAP R/3 が生まれたのはこのときです。 ● 2004 - Web が共通ビジネスネットワークとして確立され、顧客が自社のビジネスアプリケー ションと Web の間のより緊密な統合を要求するようになりました。SAP は、これを実現する ために SAP NetWeaver という新しい統合アプリケーションプラットフォームを開発しまし た。すべての SAP アプリケーションが共通のプラットフォーム上で動作するようになり、顧 客とパートナは、広く普及しているサービス指向アーキテクチャ (SOA) などの Web 標準を使 用して、既存のアプリケーションを簡単に統合できるようになりました。 また、その少し後で、新しい切替フレームワークが導入され、顧客は SAP によって開発され た新機能のみを選択して有効化することで、コアプロセスの中断を回避できるようになりま した。SAP R/3 の名前は SAP ERP に変わります。ERP は、SAP Business Suite として知ら れる大きな製品ファミリーの一部であり、他の多くの業務ライン (LoB) アプリケーション (SAP CRM など) も含まれています。 18 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP S/4HANA の説明 図 19: SAP S/4HANA: 現在の状況 ● 2015 - ハードウェアアーキテクチャの進化の新しい波により、コストを抑えながら、きわめ て強力なコンピューティング機能を利用できるようになりました。この高機能を実現したの が、大容量メモリとマルチコアプロセッサです。既存の SAP アプリケーションの基本設計 は、新しいハードウェアの機能を完全には活用していませんでした。Business Suite を完全 に設計し直す必要がありました。この新しいビジネススイートの名前が SAP S/4HANA で す。 SAP の歴史の詳細については、https://www.sap.com/corporate/en/company/history.html を参照してください。 SAP Fiori による次世代ユーザエクスペリエンス SAP Fiori のユーザエクスペリエンスは、エンタープライズユーザの働き方を再定義しました。 新しいビジュアルデザインと外観により、作業をより快適にし、次世代の従業員に対応できるよ うにしています。 SAP Fiori は、プラットフォームとデバイス間で一貫したユーザエクスペリエンス (UX) を SAP ソフトウェアで提供する設計システムです。これは、SAP の製品エクスペリエンスおよび設計戦 略の中核となります。 SAP Fiori は、働き方を変えるインテリジェントエンタープライズの UX です。設計者と開発者に は、かつてないほど迅速にあらゆるプラットフォーム用のアプリを作成するための一連のツール とガイドラインが用意されており、作成者とユーザの両方に、一貫性のある革新的なエクスペリ エンスが提供されます。SAP Fiori を使用すると、市場の要求に応じて新しいアイデアを優れた アプリにすばやく変換できます。 © 著作権. All rights reserved. 19 1 章: SAP S/4HANA の概要 図 20: SAP Fiori SAP S/4HANA には、SAP Fiori というまったく新しいユーザエクスペリエンスが用意されてい ます。SAP Fiori は、ソフトウェア製品ではなく、SAP S/4HANA 専用に策定された新しい設計 手法です。SAP Fiori アプリケーションの設計の主な側面を次に示します。 20 ● どのデバイスでも快適に実行され、コンシューマグレードの品質を確保する必要があります。 ● (各種ユーザ用に機能を備えた複雑すぎる画面とは対照的に) 特定のジョブ機能に力点を置い ています。 ● ユーザがスムースに作業を進めるために必要な必須の情報のみを提供します。 ● 少ないクリック数と画面変更の回数でタスクが完了します。 ● トレーニングをほとんど、またはまったく実行しなくても、アプリケーションを直感的に使 用できます。 ● プロセス内の意思決定をサポートするための組込分析を含むことができます。 ● どのアプリケーションでもルックアンドフィールを一貫させることができます。 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP S/4HANA の説明 図 21: SAP Fiori アプリ参照ライブラリ SAP Fiori アプリ参照ライブラリ (https://fioriappslibrary.hana.ondemand.com/sap/fix/ externalViewer/) には、製品、ロール、LoB、業種別に構成された利用可能な Fiori のコレクシ ョンが表示されます。Fiori アプリライブラリには、Web で簡単にアクセスすることができ、文 書と導入ガイダンスが含まれています。 SAP Fiori の詳細については、https://www.sap.com/products/fiori.html を参照してください。 SAP S/4HANA のオンプレミス版では、SAP GUI がサポートされており、SAP Fiori アプリケー ションとともに使用できます。これにより、従来のインタフェースに慣れている既存の SAP の 顧客でも簡単に移行できます。また、SAP Fiori にまだ変換されていないさまざまなトランザク ションがあるため、SAP GUI がまだ必要となります。従来の SAP GUI トランザクションと SAP Fiori アプリケーションが常に 1:1 で対応するわけではないので注意してください。多くの場合、 1 つの SAP Fiori アプリケーションが、個別の多くの SAP GUI トランザクションの代わりになり ます。 © 著作権. All rights reserved. 21 1 章: SAP S/4HANA の概要 SAP クラウドソリューションおよびサービス 図 22: S4H00_Unit01_Cloud_01_Image.pptx クラウドコンピューティングは、データストレージ、セキュリティ、ネットワーキング、ソフト ウェアアプリケーション、ビジネスインテリジェンスなどのサービスを、インターネットを介し てサブスクリプションベースで提供します。 クラウドコンピューティングが実現し、誰もがより多くを学ぶことに関心を持っています。ユー ザと顧客はモバイルアプリケーションに慣れており、時間と場所を問わず対話や作業を行うこと ができます。しかし、クラウドコンピューティングの背後にあるのは、単なる最新の Web イン タフェースだけではありません。クラウドへの移行の可能性を検討している企業にとって、優れ た応答時間、データストレージ、情報アクセス、信頼性、セキュリティはすべて不可欠です。お そらく同業他社は、クラウドコンピューティングによる成功や、最新のテクノロジー、柔軟性の 大幅な向上、IT コストの削減をいかにして実現しているのかを語っているでしょう。 クラウドコンピューティングの世界を探索する際は、クラウドコンピューティングにおける用 語、定義、選択肢を理解しておく必要があります。 クラウドコンピューティングの利点: ● 高い信頼性: セキュリティ、安全性、可用性を備えています。優れた応答時間で、24 時間 365 日、どこか らでもクラウドシステムにアクセスできます。常勤のセキュリティエキスパートのスタッフ がおり、セキュリティで保護されたサーバ上で実行されます。データは冗長化され、別の場 所にバックアップされています。 ● 柔軟: 必要なときに必要なコンピューティング能力を入手します。サーバ、ネットワーク、または ストレージを追加または削減します。新規ユーザを即時にオンボーディングします。新しい 地域に展開します。これらがすべて迅速かつ簡単に実行されます。 ● 22 経済的: © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP S/4HANA の説明 必要な分だけ支払います。ハードウェアまたは設備に対する先行投資財務費用がありませ ん。システムの保守およびアップグレードに費やされる IT スタッフの時間を削減します。代 わりに、収益を生み出すプロジェクトに資金と人員を投資します。 ● 最新: プラットフォーム、データベース、およびソフトウェアアプリケーションの最新バージョン を常に使用できます。さらに、機械学習 (ML)、人工知能 (AI)、モノのインターネット (IoT) などの新しいテクノロジーを活用します。最新のイノベーションを常に最新の状態に保ちま す。 クラウドコンピューティングサービスのタイプ: ● SaaS (Software-as-a-Service ): ソフトウェアはリモートサーバでホストされ、顧客は Web ブラウザまたは標準の Web 統合 から、時間と場所を問わずソフトウェアにアクセスできます。SaaS プロバイダがバックアッ プ、保守、および更新を担当します。 SAP Cloud アプリケーションの例: ● - クラウド ERP: すべてのビジネス機能にわたるプロセスを統合するクラウドベースの ERP システムにより、堅固なデジタルコアを獲得します。企業規模にかかわらず、イノベーシ ョンに必要な俊敏性を獲得し、急速に変化する顧客の要求に対応します。 - クラウド調達: ソーシングから支払までのプロセス全体を自動化します。SAP のクラウド アプリケーションを使用すると、コストを把握しやすくなり、効率を高め、サプライヤコ ラボレーションを強化することができます。また、契約管理を合理化し、サプライヤリス クを軽減することもできます。 - クラウド分析: SAP の SaaS (Software-as-a-Service) 分析を活用して、組織全体でより的 確な意思決定をより迅速に行います。統合されたビジネスインテリジェンス、計画、予測 機能を単一のシンプルなセルフサービスクラウドソリューションですべて利用します。 - クラウド HR: SAP の HR クラウドソリューションでシームレスなデジタルエクスペリエ ンスを提供します。HR プロセスをシンプル化し、業績を向上させます。自動化された透 過プロセスにより、適切な人材の発掘、将来のリーダーの育成、全従業員のエンゲージメ ントを実現します。 PaaS (Platform-as-a-Service): アプリの構築とデプロイに必要なすべてのものを開発者に提供するクラウドベースのアプリ ケーション開発環境です。PaaS では、開発者は、必要な機能とクラウドサービスをサブスク リプションまたは従量課金ベースで選択できます。 SAP Business Technology Pratform (SAP BTP) は、インテリジェントエンタープライズ向け に構築された統合および拡張プラットフォームです。これにより、ランドスケープを接続し、 ビジネスニーズに重点を置いたアプリケーション拡張を作成できます。 ● IaaS (Infrastructure-as-a-Service): 企業は、サーバ、ネットワーク、ストレージ、オペレーティングシステムなどのコンピュー ティングリソースを従量課金ベースでレンタルすることができます。インフラストラクチャ の規模は拡大するため、顧客はハードウェアに投資する必要がありません。 SAP クラウドソリューションおよびサービスの詳細については、https://www.sap.com/ trends/cloud-solutions.html を参照してください。 © 著作権. All rights reserved. 23 1 章: SAP S/4HANA の概要 SAP S/4HANA デプロイメントオプション 図 23: SAP S/4HANA デプロイメントオプション SAP S/4HANA は、従来のオンプレミス (Any-Premise) デプロイメント、クラウドデプロイメン ト、またはその両方の組合せで利用できます。 ● クラウド: すべての業界の実証済ベストプラクティスから構築された標準化されたプロセス、年 4 回の 新しいイノベーション、迅速な価値実現、TCO の削減により、俊敏性を最大限に高めます。 ● オンプレミス (Any-Premise): SAP S/4HANA を独自のデータセンタにデプロイするか、IaaS (Infrastructure-as-a-Service) プロバイダを活用することで専門分野の能力を最大限に利用し、環境を完全に制御して SAP S/4HANA をカスタマイズおよび拡張します。 ● ハイブリッドランドスケープ: クラウドとオンプレミスのハイブリッドランドスケープで企業および子会社のニーズに対応 し、単一データモデルを活用して統合をシンプル化し、プロセスを調整します。 クラウドデプロイメントのタイプ: ● パブリッククラウド (SAP S/4HANA Cloud, Essentials、SAP S/4HANA Cloud, Extended): パブリッククラウドでは、プロバイダのクライアントが使用可能なネットワークを介してサ ービスが顧客に提供されます。パブリッククラウドは効率的かつ経済的であり、多くの場合 はマルチテナントです。つまり、プロバイダは共有環境でサービスを実行します。 ● プライベートクラウド: プライベートクラウドでは、ファイアウォールで保護されたプライベートネットワーク上で サービスが維持されます。プライベートクラウドは独自のデータセンタ内で構築できます。 または、ベンダがホストするプライベートクラウドにサブスクライブすることもできます。 プライベートクラウドでは、最も多くのセキュリティと制御が提供されます。 ● 24 ハイブリッドクラウド: © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP S/4HANA の説明 ハイブリッドクラウドは、パブリッククラウド、プライベートクラウド、およびオンプレミ スインフラストラクチャを組み合せたものです。ハイブリッドクラウドでは、パブリックク ラウドリソースを利用しながら、従来のデータセンタまたはプライベートクラウドに機密情 報を保持することができます。 図 24: SAP S/4HANA の選択肢 SAP は、クラウドが SAP S/4HANA デプロイメントに最良の選択肢であると判断した顧客向け に、複数の選択肢を用意しています。最良の選択肢を決定するには、範囲、ガバナンス、標準化 という 3 つの側面を考慮する必要があります。これらの用語はカテゴリであり、それぞれにさま ざまな特性が含まれていることに注意してください。 ● 範囲: 範囲には、サポートされるビジネスプロセス (財務、在庫など)、および業種と地域のサポー トが含まれます。カスタム HEC 上で実行される SAP S/4HANA の範囲は、オンプレミスの SAP S/4HANA と同じです。SAP S/4HANA Cloud, Extended edition も同様です。SAP S/ 4HANA Cloud は、市場にある他のどのソリューションよりも多くの国別ローカライズがサポ ートされ、機械学習および予測分析によって実現されるインテリジェントプロセスが多く含 まれる優れたクラウド ERP です。パブリッククラウドソリューションと同様に、プロセスは 標準ベースであるため、企業 (特にインストールベースの SAP の顧客) は Best Practices Explorer を調べることで、ソリューションの利用可能範囲に基づく Fit-to-Standard がビジネ スニーズを満たすかどうかを確認することが重要です。 https://rapid.sap.com/bp/ . ● ガバナンス: このカテゴリは、SAP S/4HANA 自体への更新 (拡張パックおよび修正) だけでなく、インフ ラストラクチャの実行も意味します。SAP S/4HANA Cloud の場合、SAP が保守更新および イノベーションスケジュール (四半期ごとのイノベーションサイクル/更新、および修正の必 要性に応じて) を決定します。一方、SAP S/4HANA Cloud, Extended edition の場合、顧客が ガバナンスを決定し、最大年 2 回の更新 (1 回の更新は必須) を受け取ることができます。オ ンプレミスでは、SAP S/4HANA の更新が年に一度行われますが、更新が行われるタイミン グは顧客が管理します。 ● 標準化: このカテゴリは、カスタマイゼーションおよび拡張だけでなく、設定およびコード自体の修 正も含みます。オンプレミスの場合、顧客の管理下にあり、必要に応じてカスタマイズ、拡 張、設定、および変更を行うことができます。ソリューションが大幅に変更された場合、過 © 著作権. All rights reserved. 25 1 章: SAP S/4HANA の概要 去のオンプレミス ERP ソリューションの場合と同様に、この柔軟性が原因となって更新およ びイノベーションサイクルで問題が発生することもあります。SAP S/4HANA Cloud の場 合、カスタマイズと拡張は管理された環境 (SAP Business Technology Platform [SAP BTP]) で行う必要があります。これにより、保守を進めるのが容易になります。この場合、設定ま たは SAP S/4HANA コード自体を変更することはできません。SAP S/4HANA Cloud, Extended edition の場合、導入時にコンテンツ設定全体を引き継ぐことができ、完全な拡張 性が実現されます。ただし、SAP は、SAP S/4HANA Cloud (マルチテナント) への移行を将 来的に実行しやすくするために、標準化の必要性を強調しています。 SAP S/4HANA Cloud の詳細については、次のページを参照してください。 http:// go.sap.com/product/enterprise-management/s4hana-erp/cloud.html SAP Cloud Appliance Library SAP Cloud Appliance Library では、SAP S/4HANA、SAP HANA, express edition、業種別ソリ ューションなどの最新の SAP ソリューションをクラウドで迅速かつ簡単に利用する方法が提供 されます。 図 25: SAP Cloud Appliance Library これは、事前設定済ですぐに使用可能な最新の SAP ソリューションのオンラインライブラリで す。これらの SAP ソリューションを自身のパブリッククラウドアカウント (Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloud Platform など) に即座にデプロイして、ほんの数時 間で SAP プロジェクトを開始することができます。 SAP Cloud Appliance Library が選ばれる理由 ● 高速: 数回クリックするだけで、テスト、デモ、トライアル、開発の各システムを稼働させること ができます。 ● シンプル: 直感的なユーザエクスペリエンスを使用した、クラウドでの完全に自動化されたデプロイメ ントが提供されます。 ● パワフル: 最新のビジネスソリューションに即時にアクセスでき、価値実現までの時間が短縮されます。 SAP Cloud Appliance Library にアクセス: https://cal.sap.com/ 26 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP S/4HANA の説明 SAP S/4HANA リリース方針 図 26: SAP S/4HANA リリース方針 SAP S/4HANA と SAP S/4HANA Cloud edition のリリース方針は異なります。 ● SAP S/4HANA - SAP は、毎年、メジャーリリースを 1 つ出荷し、その後、四半期ごとに 3 つ の機能 (フィーチャ) パックスタック (FPS) を出荷しています。FPS によってイノベーショ ンが追加され、問題が修正されます。FPS 以外に、SAP は、安定性をさらに改善するために、 引き続き四半期ごとにサポートパックスタック (SPS) を出荷しています。 ● SAP S/4HANA Cloud - これはより速いペースで変更されるため、SAP は、四半期ごとにメジ ャーリリースを出荷しています。FPS リリースまたは SPS リリースはありません。 RISE with SAP RISE with SAP は、顧客にとって最適な方法でビジネスを変革するために必要なものすべてを集 約したサービスです。 © 著作権. All rights reserved. 27 1 章: SAP S/4HANA の概要 図 27: RISE with SAP 包括的かつインテリジェントで顧客に特化したサービスの利点を活用します。 ● ビジネスプロセスインテリジェンス: Process Discovery: SAP が取得した最新のソリューションで、ビジネスプロセスインテリジェンスを開始できま す。プロセス分析とリアルタイム監視によってエンドツーエンドのプロセスパフォーマンス に関するインサイトを得て、タスクとワークフローを自動化してプロセスの改善を促進しま す。 ● 組込のツールおよびサービス: 準備、分析、および実現のための一連のツールとサービスを活用して、現在の ERP 環境から のシームレスな移行を促進します。 ● SAP Business Technology Platform の利用クレジット: クラウドクレジットの支払方法を選択し、リアルタイムのサービス利用状況を監視してプロ ジェクトコストをより適切に把握します。SAP Business Technology Platform (SAP BTP) の利用クレジットで使用した分だけ請求が行われます。 ● SAP Business Network スターターパック: SAP Business Network のスターターパックを使用して取引パートナとの動的なデジタル接 続を確立し、ビジネスの 4 つの壁を超えて変革を強化します。 ● SAP S/4HANA Cloud: 最新のクラウド ERP により、短期間で価値を実現します。クラウドエコノミクスのメリット を享受し、さまざまな業種および LoB のベストプラクティスを活用し、インテリジェントエ ンタープライズへと進化して、新たな機会を持続的に獲得します。 ● IaaS (Infrastructure as a Service): SAP がホストするアプローチまたはハイパースケーラアプローチのデプロイメントオプショ ンを選択し、インテリジェントエンタープライズへの変革を加速するために、より大きな規 模で高いパフォーマンスと信頼性という IaaS のメリットを提供します。 28 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP S/4HANA の説明 RISE with SAP の詳細については、https://www.sap.com/products/rise.html? url_id=ctabutton-glo-icon-rise-012721 を参照してください。 レッスンのまとめ 以下について学習しました。 ● SAP S/4HANA の説明 © 著作権. All rights reserved. 29 1 章: SAP S/4HANA の概要 30 © 著作権. All rights reserved. 1章 学習内容のテスト 1. デジタルの世界向けに設計を刷新したビジネススイートの要件を後押しするトレンドにはど のようなものがありますか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A デバイス接続の増加 X B より技術的な IT 作業に従事しているビジネスユーザ X C モバイルデバイスの所有者の増加 X D クラウドコンピューティングの導入 2. アプリケーションコードを SAP S/4HANA 用に開発し直したのはなぜですか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A Suite on SAP HANA 用に開発した最適化済 ABAP コードが SAP S/4HANA では動作 しないと予想された X B より単純なデータモデルを利用するため X C SAP S/4HANA は現在 Java で構築されている X D SAP HANA 用にコードを最適化するため 3. SAP S/4HANA コアの名前は何ですか。 正しい答えを選択してください。 X A Enterprise Resource Management X B Enterprise Management X C Enterprise Central Component X D Enterprise Line of Business (LoB) © 著作権. All rights reserved. 31 1 章: 学習内容のテスト 4. SAP Fiori とは 正しい答えを選択してください。 X A モバイルテクノロジー X B ユーザエクスペリエンス X C データモデル X D レポートツール 5. 最も拡張性の高いカスタマ変更が可能になるのはどのエディションですか。 正しい答えを選択してください。 X A SAP S/4HANA X B SAP S/4HANA Cloud 6. ボーナス質問: Fiori という単語は何を意味しているでしょうか。(ヒント: イタリア語です) 正しい答えを選択してください。 32 X A 火 X B 花 X C 怒り X D 高速 © 著作権. All rights reserved. 1章 学習内容のテスト - 解答 1. デジタルの世界向けに設計を刷新したビジネススイートの要件を後押しするトレンドにはど のようなものがありますか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A デバイス接続の増加 X B より技術的な IT 作業に従事しているビジネスユーザ X C モバイルデバイスの所有者の増加 X D クラウドコンピューティングの導入 正解です。デジタルの世界向けに設計を刷新したビジネススイートのニーズを後押しするト レンドとしては、デバイス接続の増加、モバイルデバイスの所有者の増加、クラウドコンピ ューティングの導入が挙げられます。 2. アプリケーションコードを SAP S/4HANA 用に開発し直したのはなぜですか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A Suite on SAP HANA 用に開発した最適化済 ABAP コードが SAP S/4HANA では動作 しないと予想された X B より単純なデータモデルを利用するため X C SAP S/4HANA は現在 Java で構築されている X D SAP HANA 用にコードを最適化するため 正解です。アプリケーションコードを記述し直したのは、よりシンプルなデータモデルを利 用して、SAP HANA 用にコードが最適化されるようにするためです。 © 著作権. All rights reserved. 33 1 章: 学習内容のテスト - 解答 3. SAP S/4HANA コアの名前は何ですか。 正しい答えを選択してください。 X A Enterprise Resource Management X B Enterprise Management X C Enterprise Central Component X D Enterprise Line of Business (LoB) 正解です。SAP S/4HANA コアの名称は Enterprise Management です。 4. SAP Fiori とは 正しい答えを選択してください。 X A モバイルテクノロジー X B ユーザエクスペリエンス X C データモデル X D レポートツール 正解です。SAP Fiori はユーザエクスペリエンス設計手法です。 5. 最も拡張性の高いカスタマ変更が可能になるのはどのエディションですか。 正しい答えを選択してください。 X A SAP S/4HANA X B SAP S/4HANA Cloud 正解です。最も拡張性の高いカスタマ変更が可能になるのは SAP S/4HANA です。 6. ボーナス質問: Fiori という単語は何を意味しているでしょうか。(ヒント: イタリア語です) 正しい答えを選択してください。 X A 火 X B 花 X C 怒り X D 高速 正解です。Fiori は花を意味します。 34 © 著作権. All rights reserved. 2章 ナビゲーション レッスン 1 37 SAP Fiori の使用 レッスン 2 45 SAP Business Client の使用 - オプション レッスン 3 49 SAP Logon (GUI) の使用 章の目的 ● SAP Fiori アプリケーションおよびツール ● SAP Business Client の使用 ● SAP Logon (GUI) の使用 © 著作権. All rights reserved. 35 2 章: ナビゲーション 36 © 著作権. All rights reserved. 2章 レッスン 1 SAP Fiori の使用 レッスンの目的 このレッスンの目的は、以下のとおりです。 ● SAP Fiori アプリケーションおよびツール SAP Fiori あなたの企業では SAP S/4HANA の導入を計画しており、SAP ユーザエクスペリエンス戦略に 関する洞察を得たいと考えています。 特に SAP Fiori UI に興味を持っています。 図 28: 概念と影響要因 IT と電子デバイスの使用はもはや専門家だけのものではなく、あらゆる社会グループに普及して います。ハードウェアのパフォーマンスは高くなり、スコープや用途の異なる多種多様なソフト ウェア製品を実行できるようになりました。結果として、ソフトウェアの使いやすさが重要とな ってきています。 © 著作権. All rights reserved. 37 2 章: ナビゲーション このような状況は主に、柔軟で使いやすいユーザインタフェースを備えたスマートフォンおよび タブレットによって推し進められています。最高の機能を提供するユーザインタフェースはも はや求められておらず、コンシューマを重視して、より快適なユーザエクスペリエンスを提供す るユーザインタフェースが必要です。 経験豊富な専門家ユーザを重視する時代は終わりました。したがって、ビジネスソフトウェアも 同様に、企業内のあらゆるロールに対して優れたユーザエクスペリエンスを提供するように調整 および変換する必要があります。UI は、このような傾向に対応するうえで重要な役割を果たしま す。 SAP ソフトウェア製品においては、ユーザエクスペリエンス (UX) 領域での全体的な SAP 戦略を 明確に把握および理解することが課題です。 SAP User Experience 図 29: UI と UX UI および UX という用語は、2 つの異なる考え方を表します。 ● UI は、ソフトウェアの観点でのユーザとデバイス間の相互作用を示しています。使用時の効 率を最大化することを目的としています。 ● UX はエンドユーザの観点で使用され、使用時だけでなく、使用する前と使用した後のモチベ ーションや感情の向上を目指しています。UX は、ユーザの肯定的な感情やモチベーションを 引き出すことを目的としています。 図 30: ユーザタイプ 38 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Fiori の使用 専門領域や IT 部門の構造、デジタル化の程度に応じて、さまざまなユーザタイプが存在するこ とになります。 ただし、ほとんどすべての会社で使用される基本ユーザタイプは以下の 3 つです。 ● 一時ユーザ シンプルで使いやすいアプリケーションを必要とします。多くの場合、シングルステップの トランザクションが実行されます。 ● エキスパートユーザまたはキーユーザ プロセスおよび使用可能なアプリケーションを熟知しています。このユーザは、多くの場合、 複数のシステムおよびさまざまな UI を使用します。 ● 開発者またはプログラマ プロセスやシステムに関する詳細な知識を持ち、既存のアプリケーションの調整や拡張に対 応します。通常、さまざまな UI を使用する複数のアプリケーションを担当します。 SAP Fiori SAP Business Suite と対話する際に可能な限り最善のユーザエクスペリエンスを提供するとと もに、ビジネスクリティカルなアプリケーションにあらゆるデバイスから安全にアクセスできる ようにしたいと考えています。既存の IT システムランドスケープと統合し、特定のニーズに合 わせて拡張できるソリューションが必要です。SAP Fiori でこれらの要件を満たす必要がありま す。 図 31: SAP Fiori 利点 ● 生産性の向上 - 関連情報やアプリに迅速かつ直接アクセス ● タイムリーな通知 - 注意が必要な項目の透明性 ● ユーザが次に何を行う必要があるかの判断を支援 ● ユーザは情報に基づいた迅速なアクションを実行可能 © 著作権. All rights reserved. 39 2 章: ナビゲーション ● ユーザ満足度の向上 SAP S/4HANA の主なテーマはシンプル化です。これは、ユーザエクスペリエンスに確実に当て はまるものです。私たちは UI ではなく UX という単語を使っています。これは、画面の外観に限 らず、ユーザの体験全体を考慮する必要があるためです。たとえば、料理の見た目が優れている ものの、サービスの悪いレストランに行った場合、全体的な体験は良くないと判断し、二度と行 きたくないと評価するでしょう。 見栄えの良い UI だけでなく、ユーザの生産性を支援し、使い心地を良くする機能を提供する必 要があります。SAP Fiori が実現しているのはこの要素です。 SAP Fiori は、SAP GUI、SAP ポータル、SAP Business Client など既存のインタフェースのアッ プグレードではなく、完全に新しいユーザエクスペリエンスです。SAP Fiori は、選択したデバ イスに関係なく、同じユーザエクスペリエンスを提供できるどのデバイスでも動作します。デス クトップを使用してオフィスで基本発注を設定し、得意先を訪問して設定を完了し、タブレット で価格設定に同意できます。SAP Fiori は、どのデバイスでも同じルックアンドフィールおよび 生産性機能を提供します。 SAP Fiori アプリは、"デザインシンキング" という方法論を使用して設計されています。これは、 ユーザを中心に置いたソリューションベースのソフトウェアおよびユーザインタフェース設計 手法です。 SAP Fiori のコンセプトおよび設計 SAP Fiori は、あらゆるデバイスおよびデプロイメントオプションにわたるすべての業務ライン のビジネスユーザ向けの、一貫した包括的ユーザエクスペリエンスです。 図 32: SAP Fiori のコンセプトおよび設計 SAP Fiori のコンセプトは、基本的には、ロールベース、快適性、一貫性、シンプル、アダプテ ィブなどの最新の設計原則に依拠したユーザエクスペリエンスのシンプル化です。 40 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Fiori の使用 ● ロールベースは、ユーザ、ユーザのニーズ、およびユーザの作業方法に合わせて設計されて いることを意味します。 ● 快適性は、感情的なつながりを築くという意味です。 ● 一貫性は、滑らかで直観的な 1 つのエクスペリエンスを提供することを意味します。 ● シンプルは、必要なものだけが含まれるという意味です。 ● アダプティブは、複数のユースケースとデバイスに適応できることを意味します。 SAP Fiori の設計は、SAP Fiori の設計ガイドラインで定義されているビジュアルデザイン、情報 アーキテクチャ、色、および対話パターンです。SAP Fiori は、ユーザロールとビジネスプロセ スに基づいて、ビジネスの遂行をシンプル化します。SAP Fiori では、不要な複雑さを排除する ことで、エンタープライズユーザエクスペリエンスの標準を設定しています。SAP は、本当に必 要なものだけを提供することで、ユーザがビジネスタスクを管理できるようにします。これは、 上述の 5 つの設計原則に反映されています。 SAP Fiori アプリのタイプ 図 33: SAP Fiori アプリのタイプ SAP Fiori アプリは、複数の異なるタイプに分類できます。例としては、次のものが挙げられま す。 ● トランザクションアプリでは、(伝票、マスタレコードの) 変更、登録、照会などのタスクに タスクベースでアクセスしたり、ガイド付きナビゲーションでプロセス全体にアクセスした りすることができます。 ● 分析アプリでは、アクションを実行するうえでの洞察を得ることができます。監視または追 跡目的のため、複雑なトピックの概要が視覚的に示されます。 © 著作権. All rights reserved. 41 2 章: ナビゲーション ● オブジェクトページでは、データを検索して調べることができます。オブジェクトの重要な 情報の 360 度ビューが提供され、関連オブジェクト間のコンテキストナビゲーションが可能 です。 SAP Fiori ラウンチパッドのホームページ 図 34: SAP Fiori ラウンチパッドのホームページ - ユーザ用の 1 つのエントリポイント SAP Fiori ラウンチパッドのホームページは、SAP Fiori アプリをホストし、ナビゲーション、パ ーソナライゼーション、組込サポート、アプリケーション設定などのサービスを提供するシェル です。モバイルデバイスおよびデスクトップデバイスでの SAP Fiori アプリへのエントリポイン トになっています。SAP Fiori ラウンチパッドのホームページにより、タイルが含まれるホーム ページが表示されます。これらのタイルには、未処理タスクの数など、ライブステータスインジ ケータを表示することもできます。各タイルは、ユーザが起動できるビジネスアプリケーション を表します。 ホームページ上の SAP Fiori アプリケーションはタイルグループ別に編成されています。ユーザ は、タイルをグループ化、移動、削除することによって、SAP Fiori ラウンチパッドのホームペ ージのレイアウトをパーソナライズすることができます。グループの追加、削除、名称変更、並 替えも可能です。SAP Fiori ラウンチパッドのホームページをパーソナライズするための機能 は、ラウンチパッド設定で有効にする必要があります。 グループにタイルを追加できるように、SAP Fiori ラウンチパッドのホームページにはタイルカ タログが用意されています。このカタログには、ユーザに公開できるすべてのタイルが表示され ます。 42 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Fiori の使用 アプリ内ヘルプ 図 35: アプリ内ヘルプを開く - SAP Fiori ラウンチパッドのホームページ ヘルプコンテンツ、またはヘルプの検索方法に関する詳細情報とともに、ヘルプカルーセルが表 示されます。F1 を使用してヘルプを開くこともできます。 図 36: アプリ内ヘルプを開く - SAP Fiori アプリ © 著作権. All rights reserved. 43 2 章: ナビゲーション アプリ内ヘルプの例: SAP Fiori アプリ貸借対照表/損益計算書。 SAP Fiori ラウンチパッドのホームページのユーザパーソナライゼーション 図 37: SAP Fiori ラウンチパッドのホームページのユーザパーソナライゼーション SAP Fiori ラウンチパッドのホームページには、以下のパーソナライゼーションオプションが用 意されています。 ● 割り当てられているカタログからアプリケーションを追加する。 ● 使用しないアプリケーションを削除する。 ● レポート結果をフィルタする目的でアプリケーションを変更および追加する。 たとえば、グループの資金管理者であるユーザがドイツ市場に興味を持っている場合、ドイツ市 場の資金管理ポジションに直接移動するためのアプリケーションを登録することができます。1 回のクリック操作で SAP Fiori ラウンチパッドのホームページから直接資金管理ポジションに移 動することができます。 SAP Fiori の詳細については、以下を参照してください。 ● https://experience.sap.com/fiori-design-web/ ● https://help.sap.com/fiori ● https://www.sap.com/products/fiori.html レッスンのまとめ 以下について学習しました。 ● 44 SAP Fiori アプリケーションおよびツール © 著作権. All rights reserved. 2章 レッスン 2 SAP Business Client の使用 - オプション レッスンの目的 このレッスンの目的は、以下のとおりです。 ● SAP Business Client の使用 SAP Business Client SAP Business Client は、さまざまな SAP ビジネスアプリケーションおよびテクノロジーへの単 一エントリポイントとなるユーザインタフェース (UI) です。各種 UI テクノロジー (Web Dynpro ABAP、SAP GUI トランザクション、SAP Fiori アプリなど) におけるユーザエクスペリ エンスをより効率的かつ直観的で完全なものにすることを目的として、さまざまな UI テクノロ ジーおよび設計世代が統合された正確性の高いシェルです。SAP Business Client 内では、Web Dynpro と SAP GUI トランザクション間をシームレスに移動することができます。 SAP Business Client では、さまざまな接続タイプを提供することで、以下の設定をサポートし ています。 ● システム接続タイプ SAP Fiori ラウンチパッド: SAP Business Client は SAP Fiori ラウンチパッド向けの Windows ベースのデスクトップブ ラウザとして動作します。組込型 SAP GUI for Windows を使用して、従来の Dynpro アプリ ケーション (SAP GUI トランザクション) を起動することができます。 ● システム接続タイプ SAP Business Client: ABAP バックエンドシステムで PFCG ロールを使用するアプリケーション (SAP GUI、Web Dynpro、Fiori、各種 Web コンテンツアプリケーションなど) に対するロールベースのアクセ スが SAP Business Client によって提供されます。 ● システム接続タイプ SAP Logon: SAP Business Client によって純粋な SAP GUI システム接続が組み込まれ、任意の SAP NetWeaver AS ABAP リリースに接続することができます。ただし、ロールベースのナビゲー ションや検索などの利便性拡張は利用できません。 デスクトップバージョンの SAP Business Client では、現代的でシンプルなルックアンドフィー ルを採用し、使いやすい Web ブラウザ式のユーザエクスペリエンス、簡単なナビゲーション、 およびコンテンツフォーカス (タブブラウズ) を実装しています。 図 "SAP Business Client 7.70 の画面領域" は、シェル、コンテンツエリア、およびサイドパネル で構成される SAP Business Client のメイン画面領域を示しています。 © 著作権. All rights reserved. 45 2 章: ナビゲーション 図 38: SAP Business Client 7.70 の画面領域 デスクトップバージョンでは、個人の要件や技術的要件に合わせてテーマやブランディングオプ ションなどを選択することで、Business Client の外観や設定を調整することができます。 シェルは、ユーザが実作業を行うコンテンツエリアで実行されているアプリケーションを優先し て、クライアントが使用するスペースを節約することを目的としています。サイドパネルを使用 すると、メインアプリケーションに関連する状況依存情報が追加で表示されます。ユーザは、ヘ ッダエリアの左上隅にあるアイコンからメニューを開き、システム設定を指定したり、ビューや パーソナライゼーションオプションをカスタマイズしたり、製品文書などのヘルプやサポート機 能にアクセスしたりすることができます。ドロップダウンメニュー形式のメニュー表示も、シェ ル上部の画面スペースの節約に役立っています。 シェルは、Web Dynpro や SAP GUI トランザクションなどの、多様なアプリケーションおよびテ クノロジーからのフレームコンテンツに対して中立になるように意図的に設計されています。 デスクトップクライアントのシェルは、デフォルトでは Corbu 設計でレンダリングされます。こ れは、軽量で中立な設計および解像度拡大による可読性向上を特徴としたテーマです。ユーザ は、個人設定でテーマを切り替えることによって、シェルとコンテンツエリアの外観をカスタマ イズすることができます。ヘッダエリアのみを対象として暗くするか、明るくするかを選択する ことができます。高コントラストテーマも用意されており、これを使用すると、クライアント、 Web Dynpro、および SAP GUI ページのテーマが変更されます。Web URL として組み込まれて いるコンテンツを除き、すべてのコンテンツが高コントラストテーマを使用して表示されます。 タブベースのナビゲーションモデル (タブブラウズ) の採用により、ユーザは複数のタブで同時に 作業できるようになりました。コンテンツを新しいウィンドウではなくタブにロードすること ができます。ユーザは、セッションを中断することなく、タブ間を容易に切り替えることができ ます。新しいセッションはそれぞれ新しいタブで提供されます。多くのアプリケーションを 1 つのウィンドウで同時に使用している場合、タブ一覧を表示したり、タスクバーでタブのプレビ ューを確認したりすることで、タブバーに含まれるすべてのタブの概要を把握することができま す。タブバーに表示できるより多いタブを開いている場合は、タブ一覧にすべてのタブページ表 題が表示されます。ユーザは、開いているタブの完全な一覧を表示して、選択したタブにすばや くナビゲートすることができます。 46 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Business Client の使用 - オプション 頻繁に使用するトランザクションやアプリケーションのページをユーザ定義一覧に追加するか、 ユーザがシステムに次回ログオンしたときに表示されるようにタブを固定することによって、ユ ーザのナビゲーション構造をパーソナライズすることが可能です。 ユーザは、さまざまなオプションを使用して、アプリケーションを検索および起動することがで きます。これには、概要ページ、クイックラウンチ、またはナビゲーションパネルからのナビゲ ーションが含まれます。インデックスページや新規タブページなどの概要ページは、ロールベー スのナビゲーションの中央エントリポイントとして機能します。 デスクトップクライアントの強力な検索機能とクイックラウンチ機能は、単一の入力補完項目に 結合されています。ユーザは、設定済の検索プロバイダ (デスクトップ検索など) を使用して検索 を開始することも、トランザクションや Web Dynpro アプリケーションを直接開始することもで きます。検索結果は、さまざまな検索カテゴリに分類されます。たとえば、ユーザ定義および最 近使用したアイテム別に表示したり、デスクトップ検索やトランザクションおよびアプリケーシ ョン別に表示したりすることができます。 レッスンのまとめ 以下について学習しました。 ● SAP Business Client の使用 © 著作権. All rights reserved. 47 2 章: ナビゲーション 48 © 著作権. All rights reserved. 2章 レッスン 3 SAP Logon (GUI) の使用 レッスンの目的 このレッスンの目的は、以下のとおりです。 ● SAP Logon (GUI) の使用 SAP Logon (GUI) SAP システムへのログオン SAP グラフィカルユーザインタフェース (SAP GUI) は、SAP システムへのアクセスに使用する フロントエンドプログラムです。SAP GUI にはいくつかのバリアントがあり、さまざまな環境で 使用できるように調整されています。このレッスンでは、Windows 環境向けの SAP GUI に言及 しています。 SAP GUI プログラムを使用して、フロントエンドコンピュータを特定の SAP システムに接続し ます。SAP GUI を起動するために、専用のプログラム SAP Logon が用意されています。ユーザ が SAP Logon を起動すると、利用可能な SAP システムの一覧が画面に表示されます。この一覧 はフロントエンドコンピュータ上のファイルから読み込まれます。このファイルは事前に設定 され、ユーザに対して使用可能になっています。 図 39: SAP Logon プログラム © 著作権. All rights reserved. 49 2 章: ナビゲーション 初めてログオンする際は、事前にシステム管理者から初期パスワードが指定されます。ログオン プロセスで、任意の新規パスワードを入力します。今後のログオンでは、常に自分のパスワード を使用することになります。 注記: この手順は、会社ごとに異なる場合もあります。詳細については、担当のシステム管 理者に問い合わせてください。 ログオン画面 図 40: SAP システムへのログオン システム共通のメッセージがある場合は、システムメッセージダイアログボックスが表示されま す。このメッセージ読み終わったら、続行または Enter を選択してダイアログボックスを閉じま す。 画面構造の要素 SAP Easy Access 画面は、SAP システムの標準設定の第一画面です。 50 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Logon (GUI) の使用 図 41: SAP Easy Access 画面 画面の左側には、利用可能なメニューのツリー階層が表示されます。右側のグラフィックはシス テム管理者によって集中設定されているため、個々のユーザがカスタマイズすることはできませ ん。このグラフィックには、会社のロゴなどが使用されます。 © 著作権. All rights reserved. 51 2 章: ナビゲーション SAP 画面構造 図 42: 画面構造 SAP 画面は、以下の画面要素で構成されます。 52 ● コマンドフィールド: コマンドフィールドに直接トランザクションコードを入力して、アプリ ケーションを起動することができます。アプリケーションのトランザクションコードは、ス テータスバー、またはアプリケーション自体でシステム → ステータスを選択して確認するこ とができます。 ● メニューバー: メニューバーは、SAP システムの主要画面の最上部にあります。表示されるメ ニューは、使用するアプリケーションによって異なります。 ● 標準ツールバー: どの SAP 画面でも、標準ツールバーにボタンが表示されます。アプリケー ションで使用できないボタンは無効になっています (グレイアウト)。ボタンの上にカーソル を移動すると、そのボタンの名称または機能が示されたツールヒントが表示されます。 ● 表題バー: 表題バーには、現在使用している機能の名称が表示されます。 ● アプリケーションツールバー: アプリケーションツールバーには、現在使用しているアプリケ ーションで利用可能なボタンが表示されます。 ● チェックボックス: チェックボックスでは、項目のグループから複数のオプションを選択する ことができます。 ● ラジオボタン: ラジオボタンは 1 つしか選択することができません。 ● タブ: タブページでは、複数の画面領域にデータがわかりやすく整理された形で表示されま す。 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Logon (GUI) の使用 ● ステータスバー: ステータスバーには、警告やエラーメッセージなど、現在のシステムステー タスに関する情報が表示されます。表示バリアントを変更して、現在使用中のトランザクシ ョンのトランザクションコードなどを表示することもできます。 ● その他の要素: その他の要素には、入力項目やボタンなどがあります。 ロールベースのユーザメニュー トランザクション、レポート、または Web ベースアプリケーションのメニューは、2 つの形式 でユーザに表示されます。 メニュー形式は以下のとおりです。 ● SAP 標準メニュー: システムで使用可能なすべてのトランザクションとレポートを網羅した 一覧です。 ● ロールベースのユーザメニュー: ビジネスシナリオで使用されるアクティビティのコレクシ ョンです。ユーザは、ロールベースメニューを使用して、トランザクション、レポート、Web ベースアプリケーションにアクセスすることができます。 図 43: ロールベースのユーザメニュー ユーザには、ロールに関連付けられているロールメニューと権限が割り当てられます。権限によ って、ジョブ機能を実行するために必要な特定のアクティビティへのアクセスが制御されます。 システム管理者は、特定のジョブ要件に合わせてメニュー項目を追加または削除することによっ て、ロールベースメニューを調整することができます。 ユーザ定義 ユーザ定義一覧には、以下のような項目を追加することができます。 ● トランザクション © 著作権. All rights reserved. 53 2 章: ナビゲーション ● ファイルへのリンク ● インターネットアドレス 注記: ユーザ定義は、フォルダ構成にすることができます。ユーザ定義は、SAP Easy Access 画面でユーザ定義メニューを使用して編集することができます。 図 44: ユーザ定義メニュー ユーザ定義一覧 (最初は空) は、自分の好みに合わせて編集することができます。自分のユーザ定 義一覧が他のユーザに公開されることはありません。 ユーザインタフェース 作業環境の設定に役立つパーソナライズオプションがいくつか用意されています。 以下は、パーソナライゼーションオプションの一覧です。 54 ● SAP Easy Access 画面のレイアウトの変更 ● 入力ヘルプを提示するための入力履歴の記録 ● ステータスバーではなくダイアログボックスによるステータスメッセージの表示 ● データ表示に関するユーザ設定の設定 ● 画面および項目の色と動作の調整 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Logon (GUI) の使用 ステータスバー ステータスバーには、SAP システム、および作業中のトランザクションやタスクに関する一般的 な情報が表示されます。ステータスバーの左側にはシステムメッセージが表示され、右側にはシ ステム情報が表示されます。 図 45: ステータスバー ステータスバーには、以下の情報を表示することができます。 ● システム ● クライアント ● ユーザ ● プログラム ● トランザクション ● 応答時間 情報ステータス項目を非表示にするには、項目の左側の矢印を選択します。 マルチセッション SAP システムでは、多重ログオンのログが記録されます。多重ログオンのログを記録する主な理 由は、セキュリティとライセンスです。同じユーザが複数回ログオンすると、2 回目以降のログ オンで毎回警告メッセージが表示されます。 警告メッセージのオプションは、以下のとおりです。 ● このログオン手順を続行し、システムへの他のログオンを終了する。 © 著作権. All rights reserved. 55 2 章: ナビゲーション ● このログオン手順を続行し、システムへの他のログオンを終了しない (これはログ記録の対象 です)。 ● このログオンを終了する。 各 SAP システムに対してログオンは 1 回のみにしてください。マルチセッションを使用すると、 同一コンピュータ上で同時に複数のウィンドウを開くことができます。 図 46: マルチセッション ユーザは、いつでも新規セッションを開始することができます。これは、トランザクションの途 中でそのトランザクションを完了するために情報の確認が必要になった場合に便利です。複数 のセッションを開始することができ、各セッションはお互いに影響しません。すでに開いている セッションのデータが失われることはありません。たとえば、最初のセッションを終了しても、 その他のセッションは終了しません。 開いているセッションが多すぎると、システムパフォーマンスが低下します。システム管理者 は、ユーザに作成を許可するセッション数を制限することができます。 セッションを終了する前に、必要なデータをすべて保存します。 ナビゲーション SAP システムには、以下のナビゲーションオプションがあります。 56 ● コマンドフィールドにトランザクションコードを入力 ● メニューバーのメニューから項目を選択 ● ユーザ定義一覧から項目を選択 ● ロールベースのユーザメニューから選択 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Logon (GUI) の使用 図 47: ナビゲーションオプション メニューを使用すると、トランザクションコードが不明の場合に特定のトランザクションを見つ け出すことができます。メニューは、SAP システムでユーザが実行するタスクに従って構成され ています。メニューはドロップダウンリスト形式であるため、メニュー項目を選択すると、さら にその下位のオプションが表示されます。 トランザクションコード システムのトランザクションや機能のすべてにトランザクションコードがあります。コマンド フィールドにトランザクションコードを入力すると、トランザクションや機能を開始することが できます。必要なトランザクションや機能のトランザクションコードを知っていると便利です。 トランザクションコードを確認するには、トランザクションに移動してから、システム → ステ ータスを選択します。 © 著作権. All rights reserved. 57 2 章: ナビゲーション ヘルプ機能 図 48: SAP Help Portal F1 項目ヘルプ: 項目、メニュー、機能、およびメッセージに関するヘルプを検索するには、F1 を使用します。F1 ヘルプでは、該当する項目の技術情報も表示されます (項目のパラメータ ID や技術名称など)。 58 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Logon (GUI) の使用 図 49: F1 項目ヘルプ F4 項目ヘルプ: 項目に入力可能な値に関する情報を検索するには、F4 を使用します。選択した項目の F4 ヘルプ にアクセスするには、その項目のすぐ右側にあるボタンを選択するか、または F4 キーを選択し ます。 © 著作権. All rights reserved. 59 2 章: ナビゲーション 図 50: F4 項目ヘルプ: SAP GUI の SAP Fiori テーマ SAP Fiori フレームワークを技術的に変更することなく、既存のアプリケーションのルックアン ドフィールを SAP Fiori の設計と使いやすさのパラダイムにできるだけ迅速に適応させるため に、SAP Fiori テーマが提供されています。SAP GUI for Windows に表示される従来の Dynpro に基づくアプリケーションは、SAP GUI の Quartz テーマまたは Belize テーマを使用して SAP Fiori の設計と使いやすさに適応させることができます。 60 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Logon (GUI) の使用 図 51: Quartz テーマ - SAP Easy Access SAP Fiori の設計ガイドラインに準拠するには、Quartz テーマの動作が、以前に提供されていた SAP GUI for Windows のすべてのテーマと一部で異なる必要がありました。 画面上のさまざまな機能の概要を改善するために、SAP Fiori の設計により、機能表示の新しい 完全な構造が作成されました。メニューバー、標準ツールバー、タイトルバー、アプリケーショ ンツールバー、ステータスバーなど、一般的に知られている Dynpro バーが削除され、それらの 中の機能が再配分されました。SAP Fiori の設計では、ヘッダバーとフッタバーのみが提供され ます。重要度の低い機能の多くは、メニューアイテムにグループ化されています。 図 52: Quartz テーマ - SAP Easy Access - ユーザメニュー もう 1 つの重要な相違は、Quartz テーマのヘッダバーとフッタバーにアイコンが使用されるのは ごくわずかであるという点です。代わりに、テキストのみが使用されます。無効なボタンは表示 されません。 © 著作権. All rights reserved. 61 2 章: ナビゲーション レッスンのまとめ 以下について学習しました。 ● 62 SAP Logon (GUI) の使用 © 著作権. All rights reserved. 2章 学習内容のテスト 1. SAP Fiori の利点をいくつか挙げてください。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A 生産性の向上 X B 情報に基づいた迅速なアクションをユーザに許可 X C ビジネス機能へのフォーカス X D ユーザ満足度の向上 2. ユーザは、個人設定でテーマを切り替えることによって、SAP Business Client 7.70 のシェ ルとコンテンツエリアの外観をカスタマイズすることができます。 この文章の内容は正しいですか、誤りですか。 X 正 X 誤 3. SAP システム、および作業中のトランザクションまたはタスクに関する一般的な情報は、以 下のどれに表示されますか。 正しい答えを選択してください。 X A ステータスバー X B メニューパス X C ロールバー X D アプリケーションツールバー 4. SAP Easy Access メニューでは、以下の情報を含むユーザ定義一覧を作成できます。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A Web アドレス X B トランザクション X C ファイルへのリンク © 著作権. All rights reserved. 63 2 章: 学習内容のテスト 5. 頻繁に入力する必要がある項目に対して、値を事前設定したいと考えています。そのために は、パラメータ ID が必要です。画面で対象の項目を選択しているときに、この項目のパラメ ータ ID について確認するには、どのヘルプ機能を使用すればよいですか。 正しい答えを選択してください。 64 X A F1 X B F4 X C システムヘルプ X D F11 X E アプリケーションヘルプ © 著作権. All rights reserved. 2章 学習内容のテスト - 解答 1. SAP Fiori の利点をいくつか挙げてください。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A 生産性の向上 X B 情報に基づいた迅速なアクションをユーザに許可 X C ビジネス機能へのフォーカス X D ユーザ満足度の向上 正解。SAP Fiori では、関連情報やアプリにすばやく直接アクセスできるため、生産性が向上 します。これにより、ユーザは情報に基づいたアクションを迅速に実行することができ、ユ ーザ満足度の向上が可能になります。また、通知をタイムリーに提供し、ユーザが次に何を 行う必要があるかを決定するのにも役立ちます。 2. ユーザは、個人設定でテーマを切り替えることによって、SAP Business Client 7.70 のシェ ルとコンテンツエリアの外観をカスタマイズすることができます。 この文章の内容は正しいですか、誤りですか。 X 正 X 誤 正解です。ユーザは、個人設定でテーマを切り替えることによって、SAP Business Client 7.70 のシェルとコンテンツエリアの外観をカスタマイズすることができます。ヘッダエリ アのみを対象として暗くするか、明るくするかを選択することができます。高コントラスト テーマも用意されており、これを使用すると、クライアント、Web Dynpro、および SAP GUI ページのテーマが変更されます。 © 著作権. All rights reserved. 65 2 章: 学習内容のテスト - 解答 3. SAP システム、および作業中のトランザクションまたはタスクに関する一般的な情報は、以 下のどれに表示されますか。 正しい答えを選択してください。 X A ステータスバー X B メニューパス X C ロールバー X D アプリケーションツールバー 正解です。ステータスバーには、SAP システム、および作業中のトランザクションやタスク に関する一般的な情報が表示されます。 4. SAP Easy Access メニューでは、以下の情報を含むユーザ定義一覧を作成できます。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A Web アドレス X B トランザクション X C ファイルへのリンク 正解です。ユーザ定義一覧には、上記のすべてのアイテムを追加できます。 5. 頻繁に入力する必要がある項目に対して、値を事前設定したいと考えています。そのために は、パラメータ ID が必要です。画面で対象の項目を選択しているときに、この項目のパラメ ータ ID について確認するには、どのヘルプ機能を使用すればよいですか。 正しい答えを選択してください。 X A F1 X B F4 X C システムヘルプ X D F11 X E アプリケーションヘルプ 正解です。項目の選択中にパラメータ ID を確認するには、F1 ヘルプを使用します。 66 © 著作権. All rights reserved. 3章 システム共通のコンセプト レッスン 1 69 組織ユニットの説明 レッスン 2 71 マスタデータのコンセプトの説明 章の目的 ● SAP S/4HANA の組織ユニットの説明 ● SAP S/4HANA のマスタデータのコンセプトに関する説明 © 著作権. All rights reserved. 67 3 章: システム共通のコンセプト 68 © 著作権. All rights reserved. 3章 レッスン 1 組織ユニットの説明 レッスンの目的 このレッスンの目的は、以下のとおりです。 ● SAP S/4HANA の組織ユニットの説明 組織ユニット SAP アプリケーションを実装する最初のステップの 1 つは、SAP システムに社内の具体的な組織 構造を定義することです。会計管理、ロジスティクス、およびヒューマンキャピタルマネジメン ト機能用に組織ユニットが用意されています。最初のステップでは、社内の構造および手順を分 析し、それらを SAP 構造に割り当てます。 組織ユニットには、以下のものがあります。 クライアント クライアントは、全組織ユニットの最上位レベルの要素です。これは企業または本社グルー プを表します。 会社コード 会社コードは、財務会計における中心的な組織ユニットを表す、法律上の独立した会計単位 です。会社コードは、会社の税法 (国内) のビュー、会計カレンダ、国内通貨、および税レ ポート要件を表します。 プラント プラントは、生産の中心的な組織ユニットです。プラントでは、製品の製造、製品の分配、 またはサービスの提供を実施することができます。 保管場所 1 つのプラント内の在庫品目は、保管場所により区別されます。 販売組織 販売組織は、販売管理の中心的な組織ユニットです。得意先への販売条件を管理します。 流通チャネル 流通チャネルは、さまざまな製品が消費者のもとにどのように届けられるかを定義する目的 で使用されます (例: 卸売)。 人事領域 人事領域は企業の特定領域を表す組織ユニットであり、人事の側面に従って編成されます。 人事サブ領域 人事サブ領域は企業の特定領域を表す組織ユニットであり、人事の特定側面に従って編成さ れます。 Internet Demonstration and Evaluation System (IDES) は、SAP が開発し、使用しているデモシ ステムです。IDES は、外部ビジネスパートナとのコラボレーションにより支えられている国際 企業です。IDES は、世界規模で経営を展開し、多数の子会社を擁しています。 © 著作権. All rights reserved. 69 3 章: システム共通のコンセプト 図 53: 企業構造: 用語 レッスンのまとめ 以下について学習しました。 ● 70 SAP S/4HANA の組織ユニットの説明 © 著作権. All rights reserved. 3章 レッスン 2 マスタデータのコンセプトの説明 レッスンの目的 このレッスンの目的は、以下のとおりです。 ● SAP S/4HANA のマスタデータのコンセプトに関する説明 マスタデータのコンセプト ビジネスパートナ (BP) アプローチ SAP システムでは、マスタデータは集中登録され、すべてのアプリケーションおよび権限が与え られたすべてのユーザが利用できるようになっています。このように集中保管されることで、マ スタデータレコードは常に整合性が維持され、最新の状態に更新されるとともに、冗長性が回避 されます。マスタデータは、組織ユニット (プラント、組織ユニットなど) に割り当てられた複数 のビューに編成されます。マスタレコードはセグメント構造の形をとっているため、1 つの処理 に関するさまざまな組織構造を柔軟に表現することができます。 対応するデータ (ビジネスパートナや品目に関する情報など) が 1 つのデータベースオブジェク トに統合されると、データの冗長性の問題から解放され、かつデータの完全性が強化されます。 保管されているデータは、販売、購買管理、在庫管理、品目計画、請求書照合、財務、人事管理 などのすべての領域で共有されます。 SAP ERP では、得意先マスタデータおよび仕入先マスタデータを別個に更新する必要がありま す。つまり、特定のビジネスパートナが特定のプロセスでは得意先になり、別のプロセスでは仕 入先になる場合、そのビジネスパートナのマスタデータを 2 回更新する必要があります。SAP S/4HANA の (必須) ターゲットアプローチは、ビジネスパートナアプローチです。このアプロー チを使用すると、得意先と仕入先のマスタデータを一元的に管理することができます。 SAP S/4HANA では、SAP Fiori アプリのビジネスパートナマスタデータ管理またはトランザク ション BP を使用して、ビジネスパートナマスタデータを更新することができます。 SAP Fiori アプリビジネスパートナマスタデータ管理は、ビジネスパートナ、仕入先、および得 意先のマスタデータを登録、変更、および照会するための単一エントリポイントとなります。 © 著作権. All rights reserved. 71 3 章: システム共通のコンセプト 図 54: SAP S/4HANA のビジネスパートナアプローチ ビジネスパートナは、個人、グループ、または組織として分類することができます (法人または 部門など、法的実体の一部)。 グループは、共同生活体、夫婦、取締役会を表します。組織は、企業、企業の部門、アソシエー ションなどのユニットを表します。"組織" は、日常の業務活動のあらゆる状況をマッピングする ために使用される上位用語です。 また、ビジネスパートナを複数のロール (仕入先、FI 仕入先、得意先など) に対して更新するこ とができます。そのため、さまざまなプロセスの関連マスタデータを適宜記録し、該当する機能 (受注先など) にビジネスパートナを使用することができます。 製品マスタデータ 製品マスタデータ (品目マスタ) には、企業が社内での品目管理に必要とするすべての重要な情報 が含まれています。製品マスタデータ (品目マスタ) では、特に、製品の販売の方法、製造の方 法、製造に必要な品目の購買の方法、棚卸の方法、会計の方法、および原価計算の方法が定義さ れます。製品マスタデータ (品目マスタ) の情報は、ビジネス機能によって分類されたさまざまな ビューにグループ化されます。 72 © 著作権. All rights reserved. レッスン: マスタデータのコンセプトの説明 図 55: マスタデータ: 製品マスタデータ トランザクション トランザクションは、SAP システムでビジネスプロセスを実行するアプリケーションプログラム です。トランザクションの処理時には、データの再入力が必要ないように、可能な限りマスタデ ータがコピーされます。たとえば、受注登録トランザクションの実行時には、ユーザは得意先マ スタのコードを入力する必要があります。得意先マスタのコードは、関連するすべての得意先情 報領域にコピーされます。受注明細に対して品目マスタの番号を入力すると、関連する品目デー タが受注にコピーされます。 各トランザクションの実行時には、該当する組織要素を入力する必要があります。たとえば、販 売組織を指定することによって、適切な販売グループがその営業活動の担当として設定されま す。プラントおよび保管場所を指定すると、製品の供給元として設定されます。 © 著作権. All rights reserved. 73 3 章: システム共通のコンセプト 図 56: トランザクション 伝票は、マスタデータおよび組織要素の事前定義済の関連情報をすべて含む、トランザクション の電子データレコードです。 レッスンのまとめ 以下について学習しました。 ● 74 SAP S/4HANA のマスタデータのコンセプトに関する説明 © 著作権. All rights reserved. 3章 学習内容のテスト 1. すべての組織ユニットの最上位レベルの要素であり、企業または本社グループを表すのはど れですか。 正しい答えを選択してください。 X A プラント X B 保管場所 X C 会社コード X D クライアント 2. 組織ユニットでは、SAP システムにおける会社の企業構造を法律または業務に関連する目的 で定義します。 この文章の内容は正しいですか、誤りですか。 X 正 X 誤 3. 以下のうち、組織ユニットの例として正しいものはどれですか。 正しい答えを選択してください。 X A 会社コード X B クライアント X C プラント X D 上記のすべて X E 上記のいずれも該当しない © 著作権. All rights reserved. 75 3 章: 学習内容のテスト 4. 以下のうち、マスタデータの説明として正しいものはどれですか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A マスタデータは集中登録され、すべてのアプリケーションおよび権限が与えられたす べてのユーザが利用できるようになっている。 X B マスタデータは、データの冗長性を軽減する。 X C マスタデータは、さまざまな組織ユニットに割り当てられた複数のビューに編成され る。 5. トランザクションは、SAP システムでビジネスプロセスを実行するアプリケーションプログ ラムです。 この文章の内容は正しいですか、誤りですか。 X 正 X 誤 6. マスタデータと組織ユニットの事前定義済み情報を含む取引の電子データレコードは次のど れですか。 正しい答えを選択してください。 76 X A レポート X B ログ X C 伝票 X D 在庫 © 著作権. All rights reserved. 3章 学習内容のテスト - 解答 1. すべての組織ユニットの最上位レベルの要素であり、企業または本社グループを表すのはど れですか。 正しい答えを選択してください。 X A プラント X B 保管場所 X C 会社コード X D クライアント 正解です。クライアントは、すべての組織ユニットの最上位レベルであり、企業または本社 グループを表します。 2. 組織ユニットでは、SAP システムにおける会社の企業構造を法律または業務に関連する目的 で定義します。 この文章の内容は正しいですか、誤りですか。 X 正 X 誤 正解です。組織ユニットでは、SAP システムにおける会社の企業構造を法律または業務に関 連する目的で定義します。 3. 以下のうち、組織ユニットの例として正しいものはどれですか。 正しい答えを選択してください。 X A 会社コード X B クライアント X C プラント X D 上記のすべて X E 上記のいずれも該当しない 正解です。会社コード、クライアント、プラントはすべて組織ユニットの例です。 © 著作権. All rights reserved. 77 3 章: 学習内容のテスト - 解答 4. 以下のうち、マスタデータの説明として正しいものはどれですか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A マスタデータは集中登録され、すべてのアプリケーションおよび権限が与えられたす べてのユーザが利用できるようになっている。 X B マスタデータは、データの冗長性を軽減する。 X C マスタデータは、さまざまな組織ユニットに割り当てられた複数のビューに編成され る。 正解です。上記の 3 つの文はすべて、マスタデータに関する正しい説明です。 5. トランザクションは、SAP システムでビジネスプロセスを実行するアプリケーションプログ ラムです。 この文章の内容は正しいですか、誤りですか。 X 正 X 誤 正解です。トランザクションは、SAP システムでビジネスプロセスを実行するアプリケーシ ョンプログラムです。 6. マスタデータと組織ユニットの事前定義済み情報を含む取引の電子データレコードは次のど れですか。 正しい答えを選択してください。 X A レポート X B ログ X C 伝票 X D 在庫 正解です。マスタデータと組織ユニットの事前定義済み情報を含む取引の電子データレコー ドは伝票です。 78 © 著作権. All rights reserved. 4章 ロジスティクス レッスン 1 81 購買から支払までのプロセスの使用 レッスン 2 87 計画から生産までのプロセスの使用 レッスン 3 95 受注から入金までのプロセスの使用 章の目的 ● 購買から支払までのプロセスの使用 ● 計画から生産までのプロセスの使用 ● 受注から入金までのプロセスの使用 © 著作権. All rights reserved. 79 4 章: ロジスティクス 80 © 著作権. All rights reserved. 4章 レッスン 1 購買から支払までのプロセスの使用 レッスンの目的 このレッスンの目的は、以下のとおりです。 ● 購買から支払までのプロセスの使用 購買から支払までのプロセス 図 57: SAP S/4HANA Sourcing and Procurement の概要 SAP S/4HANA は、ソーシングおよび調達プロセスを効率的に習得するのに役立ちます。 購買業務の合理化、ソーシングと契約管理の自動化、調達プロセスの一元化を実現します。 ソーシングおよび調達 © 著作権. All rights reserved. 81 4 章: ロジスティクス 図 58: SAP S/4HANA Enterprise Management - ソーシングおよび調達 あなたの企業では SAP S/4HANA Enterprise Management の導入を計画しており、この環境で のロジスティクスプロセスの実施方法を知りたいと考えています。特に、調達および在庫管理、 製造およびオーダーフルフィルメントに関心があります。 図 59: 一般的な調達周期 図 "一般的な調達周期" は、以下のような一般的な調達周期を示しています。 1. 所要量決定 (需要判断) 所要量を確認します。 2. 供給元決定 供給元を特定します。 3. 仕入先選択 見積を比較します。 4. 購買発注登録 82 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 購買から支払までのプロセスの使用 購買発注を登録します。購買発注では、購買依頼または見積の情報が採用されます。 5. 購買発注履歴追跡 購買発注を追跡します。すべての購買依頼、見積、購買発注に関する最新ステータスを確認 することができます。 6. 入庫 入庫を確認します。 7. 請求書照合 処理対象の請求書のチェックと照合を行います。 8. 支払処理 仕入先への支払を処理します。 SAP S/4HANA では、調達プロセス自体が変更されたわけではありませんが、SAP Fiori アプリ によって新しい管理方法が提供されます。 調達は購買依頼管理から始まり、購買発注管理を経て、入庫、請求書照合、仕入先への支払へと 続くプロセス全体をカバーします。 さまざまな購買依頼がすばやく効率的に処理されます。SAP S/4HANA によって供給元の割当 がシンプル化されるため、発注時に使用する仕入先の特定に必要な時間が短縮されます。 従業員がセルフサービスの要求機能を使用して、発注を効率よく登録、管理、追跡し、購買部門 では事業に必要なアイテムを少額で場当たり的に購入するのではなく、より高額の戦略的な意思 決定に基づいて処理することができます。 ワンストップの購買発注処理で、依頼とショッピングカートを単一のビジネスオブジェクトに統 合することによって、購買がシンプル化されています。 リアルタイムの購買および在庫レポートによる最新のインサイトがあるため、常に正確な情報に 基づいて意思決定を行うことができます。 SAP Ariba Network での購買発注およびその他の関連伝票の転送をサポートするネイティブ統 合があります。 図 60: 消費財調達 SAP S/4HANA では、適切な供給元を見つけるための購買依頼の処理、購買発注の登録および処 理など、すべての購買活動で消費財購買担当者を総体的にサポートしています。 従業員は、コンシューマグレードのユーザエクスペリエンスによるカタログ間検索で、商品また はサービスを検索し、依頼することができます。 購買依頼の登録から商品やサービスの確認まで、依頼プロセス全体が SAP Fiori UI でサポートさ れます。 © 著作権. All rights reserved. 83 4 章: ロジスティクス 購買発注コラボレーションの場合、SAP S/4HANA によって、SAP Ariba Network へのネイティ ブ統合が提供されます。 購買担当者は、リアルタイム調達分析を利用して、支出例外または支払期日超過購買発注明細に 直接対応することができます。 エンドツーエンドソリューションの消費財調達は、以下のソリューション機能で構成されていま す。 ● セルフサービス依頼 ● 購買依頼処理 ● 購買発注処理 ● サービス購買 ● 購買発注コラボレーション ● 調達分析 在庫管理 在庫管理は、複雑なサプライチェーンネットワークの在庫品目の識別、分類、評価、保管をサポ ートします。 従来、バックフラッシュなど在庫移動を生産の歩留から計算する必要がある場合は特に、大量の 在庫移動の転記はバッチプロセスで実行されていました。したがって、在庫のポジションが必ず しも最新ではありませんでした。SAP S/4HANA ではリアルタイムの在庫管理環境で作業する ため、常に最新の情報を取得できます。 任意の時点で、すべての需要と供給を含む将来の在庫移動と残高を対象期間にわたって参照する ことができ、製品構成のあらゆるレベルで、最も小さいコンポーネントに至るまで確認できま す。 最終的に、部品表/配合表 (BOM) のあらゆるレベルの正確な関連原価をリアルタイムに確認でき ます。このため、製品の収益性を正確な直接費および間接費に基づいてリアルタイムに計算でき ます。 リアルタイムの在庫に基づいて作業するため、不正確さを補い、不一致を許容するために以前使 用されていた、在庫バッファは不要になりました。この結果、在庫回転率が向上します。 SAP HANA の能力とスピードにより、在庫の処理を大きな集約されたバッチで行う必要がなくな りました。かなり小さなロットサイズでオンデマンドで処理することができます。 請求および債務管理 図 61: 請求および債務管理 84 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 購買から支払までのプロセスの使用 仕入先請求書一覧アプリとサプライヤ請求書登録アプリによって、SAP S/4HANA では、ビジネ スユーザが、購買発注への参照の有無にかかわらず仕入先請求書を登録し、誤った仕入先請求書 を表示して直接修正することができます。 アプリとオブジェクトページの統合機能によって、仕入先請求書をより迅速に処理することがで きます。 SAP S/4HANA によって、SAP Ariba Network への標準統合がネイティブで提供されます。 エンドツーエンドの請求および債務管理ソリューションには、以下のソリューション機能があり ます。 ● 請求書処理 ● 債務管理 ● 請求書コラボレーション 差別化要因は、請求書処理用の新しい SAP Fiori アプリと仕入先請求書コラボレーション用の SAP Ariba Network へのネイティブ標準統合です。 SAP Fiori ラウンチパッドのホームページでは、SAP Fiori アプリ以外に、サプライヤ請求書の登 録 - 拡張などの GUI トランザクションを起動することができます。 図 62: 請求書処理 調達プロセスは、ロジスティクス請求書照合プロセスで完結します。このプロセスでは、請求書 とクレジットメモが正しいかチェックされ、システムに入力されます。請求書の支払と評価は、 会計管理プロセスで行われます。ロジスティクス請求書照合により、調達と会計管理が関連付け られます。 購買発注を参照して請求書を入力すると、データ (仕入先、品目、未請求数量、支払条件など) が 画面に表示されます。 © 著作権. All rights reserved. 85 4 章: ロジスティクス 購買発注や入庫と請求書の間に差異がある場合は、警告が表示され、システムでの設定に従って 請求への支払がブロックされます。 請求書の転記によってロジスティクス請求書照合プロセスは完了します。購買発注履歴が更新 され、財務会計で未処理の請求書明細への支払処理が開始されます。 レッスンのまとめ 以下について学習しました。 ● 86 購買から支払までのプロセスの使用 © 著作権. All rights reserved. 4章 レッスン 2 計画から生産までのプロセスの使用 レッスンの目的 このレッスンの目的は、以下のとおりです。 ● 計画から生産までのプロセスの使用 計画から生産までのプロセス 図 63: SAP S/4HANA: 製造の概要 SAP S/4HANA の製造は、生産の計画と管理、製造実行、および品質管理のためのソリューショ ン機能で構成されています。 生産計画を改善し、複雑な組立プロセスをサポートして、シームレスな製造設計を可能にしま す。 生産 © 著作権. All rights reserved. 87 4 章: ロジスティクス 図 64: SAP S/4HANA Enterprise Management - 製造 あなたの企業では SAP S/4HANA Enterprise Management の導入を計画しており、この環境で のロジスティクスプロセスの実施方法を知りたいと考えています。 特に、調達および在庫管理、製造およびオーダーフルフィルメントに関心があります。 図 65: 異なる製造シナリオ 1: ディスクリート製造およびプロセス生産 製造プロセス、製品の複雑性、製造の安定性などの基準に応じて、通常、企業には、製造管理に 関するさまざまな要件があります。ディスクリート製造やプロセス生産などの受注基準の製造 シナリオでは、さまざまな方法で製造プロセスを管理することができます。 88 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 計画から生産までのプロセスの使用 図 66: 異なる製造シナリオ 2: 繰返生産 製造指図またはプロセス指図のない製造シナリオ (繰返生産と同様) では、製造プロセスを簡易か つ効率的にモデル化することができます。 図 67: ディスクリート製造: 製造指図シナリオ 製造指図は、指図管理および製造実行の共通データオブジェクトです。製造指図には、生産目 的、構成品目、所要資源、原価に関連するすべてのデータが組み込まれます。通常の製造指図で は、単一の品目や製品の需要に対応します。1 つの製造指図で複数の製品を一緒に生産し (連産 品)、異なる製品間に発生原価を配賦することができます。 製造指図では、外部の作業区で処理する外部作業を指定することができます。一般に、製造指図 は計画手配から登録されます。 製造プロセスは、以下のステップで構成されます。 1. 生産計画: 製造要求を確認し、十分な製造能力を確保します。 2. 指図登録: 製造指図を登録します。 3. 能力/所要量計画。 © 著作権. All rights reserved. 89 4 章: ロジスティクス 4. 指図発行: 製造指図を発行して、必要な構成品目および生産資源/治工具が利用可能かどうか 確認します。 5. 品目供給: 製造で使用する品目を出庫します。 6. 指図実行: 製造指図を実行します。 7. 確認: 製造指図の確認を実行します。 8. 入庫: 入庫を転記します。 9. 期末処理 - プロセス原価配分、間接費率、仕掛品 (WIP) 決定、差異計算、および指図決済を 実行します。 10. アーカイブします。 MRP MRP は短期期間から中期期間までのマルチレベルの BOM 構成品目計画をサポートします。 これは、これまで多くのリソースと長い時間をかけて実行されていた、非常に集中的で複雑なプ ロセスです。 SAP HANA の性能により、MRP を非常に高速に実行できるようになりました。これは、MRP の 実行回数を増やし、より頻繁に小さなバッチサイズで計画を実行し、企業が製品と構成品目の利 用可能状況を正確に把握できるようになることを意味します。 最もクリティカルな問題の優先順位によって、注意を要する在庫状況のときに強調されるように リアルタイムアラートを設定できます。 品目フローの問題がある場合は、解決方法を示す予防的な提案がアプリケーションによって示さ れます。 利用可能在庫 (ATP) 利用可能在庫 (ATP) は以下を提供します。 ● 将来の発注計画および実績がすべて考慮されたリアルタイムの利用可能在庫確認 ● 指図内の全品目に対する同時チェック ● スマートな製品代替処理 ● SAP HANA の性能による利用可能在庫確認の大幅な高速化 ● スマートなバックオーダー処理と製品割当は、在庫が少ない状況や、新製品の発売ですべて の主要得意先への公平な配分が求められる場合における競合への対応に役立ちます。 能力計画 能力計画は、製造指図の計画と、実際の生産や組立作業の順序計画および日程計画をサポートし ます。 同時に、生産計画を達成できるようにリソースが計画され、不足があればすばやく解消できるよ うに強調表示されます。 90 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 計画から生産までのプロセスの使用 指図発行 図 68: 指図発行 指図発行は、製造指図の処理における主要マイルストーンです。また、指図発行は、指図伝票の 印刷や品目の引落など、製造指図の後続処理の基礎となります。 製造指図は、ステータスを使用して管理されます。指図が発行されると、対応するステータスが 設定されます。利用可能在庫確認を自動的に実行することができます。単一の作業の発行、指図 全体の発行、または複数の指図の同時発行が可能です。 品目供給と出庫転記 図 69: 品目供給と出庫転記 © 著作権. All rights reserved. 91 4 章: ロジスティクス 通常、製造指図を実行して、構成品目が利用可能になります。さまざまな手順を使用することが できます。出庫票、品目供給一覧、ピッキングリストなどの伝票が、製造指図の品目払出の基礎 となります。 発注確認 図 70: 発注確認 確認は、指図に対して実行される内部活動の入力および進捗確認において重要な基礎となりま す。このため、正確かつリアルタイムの確認が特に重要となります。確認によって、さまざまな 追加の機能が実行されます (図 "指図確認" を参照)。確認は、マニュアルで行うか、または製造実 行システムのインタフェースから行います。 入庫転記 図 71: 入庫転記 入庫転記は、製造指図を使用して製造された製品の在庫入庫に対して実行し、さまざまなアクシ ョンが同時にトリガされます。 92 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 計画から生産までのプロセスの使用 レッスンのまとめ 以下について学習しました。 ● 計画から生産までのプロセスの使用 © 著作権. All rights reserved. 93 4 章: ロジスティクス 94 © 著作権. All rights reserved. 4章 レッスン 3 受注から入金までのプロセスの使用 レッスンの目的 このレッスンの目的は、以下のとおりです。 ● 受注から入金までのプロセスの使用 受注から入金までのプロセス 図 72: SAP S/4HANA Sales の概要 SAP S/4HANA Sales では、販売マスタデータ、価格設定、販売見積、販売契約、受注管理、請 求、販売リベートなど、受注と契約の管理がサポートされます。販売代理人に対するインセンテ ィブを定義できます。クレームを処理し、顧客に対する返品と払戻を処理できます。販売ビジネ スプロセスを監視または分析することもできます。また、利用可能在庫確認や出力管理などの基 本機能を使用できます。 プリセールスライフサイクルでは、アポイントメントからリードと案件の登録まで、営業員サポ ートを利用できます。営業員サポートには、活動、案件、および販売リード管理の機能が含まれ ます。 受注と契約の管理を通じて収益を最大化し、販売実績を向上させ、営業員と営業マネージャをサ ポートします。 受注フルフィルメント © 著作権. All rights reserved. 95 4 章: ロジスティクス 図 73: SAP S/4HANA Enterprise Management - オーダーフルフィルメント あなたの会社では SAP S/4HANA Enterprise Management の導入を計画しており、この環境で のロジスティクスプロセスの実施方法を知りたいと考えています。 特に、調達および在庫管理、製造およびオーダーフルフィルメントに関心があります。 図 74: 受注フルフィルメントプロセス 得意先が商品やサービスをオーダーし、このプロセスステップを表す受注が登録されます。 受注には、プロセスサイクル全体で得意先の要求を処理するために必要なすべての関連情報が含 まれています。 あらかじめ準備してあるマスタレコードおよび制御テーブルからデータが自動的にコピーされ ます。 出荷伝票は、通常、1 つ以上の受注伝票を参照して登録されます。そのため、関連情報 (品目や数 量など) を受注伝票から出荷伝票にコピーすることができます。 受注管理は、以下のプロセスと基本機能で構成されます。 1. 受注: 受注には、プリセールス活動の伝票 (引合または見積) の情報を取り入れることができ ます。受注の登録時に、プリセールス活動を参照として使用することができます。受注を参 照して販売分納契約や販売契約 (長期販売契約) を登録することもできます。これらは、販売 プロセスステップでサポートされています。受注登録時には、品目の利用可能在庫をチェッ クして、得意先の指定納期に間に合うかどうかを確認します。 96 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 受注から入金までのプロセスの使用 2. 出荷: 出荷は、商品の物理的な移動および出庫転記の処理の基礎になります。倉庫管理システ ムを使用してピッキングを行い、輸送を計画および実行します。 3. ピッキング: 保管場所から商品を取得し、出荷準備を行うピッキングエリアに商品を供給しま す。 4. 出庫: 出荷用の倉庫在庫が減り、在庫金額が在庫勘定の貸借対照表勘定に転記されます。 5. 出荷プロセスの完了後に、請求伝票を登録することができます。この場合、物理的な製品の 販売時に 1 つ以上の出荷伝票を参照して登録するか、またはサービスの販売時に受注を参照 して登録します。いずれの場合も、関連情報が前伝票から請求伝票にコピーされます。 出荷プロセス 物流管理では、原材料の調達から受注明細の出荷に至るまでの、商品の物理的な移動を管理しま す。出荷はロジスティクスチェーンの重要な要素であり、コア販売プロセスの後続活動です。 出荷伝票は出庫処理の中心的オブジェクトとして機能し、出荷プロセスをサポートするために使 用されます。サポートされるプロセスには、ピッキング、梱包、輸送、出庫などのすべての出荷 活動が含まれます。出荷プロセスでは、出荷および計画情報の記録、出荷活動ステータスの監視 が行われ、出荷処理時に収集されたデータが文書化されます。出荷伝票を登録すると、出荷活動 が開始されます。出荷処理時に生成されるデータは、出荷に組み込まれます。 出荷伝票は、自動的に登録することも、ワークリストを使用してマニュアルで登録することもで きます。これらの出荷伝票では、完全な受注または部分的な受注、あるいは受注結合を扱うこと ができます。複数の出荷伝票を結合して、単一の出荷グループを構成することができます。 倉庫および販売概要レポートにより、登録された出荷伝票や未処理販売活動を監視することがで きます。 出荷のピッキング ピッキングプロセスには、保管場所からの商品の取得、出荷準備を行うピッキングエリアへの商 品の供給が含まれます。スケジューリングおよび監視のために、出荷明細ごとにピッキングステ ータスが記録されます。ステータスは、ピッキング手順における明細の位置を表します。 出庫を転記するためには、出荷伝票において出荷数量がピッキング数量と同じになっている必要 があります。この前提条件は、標準システム設定に含まれています。 出庫転記 出庫転記は出荷伝票に基づいて行われます。出庫転記に必要なデータは、出荷伝票から出庫伝票 にコピーされます。出庫伝票をマニュアルで変更することはできません。すべての変更は出荷 伝票で行う必要があります。出荷伝票に対する出庫が転記されると、出荷伝票の変更可能範囲は 大幅に限定されます。これにより、出庫伝票と出荷伝票間に差異が生じることを回避することが できます。この方法により、出庫伝票は出荷伝票を正確に反映したものになります。 出荷伝票に対する出庫を転記すると、以下の機能が実行されます。 ● 出荷数量の分、品目の倉庫在庫が減少します。 ● 金額変更が在庫勘定の貸借対照表勘定に転記されます。 ● 出荷数量の分、所要量が減少します。 ● シリアル番号のステータスが更新されます。 ● 出庫転記が伝票フローに自動的に記録されます。 ● 仕入先受託在庫に対して在庫決定が実行されます。 © 著作権. All rights reserved. 97 4 章: ロジスティクス 請求伝票 請求は、受注処理における業務トランザクションの最終処理段階です。 図 75: 請求伝票 SAP S/4HANA における受注処理のあらゆる要素と同様に、請求は組織構造に統合されていま す。請求トランザクションに特定の販売組織、流通チャネル、および製品部門を割り当てること ができます。会計部門の組織構造は、会社コードおよび会社コードに割り当てられた販売組織で 構成されます。これらは、請求と財務会計との間のインタフェースに重要です。 請求と財務会計 勘定設定によって、請求金額が適切な勘定に自動的に転記されます。請求金額が適切な G/L 勘定 に転記されるかどうかは、勘定設定により決まります。 伝票フロー 販売伝票は、伝票フローに表示される相関伝票チェーンの一部を構成します。伝票フローでは、 販売伝票の処理中に実行される各活動が記録され、得意先とのさまざまなやり取りによって生じ る活動が扱われます。 伝票フローの例を以下に示します。 1. 得意先からの電話による引合がシステムに記録されます。 2. 得意先が見積を依頼すると、その引合を参照して見積が登録されます。 3. その後、得意先が見積に基づいて注文すると、その見積を参照して受注が登録されます。 4. 商品が出荷されます。 5. 得意先に請求書が発行されます。 98 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 受注から入金までのプロセスの使用 6. 会計伝票が登録されます。 図 76: 伝票フロー 伝票間のデータフローによって手作業が減り、問題解決が容易になります。 レッスンのまとめ 以下について学習しました。 ● 受注から入金までのプロセスの使用 © 著作権. All rights reserved. 99 4 章: ロジスティクス 100 © 著作権. All rights reserved. 4章 学習内容のテスト 1. SAP システムにおける基本的な調達プロセスは何ですか。 正しい答えを選択してください。 X A 引合、受注、購買発注、出荷 X B 購買依頼、購買発注、入庫、請求書照合 X C 受注、製造指図、購買発注 X D 入庫、購買発注、請求書照合、仕入先マスタ 2. 購買発注を参照した請求書を入力すると、どうなりますか。 正しい答えを選択してください。 X A 購買発注のみのデータが提示される。 X B 購買発注および入庫のデータが提示される。 X C 入庫のみのデータが提示される。 3. 以下のプロセス (アプリケーション) のうち、製造プロセスに含まれるものはどれですか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A 販売事業計画 X B 出荷処理 X C 資材所要量計画 X D 製造実行 X E 基準生産計画 © 著作権. All rights reserved. 101 4 章: 学習内容のテスト 4. 以下の情報タイプのうち、製造指図から得られるものはどれですか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A 指図の構成品目 X B 製造日付 X C 生産指示 X D 指図原価 X E 上記のすべて X F 上記のいずれも該当しない 5. 製造プロセス中にさまざまな作業の実績時間と活動を入力できる製造実行プロセスステップ を列挙してください。 正しい答えを選択してください。 X A 分解 X B 確認 X C 資材所要量計画 X D 原価計算 6. 以下のうち、正しい受注管理プロセスはどれですか。 正しい答えを選択してください。 X A ピッキング、受注、出庫、請求、出荷 X B 受注、ピッキング、出庫、請求、出荷 X C 受注、出荷、ピッキング、出庫、請求 X D 出庫、ピッキング、受注、出荷、請求 7. 以下のどの処理を出荷伝票で実行できますか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 102 X A ピッキング X B デビットメモ X C クレジットメモ X D 出庫 © 著作権. All rights reserved. 4 章: 学習内容のテスト 8. 以下のどの伝票タイプから請求伝票を登録できますか (正解は 2 つ)。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A 引合 X B 受注 X C 見積 X D リベート一覧 X E 出荷 © 著作権. All rights reserved. 103 4章 学習内容のテスト - 解答 1. SAP システムにおける基本的な調達プロセスは何ですか。 正しい答えを選択してください。 X A 引合、受注、購買発注、出荷 X B 購買依頼、購買発注、入庫、請求書照合 X C 受注、製造指図、購買発注 X D 入庫、購買発注、請求書照合、仕入先マスタ 正解。SAP システムにおける基本的な調達プロセスには、購買依頼、購買発注、入庫、請求 書照合があります。 2. 購買発注を参照した請求書を入力すると、どうなりますか。 正しい答えを選択してください。 X A 購買発注のみのデータが提示される。 X B 購買発注および入庫のデータが提示される。 X C 入庫のみのデータが提示される。 正解。購買発注を参照して請求書を入力すると、購買発注と入庫のデータが提示されます。 3. 以下のプロセス (アプリケーション) のうち、製造プロセスに含まれるものはどれですか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A 販売事業計画 X B 出荷処理 X C 資材所要量計画 X D 製造実行 X E 基準生産計画 正解。販売事業計画、資材所要量計画、製造実行、基準生産計画はすべて、製造プロセスに 含まれます。 104 © 著作権. All rights reserved. 4 章: 学習内容のテスト - 解答 4. 以下の情報タイプのうち、製造指図から得られるものはどれですか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A 指図の構成品目 X B 製造日付 X C 生産指示 X D 指図原価 X E 上記のすべて X F 上記のいずれも該当しない 正解。以下の情報タイプのすべてが、製造指図から得られます。 5. 製造プロセス中にさまざまな作業の実績時間と活動を入力できる製造実行プロセスステップ を列挙してください。 正しい答えを選択してください。 X A 分解 X B 確認 X C 資材所要量計画 X D 原価計算 正解。製造プロセスにおける各作業の実績時間および活動の入力が可能な製造実行プロセス のステップは、確認です。 6. 以下のうち、正しい受注管理プロセスはどれですか。 正しい答えを選択してください。 X A ピッキング、受注、出庫、請求、出荷 X B 受注、ピッキング、出庫、請求、出荷 X C 受注、出荷、ピッキング、出庫、請求 X D 出庫、ピッキング、受注、出荷、請求 正解。正しい受注管理プロセスは、受注、出荷、ピッキング、出庫、請求です。 © 著作権. All rights reserved. 105 4 章: 学習内容のテスト - 解答 7. 以下のどの処理を出荷伝票で実行できますか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A ピッキング X B デビットメモ X C クレジットメモ X D 出庫 正解。ピッキングおよび出庫を出荷伝票で実行できます。 8. 以下のどの伝票タイプから請求伝票を登録できますか (正解は 2 つ)。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A 引合 X B 受注 X C 見積 X D リベート一覧 X E 出荷 正解。請求伝票は、受注伝票または出荷伝票から登録できます。 106 © 著作権. All rights reserved. 5章 会計 レッスン 1 109 財務会計 (FI) の使用 レッスン 2 121 管理会計 (CO) の使用 章の目的 ● 財務会計のビジネスプロセスについての説明 ● 債権管理についての理解 ● 総勘定元帳についての説明 ● 債務管理についての理解 ● 管理会計のビジネスプロセスについての説明 © 著作権. All rights reserved. 107 5 章: 会計 108 © 著作権. All rights reserved. 5章 レッスン 1 財務会計 (FI) の使用 レッスンの目的 このレッスンの目的は、以下のとおりです。 ● 財務会計のビジネスプロセスについての説明 ● 債権管理についての理解 ● 総勘定元帳についての説明 ● 債務管理についての理解 財務会計 (FI) の概要 図 77: S/4HANA Enterprise Management - コア財務/財務会計 総勘定元帳 (G/L) は財務会計 (FI) のコアとなるものです。FI アプリケーションコンポーネント は、組織の FI 部門に求められる国際的な要件をすべて満たします。 総勘定元帳には以下の機能があります。 ● すべての会計データの管理および提示伝票の原理に従ってすべての取引が記録され、財務諸 表から個別伝票に至るまで完全な監査証跡が提供されます。 ● オープンな統合データフロー: © 著作権. All rights reserved. 109 5 章: 会計 自動更新により、SAP システムの FI とその他のコンポーネント間のデータフローが実現しま す。データは FI 内でリアルタイムに使用することができます。補助元帳への転記時には、常 に、総勘定元帳にも対応する転記が生成されます。 ● 意思決定: 組織内での戦略的意思決定に役立つ運用情報が提供されます。 FI では、総勘定元帳 (G/L) と、債権 (FI-AR)、債務 (FI-AP)、および固定資産管理 (FI-AA) の処理 に焦点が当てられています。FI の重要なタスクは、通貨および金額のフローの記録と棚卸資産の 評価です。 図 78: 財務会計の概要 総勘定元帳の主なタスク ● 転記関連のすべての取引をマップします。 ● 勘定明細および残高を照会します。 ● 会社コードに対応する財務諸表を登録および照会します。 ● 利益センタ、セグメント、事業領域など、会社コードの下位レベルの財務諸表を登録します。 総勘定元帳内では会社コードの下位レベルで財務諸表を登録することができます。 ヒント: 総勘定元帳では、ビジネスの観点に基づいて、会計関連のあらゆる取引が G/L 勘定 に記録されます。記録の結果として、会計伝票が生成されます。 110 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 財務会計 (FI) の使用 総勘定元帳で使用されるいくつかの重要な用語を以下に示します。 表 1: 総勘定元帳の用語 用語 説明 総勘定元帳 (G/L) 勘定 ● 金額の動きを会社コードに記録し、G/L 勘定明細を勘定 コード表の形式で表す構造です。 ● G/L 勘定には、転記期間中に勘定に加えられる変更を記 録する取引金額が含まれます。これらの金額は G/L レ ポートに使用される合計です。 ● 一般に、損益計算書勘定としての G/L 勘定と貸借対照表 勘定としての G/L 勘定は区別することができます。 ● FI の最小組織ユニットであり、独立した勘定科目セット を外部レポートの目的で設定できます。 ● これには、すべての関連取引の記録および財務諸表に必 要なすべての関係伝票の生成が含まれます。 ● 総勘定元帳 (G/L) 勘定のグループから構成される分類ス キームです。 ● 金額記録のフレームワークとして機能し、会計データを 適切に表現するために使用されます。 ● G/L 勘定は 1 つ以上の会社コードで使用されます。 ● 会計取引により会社コード内の金額に生じる変更を記録 します。 ● 伝票は 2 つ以上の明細で構成されます。伝票は、勘定に 転記された 1 つ以上の個別取引を表します。 ● 会計伝票を転記すると、SAP システムにより、伝票の転 記先となる勘定の取引金額が更新されます。 ● SAP システム内で、転記をトリガした伝票 (請求書など) を表すものです。 会社コード 勘定コード表 仕訳 © 著作権. All rights reserved. 111 5 章: 会計 債権管理 図 79: 財務会計 - 債権管理 財務会計補助元帳の債権管理では、すべての得意先の会計データを記録および管理します。これ は、販売管理に不可欠な部分でもあります。債権管理でのすべての転記が総勘定元帳 (G/L) に直 接記録されます。債権、前受/前払金、手形などに関連する取引に応じて、さまざまな総勘定元 帳 (G/L) 勘定が更新されます。 システムには、勘定分析、アラームレポート、支払期日一覧、柔軟な督促プログラムなど、未消 込明細を監視するために使用できる広範なツールが用意されています。これらのツールにリン クされた連絡文書は、自社の要件に合わせて個別に作成することができます。 これは、支払通知、残高確認書、銀行報告書、金利計算にも当てはまります。使いやすい画面機 能を使用するか、電子データ交換 (EDI) やデータ通信などの電子的手段を使用することによっ て、入金を支払期日債権に割り当てることができます。 支払プログラムを使用して、口座振替や前受/前払金を自動的に実行することができます。残高 一覧、仕訳帳、残高監査証跡、その他の標準レポートなど、債権管理で行われる取引を文書化で きるように、広範なツールが用意されています。 財務諸表を作成する際には、外貨明細が再評価され、仕入先でもある得意先が一覧表示され、勘 定残高が残存年数でソートされます。 注記: 債権管理は、適切な会計処理の基礎となる会計の 1 つの分岐であるだけでなく、効果 的な与信管理に必要なデータも提供します。これは、販売管理 (SD) コンポーネント と密接に統合されているためです。 資金管理へのリンクを介して、流動性計画を最適化するうえで重要な情報を提供する こともできます。 112 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 財務会計 (FI) の使用 図 80: 得意先マスタレコード SAP システムでは、すべての取引が勘定科目に転記されて管理されます。得意先請求書を転記す る前に、必要な勘定科目ごとにマスタレコードを登録する必要があります。その後、債権管理ア プリケーション内で得意先請求書を転記することができます。マスタレコードには、取引の記録 と処理の方法を制御するデータが格納されています。また、得意先との取引を実施するために必 要なあらゆる得意先情報が含まれます。 ビジネスパートナ - 得意先 図 81: ビジネスパートナ - 得意先 © 著作権. All rights reserved. 113 5 章: 会計 組織の会計 (FI 債権管理) 部門と販売部門 (SD) の両方がビジネスパートナマスタを使用します。 得意先マスタデータを一元的に保存することによって、組織全体でそのデータにアクセスできる ようにし、同じ情報を何度も入力する手間をなくすことができます。 また、一元的に更新することによって、マスタデータの不整合を防止することができます。たと えば、得意先の 1 社の住所が変更された場合は、この変更内容を 1 回入力するだけで、会計部門 および販売部門は常に最新情報を得ることができます。 受注から入金までのプロセス 図 82: 受注から入金までのプロセス 表示されている統合プロセスは、受注から入金までのプロセスと呼ばれます。受注 (受注プロセ スステップとして表示されている) は販売プロセスの基礎です。受注を効果的に扱うことで、得 意先に関連するすべてのサービスが統合プロセスの一環として円滑に実行されるようになりま す。 SAP SD コンポーネントでは、連結文書を使用してワークフローを開始します。 SAP システムでは、販売組織が販売を担当します。1 つの会社コードに複数の販売組織が存在す る場合があります。各販売組織はそれぞれ異なる流通チャネルを使用して商品を販売すること ができます。販売組織と流通チャネルの組合せを流通チェーンと呼ぶこともあります。 受注は流通チェーンのレベルで生成されます。発注された明細はさまざまな部門に適用される 場合があります。 114 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 財務会計 (FI) の使用 ヒント: 受注は、SD ではさまざまなシナリオで処理することができます。 会計にも関連する 2 つのシナリオ例を以下に示します。 ● 製品の在庫販売 (不特定) ● システムに受注生産として表示されるサービスの販売。 製品の在庫販売 この販売では、品目が在庫にあると評価済であるため、活動消費量を伴いません。そのため、原 価対象ではない受注明細で処理されます。つまり、品目の加工費と販売価格からそれぞれ原価と 収益が自動的に導出されます。この場合、受注明細に原価を割り当てません。出荷日に、出荷伝 票が登録されます。出荷は、商品が在庫から払い出され、出庫として転記されるまで請求するこ とができません。 ピッキング指図を生成する転送指図を登録することができます。必要な商品が在庫から削除さ れ、出荷準備が行われます。出荷される商品が出庫として転記されます。出庫伝票が在庫/購買 管理に登録されます。また、FI にも会計伝票が登録され、出庫が適切な総勘定元帳 (G/L) 勘定に 転記されます。 SD プロセスの次のステップは請求です。SD で請求伝票が登録され、印刷された請求書が得意先 に送信されます。会計の観点では、請求は収益発生時に計上されます。 FI では、未消込明細の分析と支払期日超過明細の督促を自動的に行うことができます。この際、 延滞日数が多くなるほど値が大きくなるように督促レベルが定義されます。督促手数料と金利 はこの督促レベルに基づいて計算することができます。選択される督促テキストも督促レベル によって異なります。得意先に送信された督促状はすべて督促履歴で管理されます。 個別の督促である 1 つの勘定について自動督促をトリガすることも、督促プログラムを使用し て、すべての得意先または一部の得意先に対して自動督促を実行することもできます。督促処理 実行で得意先が選択され、支払期日超過明細の有無がチェックされます。最後に、督促状の送信 の必要性および督促レベルの割当状況がチェックされます。 © 著作権. All rights reserved. 115 5 章: 会計 総勘定元帳 図 83: 財務会計 - 総勘定元帳 財務諸表の登録は総勘定元帳のコア機能です。 財務諸表を登録するには、特定の会社コードに対してどの勘定科目を使用できるのか、それらの 勘定科目が財務諸表でどのように構造化されるのかを把握しておく必要があります。 図 84: 勘定コード表 総勘定元帳と勘定コード表 総勘定元帳内では、総勘定元帳 (G/L) 勘定が最も重要なマスタデータとなります。総勘定元帳 (G/L) 勘定は、勘定コード表で構造化されます。 116 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 財務会計 (FI) の使用 SAP Financials を使用する場合、運用勘定コード表の使用は必須です。 運用勘定コード表 運用勘定コード表は、運用レベルで使用される勘定コード表です。この勘定コード表の勘定 科目は、経理担当者が伝票の転記時に使用するものです。これは会社コードレベルで割り当 てられます。この勘定コード表の使用は必須です。 図 85: 財務諸表バージョン 財務諸表バージョン 総勘定元帳には、貸借対照表および損益計算書を作成するために必要な情報が含まれています。 これらのレポートは、国固有の要件を満たしている必要があります。デモ会社では、会社コード 1010 (ドイツ) に対してはドイツ商法 (HGB) に基づいて財務諸表を登録し、会社コード 1710 (米 国) に対しては米国で一般に公正妥当と認められた会計原則 (GAAP) に基づいて財務諸表を登録 する必要があります。 さまざまなレポート要件を満たすために、異なる財務諸表バージョンを SAP システムに登録す ることができます。これらの財務諸表バージョンにおいては、財務諸表のどの明細にどの勘定が 表示されるかを正確に定義します。SAP システムには、数多くの財務諸表バージョンが含まれて います。 財務諸表レポートを実行する場合は、レポート構造の詳細が含まれている財務諸表バージョンを 選択する必要があります。 財務会計内の補助元帳は、統制勘定を使用して総勘定元帳に接続されます。 統制勘定によって、補助元帳は総勘定元帳にリアルタイムで接続されます。これは、補助元帳に 転記すると、総勘定元帳内の対応する統制勘定にも同時に転記されることを意味します。 統制勘定を介して総勘定元帳に接続される補助元帳は以下のとおりです。 ● 債務管理 © 著作権. All rights reserved. 117 5 章: 会計 ● 債権管理 ● 固定資産管理 債務管理 図 86: 財務会計 - 債務管理 債務管理 (FI-AP) では、仕入先との関係に伴う取引がすべて記録されます。 実際に、FI-AP は在庫/購買管理 (LO-MM) と密接に関連しています。FI では、(ロジスティクス) 取引の購買発注、入庫、および請求書受領とともに仕入先情報を記録することができます。 総勘定元帳には回収転記のみが記録されることがよくあります。その場合、データをさまざまな 方法で補助元帳に転記することができ、そのデータはまとめて総勘定元帳に転送されます。 図 87: 仕入先請求書の会計伝票の登録 118 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 財務会計 (FI) の使用 仕入先請求書が SAP S/4HANA システムの在庫/購買管理部分から登録されていない場合、FI で 直接登録することができます。 図 "仕入先請求書の会計伝票の登録" に、仕入先請求書の登録 SAP Fiori アプリを示します。この アプリを使用すると、請求書を財務アプリケーションにマニュアルで直接入力することができま す。 図 88: 債務管理勘定の詳細情報 債務管理勘定の情報は、明細画面や残高画面など、複数の異なる方法で取得することができま す。 © 著作権. All rights reserved. 119 5 章: 会計 図 89: 債務管理内での支払 通常、支払は自動支払実行時にトリガおよび転記されますが、マニュアル支払を転記することも できます。 マニュアル転記または自動転記のどちらを使用する場合でも、ユーザまたはシステムが、転記の 方法 (支払方法)、支払に使用する銀行、考えられる現金割引を考慮した後の支払金額を決定する 必要があります。 すべて決まったら、支払伝票が転記され、支払媒体が印刷されます。 レッスンのまとめ 以下について学習しました。 120 ● 財務会計のビジネスプロセスについての説明 ● 債権管理についての理解 ● 総勘定元帳についての説明 ● 債務管理についての理解 © 著作権. All rights reserved. 5章 レッスン 2 管理会計 (CO) の使用 レッスンの目的 このレッスンの目的は、以下のとおりです。 ● 管理会計のビジネスプロセスについての説明 管理会計の概要 図 90: S/4HANA Enterprise Management - コア財務/財務会計 SAP S/4HANA を使用すると、財務レポートのほかに、すべての原価および収益関連レポートの 基礎として、財務データの評価と記録を行うことができます。その結果、アナリストとマネージ ャは、会社の財務担当者として同一の基本データを使用して業務を行うことができます。 財務データは SAP S/4HANA ロジスティクスアプリケーションおよびヒューマンリソースアプ リケーションのビジネスプロセスと緊密に統合されるため、ユーザは原価構造と売上総利益に関 する詳細情報に容易にアクセスすることができます。このようなデータへのアクセスが容易に なることにより、管理職は、収益の増大、顧客収益性の最大化、効率の向上と運用コストの削 減、売上原価の削減、在庫の可視性の向上など、事業目標を容易に実現できるようになります。 © 著作権. All rights reserved. 121 5 章: 会計 図 91: 管理会計の概要 以下は、表示されている管理会計対象のタスクです。 ● 原価要素: どのような種類の原価か。 ● 原価センタ: 原価はどこで発生するか。 ● 内部指図、WBS 要素、製造指図、受注: 原価はどのような目的で発生するか。 ● 利益センタ: 原価はどの領域 (貸借対照表関連) で発生するか。 ● 収益性分析の特徴: 市場セグメントからの収益性はどれくらいか。 法的レポートと管理レポートの統合 総勘定元帳では、法的レポートと同時に内部管理レポートを実行することもできます。この目的 で、利益センタ会計 (PCA) 機能が総勘定元帳に統合されています。 そのため、総勘定元帳では、利益センタエンティティの場合と同様に、あらゆる次元の財務諸表 を生成することができます。 PCA PCA では、組織内の個々の独立した領域の損益を評価することができます。これらの領域はそれ ぞれが原価および収益に責任を持っています。 管理会計アプリケーション CO からは、管理上の意思決定に役立つ情報が得られます。また、組織内のすべてのプロセスを 容易に調整、監視、最適化することができます。この際、組織が提供する生産要素とサービスの 両方の消費状況が記録されます。 管理会計では実際のイベントが文書化されますが、管理会計の主なタスクは計画です。実績デー タと計画データを比較して、差異を調べることができます。これらの差異計算に基づいてビジネ 122 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 管理会計 (CO) の使用 スフローを制御することができます。貢献利益管理などの損益計算書を使用して、組織の個々の 領域だけでなく、組織全体のコスト効率を管理することができます。 管理会計アプリケーション - 原価 (および収益) 要素会計、原価センタ会計、および内部指図 原価 (および収益) 要素会計を使用すると、組織内で発生した原価および収益の概要を把握するこ とができます。ほとんどの値は FI から管理会計に自動的に移されます。原価および収益要素会 計では、FI に別の費用が存在しない原価または費用が 1 つしかない原価のみが計算されます。原 価および収益要素会計では、組織内で発生した原価および収益が詳細に記録されます。ここで実 績が計算され、差異や追加コストを評価することができます。 原価要素会計では、原価会計および FI も照合されます。つまり、原価および収益要素会計のタス クは、間接費管理の域を越えて広範囲に及びます。 原価センタ会計は、組織内での管理会計用途に使用します。間接費とそれが発生した場所を関連 付ける発生元関連の割当で役立ちます。原価センタ会計を使用すると、原価が組織内のどこで発 生したかを特定することができます。この目的に応じて、原価はその影響が最も大きい組織内の サブ領域に割り当てられます。 原価要素を登録して原価センタに割り当てると、原価管理が可能になるだけでなく、管理会計の その他のアプリケーションコンポーネント (原価対象管理など) 用のデータが得られます。また、 さまざまな配分方法を使用して、特定の原価センタの収集済原価をその他の管理会計対象に配分 することができます。 間接費を管理する目的で、内部指図を使用し、間接費が発生したジョブに従って原価を収集およ び制御することができます。これらのジョブに予算を割り当てて、予算超過が発生しないように システムで監視することができます。 管理会計アプリケーション - 活動基準原価計算、製品原価管理、および収益性分析 活動基準原価計算では、部門間ビジネスプロセスを分析します。組織全体の目標およびビジネス フローの最適化に優先順位が付けられます。責任および機能指向の原価センタ会計とは異なり、 活動基準原価計算は取引ベースの機能非依存アプローチであり、複数の原価センタが関連する活 動消費量を扱うことができます。個々の部門ではなく、組織全体の原価最適化を重視します。 間接費計算を使用する代わりに、コストドライバに基づいてプロセス数量を割り当てるため、バ リューチェーンに沿った原価配分が、より発生元基準に則して行われるようになります。活動基 準原価計算を使用すると、間接費領域で製品の原価をより正確に計算できるようになります。 製品原価管理では、製品の製造中またはサービスのプロビジョニング中に発生する原価を計算し ます。製品から利益が生じる最低限の価格を計算できます。 収益性分析では、組織の損益を個々の市場セグメント別に分析します。市場セグメントごとに、 対応する原価が収益に割り当てられます。収益性分析は、価格決定、得意先選択、調整、流通チ ャネル選択などの意思決定の基礎となります。 © 著作権. All rights reserved. 123 5 章: 会計 CO における組織ユニット 図 92: CO における組織ユニット 分析対象は、収益性と販売/マーケティング管理の最大レポートレベル、および収益性分析 (COPA) で市場のセグメント化や構造化に使用される中心的な組織ユニットです。 CO 内では、管理領域によって組織の内部会計業務が構造化されます。これは、原価計算に使用 される独立したユニットです。どの内部配分も、それぞれ同じ管理領域に属する対象にのみ関連 します。 会社コードは、FI 内の独立した会計単位です。これは最小組織ユニットであり、勘定グループを 外部レポートの目的で設定することができます。外部レポートのプロセスには、関連するすべて の取引の記録および財務レポートに必要なすべての関係文書 (貸借対照表や損益計算書など) の 生成が含まれます。 利益センタは、組織の管理指向構造を反映した組織ユニットであり、会計において内部管理目的 で使用されます。売上原価法会計または期間会計のいずれかのアプローチを使用して、利益セン タの営業利益を分析することができます。固定資本も計算すれば、利益センタを投資センタとし て扱うことができます。 124 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 管理会計 (CO) の使用 管理会計におけるマスタデータ 図 93: 原価要素 ユニバーサルジャーナルには、総勘定元帳 (G/L) 勘定、および原価タイプの G/L 勘定を扱う勘 定項目が 1 つ含まれています。原価要素は勘定コード表の一部であり、更新は "勘定マスタデー タ登録/変更" を通じて実行します。 原価を表す総勘定元帳 (G/L) 勘定を登録する場合は、原価センタ、プロジェクト、内部指図、収 益性セグメントなどの CO 対象を必ず割り当てる必要があります。 二次原価要素は、配賦や決済などの内部原価フローを識別する目的で CO でのみ使用されます。 残高試算表などのレポートには、転記されたすべての原価要素 (一次原価要素と二次原価要素) が 表示されます。 © 著作権. All rights reserved. 125 5 章: 会計 図 94: マスタデータ登録/変更 SAP S/4HANA では、すべての取引 (外部と内部の両方) が総勘定元帳 (G/L) 勘定に記録されま す。 勘定コード表には、FI および CO に属するすべての総勘定元帳 (G/L) 勘定が含まれています。 CO 原価を表す総勘定元帳 (G/L) 勘定は、総勘定元帳 (G/L) 勘定タイプ "一次原価または収益" と して設定されるか、二次原価タイプとして設定されます。これらの 2 つの原価タイプ内では、一 次原価用と二次原価用に特別な原価要素カテゴリが使用されます。 実績転記と統計転記 図 95: 実績転記と統計転記 126 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 管理会計 (CO) の使用 CO への原価および収益の転記は、その後、以下に示すような実績転記および統計転記となりま す。 ● 実績転記は処理することができます。その他の管理会計対象での割当や決済が可能です。 CO では実績転記を 1 回 (のみ) 実行します。この転記には、FI に照合用に転送される情報が含 まれます。 ● 統計転記は、情報提供のみを目的として使用されます。統計転記は何回でも実行することが できます。 転記が実績か統計かは勘定割当対象により決まります。言い換えると、勘定割当は実績対象また は統計対象のいずれかになります。たとえば、間接費指図のマスタデータを使用して、指図が実 績か統計かを決定します。実績転記は実績指図に対してのみ実行され、同様に統計転記は統計指 図に対してのみ実行されます。原価センタはこのルールの例外です。原価センタに対しては実 績転記と統計転記を実行することができます。 CO 原価を転記する場合は、元伝票 (仕入先請求書や品目払出伝票など) を使用して、CO 内の対 応する実績勘定割当対象を識別する必要があります。追加の統計対象を独自に入力することも、 システムによって誘導することもできます。この単純な例では、原価センタが FI 伝票に入力され ているため、実績 CO 転記を実行することができます。原価センタのマスタデータに含まれる利 益センタが統計転記用に転送されます。 この利益センタに対しては常に統計転記を実行します。 レッスンのまとめ 以下について学習しました。 ● 管理会計のビジネスプロセスについての説明 © 著作権. All rights reserved. 127 5 章: 会計 128 © 著作権. All rights reserved. 5章 学習内容のテスト 1. ___________ は、金額の動きを会社コードに記録し、G/L 勘定明細を勘定コード表で表す構 造です。 正しい答えを選択してください。 X A 会社コード X B G/L 勘定 X C 仕訳 X D 勘定コード表 2. 収益性分析 (CO-PA) の組織ユニットのうち、収益性と販売/マーケティング管理のレポート レベルが最大のものはどれですか。 正しい答えを選択してください。 X A 会社コード X B 利益センタ X C 管理領域 X D 分析対象 © 著作権. All rights reserved. 129 5章 学習内容のテスト - 解答 1. ___________ は、金額の動きを会社コードに記録し、G/L 勘定明細を勘定コード表で表す構 造です。 正しい答えを選択してください。 X A 会社コード X B G/L 勘定 X C 仕訳 X D 勘定コード表 正解。G/L 勘定は、金額の動きを会社コードに記録し、G/L 勘定明細を勘定コード表で表す 構造です。 2. 収益性分析 (CO-PA) の組織ユニットのうち、収益性と販売/マーケティング管理のレポート レベルが最大のものはどれですか。 正しい答えを選択してください。 X A 会社コード X B 利益センタ X C 管理領域 X D 分析対象 正解。分析対象は、収益性と販売/マーケティング管理の最大レポートレベル、および収益性 分析 (CO-PA) で市場のセグメント化や構造化に使用される中心的な組織ユニットです。 130 © 著作権. All rights reserved. 6章 Human Capital Management (HCM) と SAP SuccessFactors レッスン 1 133 SAP ERP HCM と SAP SuccessFactors の使用 章の目的 ● SAP ERP HCM と SAP SuccessFactors の使用 © 著作権. All rights reserved. 131 6 章: Human Capital Management (HCM) と SAP SuccessFactors 132 © 著作権. All rights reserved. 6章 レッスン 1 SAP ERP HCM と SAP SuccessFactors の使用 レッスンの目的 このレッスンの目的は、以下のとおりです。 ● SAP ERP HCM と SAP SuccessFactors の使用 Human Capital Management (HCM) と SAP SuccessFactors 図 96: S/4HANA Enterprise Management - コア人事 SAP ERP Human Capital Management (SAP ERP HCM) のコンポーネント 競争力を高めるためには、従業員を含むすべての企業リソースを業務目標に沿って調整していく 必要があります。SAP ERP Human Capital Management (SAP ERP HCM) を使用すると、従業 員の価値を最大化し、従業員のスキル、アクティビティ、インセンティブを業務目標および企業 戦略に沿って調整することができます。そのために、各従業員とチームの貢献内容を管理および 評価し、報酬を与えるためのツールが用意されています。 このレッスンでは、人事管理のプロセスについて考察し、SAP ERP Human Capital Management の基礎を学習します。 © 著作権. All rights reserved. 133 6 章: Human Capital Management (HCM) と SAP SuccessFactors 図 97: SAP ERP Human Capital Management SAP ERP Human Capital Management には、以下のプロセスおよび機能があります。 組織管理 組織構造および従業員体系を管理します。 E リクルーティング 空きポジションと採用プロセスの管理を円滑化し、最も適した資格を持つ人材を見つけてポ ジションを補充します。 タレントマネジメント タレントの管理および後任管理が含まれます。 人材開発 従業員スキルの開発を図ります。 セミナー管理 従業員が各自のスキルを高める機会としてトレーニングコースを実施し、ポジション要件と 従業員の能力のギャップをなくします。 勤怠管理 勤務時間 (出勤と休務) を追跡します。 人件費計画 予算生成の計画活動を円滑化します。 給与計算と福利管理 従業員の労働に対して支払を行い、福利プログラムへの加入を処理します。 HCM は、会社全体の戦略であり、HCM プロセスおよび機能のみに限定されません。会社は付加 価値を持つ大きな潜在能力から利益を得て、会社の最終的な収支を向上させることができます。 組織構造 企業の構造は、組織計画に基づく組織体系図、および企業構造と従業員体系に基づく管理構成に 細分化されます。 組織体系図は、企業の構造および従業員の体系を表したモデルです。階層およびポジション管理 体系図が明確にレイアウトされています。組織管理の基礎となる組織体系図では、オブジェクト 134 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP ERP HCM と SAP SuccessFactors の使用 と呼ばれる要素が使用されます。組織体系図の最も重要なオブジェクトは、組織ユニット、ジョ ブ、およびポジションです。 企業構造および従業員体系では、勤怠管理および給与計算に関連する要素に従って、組織および 従業員が細分化されます。 図 98: 従業員 SAP ERP Human Capital Management を使用すると、企業構造および従業員体系を設定し、従 業員データを管理することができます。従業員は、組織体系図にリンクされます。この際、従業 員が保有するポジションと組織体系図におけるそのポジションの位置付けが基準とされます。 レポート機能を使用すると、企業固有のあらゆる組織的側面から従業員データを簡単に評価する ことができます。 組織管理 組織管理を使用すると、組織体系図とレポート構造を関連する組織オブジェクトに迅速かつ効率 的にマッピングすることができます。企業の構造および従業員の体系を表した包括的かつ動的 なモデルとなる組織計画を登録します。 © 著作権. All rights reserved. 135 6 章: Human Capital Management (HCM) と SAP SuccessFactors 図 99: 組織体系図、企業構造、従業員体系 従業員は、インフォタイプ 0001 (所属情報) で、組織体系図、企業構造、および従業員体系に割 り当てられます。このインフォタイプにデータを入力すると、その従業員は会社コード、人事領 域、ポジション、および給与計算期間ユニットに割り当てられます。これにより、組織ユニッ ト、ジョブ、および原価センタに従業員が割り当てられます。 従業員の所属情報に関する情報は、権限チェック、勤怠管理、および給与計算で非常に重要で す。多くの場合、勤怠管理や給与計算の活動を完了するために必要な従業員情報へのアクセス は、この割当に基づいて管理者に提供されます。 組織管理で使用される主要オブジェクト 組織管理で使用される主要オブジェクトの一部を以下に示します。 組織ユニット 組織ユニットは、組織内のさまざまな事業単位を表します。組織ユニットは、通常、社内の 部門です。複数の組織ユニットとユニット間の関係によって組織体系図が構成されます。 組織ユニットは、機能や地域の基準などに従って分けることができます。 ジョブ ジョブは、タスクや要件の一般的な記述です。ジョブに基づいてポジションが定義されま す。ジョブの一例は、"マネージャ" です。 ポジション ポジションは、各従業員へのタスクの配分を表します。ポジションは個人に割り当てられま す。ポジションは、そのポジションが定義されたジョブのタスクと要件を継承します。ポジ ションに追加タスクを割り当てて、そのポジションでしか実行できないようにすることもで きます。"マネージャ" というジョブに基づくポジションの一例は、"人事管理マネージャ" で す。 136 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP ERP HCM と SAP SuccessFactors の使用 個人 個人は、組織内の従業員を表し、組織体系図内のポジションを担います。従業員データは人 材管理で更新されます。通常、ポジションへの従業員の割当は、人材管理で処理される採用 または異動プロセスの一環として行われます。 企業構造 図 100: 企業構造: 例 人材管理の企業構造は、以下の要素によって決定されます。 クライアント クライアントは、最小レベルの会社コードに対して有効になることも、企業グループ全体に 対して有効になることもあります。 会社コード 会社コードは会計管理で定義します。会社コードは、財務会計における中心的な組織要素を 表す、法律上の独立した会計単位です。会社コードは、会社の税法 (国内) のビュー、国内 通貨、および税レポート要件を表します。 人事領域 人事領域は人材管理でのみ使用され、1 つのクライアントで一意です。それぞれの人事領域 を会社コードに割り当てる必要があります。 人事サブ領域 人事サブ領域を使用すると、従業員をさらに細分化することができます。通常、給与計算や 勤怠管理で使用されます。 E リクルーティング E リクルーティングでは、求人広告、応募者の管理と選考、応募者への連絡文書など、採用管理 サイクル全体がサポートされます。この統合により、応募者の採用時に、採用管理システム内の 応募者データを従業員データとして人材管理に転送することができます。 © 著作権. All rights reserved. 137 6 章: Human Capital Management (HCM) と SAP SuccessFactors E リクルーティングには以下が含まれます。 ● 要件管理 ● 公募管理 ● 応募の入力 ● 社内候補者および外部候補者向けのオンラインサービス ● タレントリレーションシップマネジメント E リクルーティングは、包括的な採用ソリューションです。インターネットに完全に対応してい ます。 E リクルーティングには、以下のプロセスがあります。 要件管理 要件とは、採用管理プロセスで空きポジションをどのように処理するかについて、マネージ ャと採用担当者との間で決定する合意事項です。この文書では、選定プロセスの処理方法が 規定されます。 公募管理 公募では、候補者に必要な資格/能力を指定します。このプロセスの管理では、資格/能力の ある候補者を惹きつけて応募に結び付けるための方法の定義も行います。 応募の入力 このプロセスでは、応募への対応方法 (電子メール、イントラネット、インターネット、就 職フェアといったチャネルの使用など) を決定します。 オンラインサービス 候補者には、登録およびログオン用として個人用の開始ページが用意されます。候補者は、 空席を検索し、オンラインで応募し、その応募のステータスをチェックすることができま す。 タレントリレーションシップマネジメント このコンセプトにより、社内候補者および外部候補者を 1 つのタレントプールに簡単に統合 することができます。候補者の分類に加え、検索およびマッチング機能を使用して、理想の 候補者をスムーズに検索することができます。 適切な候補者に対して採用アクションを実行した時点で、E リクルーティングのインフォタイプ に保持されている情報を人材管理のインフォタイプに転送することができます。 人材管理 従業員データは、SAP ERP HCM にインフォタイプレコードとして格納されます。インフォタイ プには、テキスト説明と、4 桁の一意の ID があります (たとえば、インフォタイプ "所属情報" の 番号は 0001 です)。従業員データに対して、照会、コピー、修正、および削除を行うことができ ます。 138 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP ERP HCM と SAP SuccessFactors の使用 図 101: インフォタイプ インフォタイプは、以下のようなさまざまな方法で更新することができます。 ● 単一画面更新 (個人ごとに一度に 1 つのインフォタイプ) (トランザクション PA30) ● 人事アクション (個人ごとに一連のインフォタイプ) (トランザクション PA40) ● 一括データ登録 (複数の個人に対して 1 つのインフォタイプ) (トランザクション PA70) 人事アクション 人事アクションによって、従業員の各種インフォタイプを特定の順序で更新できます。たとえ ば、従業員の採用時には、マスタデータ (名称、住所、福利管理など)、勤怠管理 (労働時間、従 業員が出退社を記録する必要があるかどうか、シフトなど) の関連データ、給与計算などの情報 を入力する必要があります。人事アクションの実行時には、必要なインフォタイプが特定の順序 で 1 つずつユーザに提示されます。 従業員の採用時に登録されるインフォタイプの例を以下に示します。 ● インフォタイプ 0001 (所属情報) ● インフォタイプ 0002 (個人データ情報) ● インフォタイプ 0006 (住所情報) ● インフォタイプ 0007 (勤務情報) ● インフォタイプ 0008 (基本給情報) ● インフォタイプ 0009 (振込先銀行情報) 一般的な採用アクションには、これらのインフォタイプに含まれる情報以外に、国固有のインフ ォタイプも含まれます。これらのインフォタイプの例としては、税や福利管理などがあります。 © 著作権. All rights reserved. 139 6 章: Human Capital Management (HCM) と SAP SuccessFactors 図 102: 人事アクション 採用アクションを完了すると、各種のインフォタイプレコードで構成された従業員ファイルが登 録されます。このアクションによってデータ入力が容易になります。これは、各インフォタイプ への個別アクセスが不要になるためです。アクションの実行時に必要な従業員情報が一部不足 している場合は、そのインフォタイプをスキップして不足情報を後で追加することができます。 人材開発 人材開発コンポーネントでは、開発を計画し、セミナー管理との統合によって従業員の教育/研 修を促進することができます。 図 103: 人材開発 140 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP ERP HCM と SAP SuccessFactors の使用 ポジション要件プロファイル (ポジションのタスクを実行するために必要なスキル) と従業員の 資格/能力プロファイル (ポジションを保有する従業員が持つスキル) を比較することによって、 その従業員の開発要件が決まります。開発プランを使用して、資格取得アクション (研修プログ ラムへの参加など) を従業員に割り当てることができます。 セミナー管理 セミナー管理は、トレーニングコースの計画、実行、管理の各プロセスを支援する高度に統合さ れたコンポーネントです。 図 104: セミナー管理のプロセス セミナー管理の主なプロセスは以下のとおりです。各プロセスを補完する形でレポートオプシ ョンが用意されています。 1. コース準備: イベントスケジュール、イベント会場、リソースなど、コースカタログを登録す る際に使用するマスタデータの登録と更新を行います。 2. コースカタログ: コースの登録を行います。 3. 日次アクティビティ: 参加者の予約、事前参加予約、参加者の変更、予約日付の変更、参加の 取消、連絡文書の準備を行います。 4. 定期アクティビティ: 定期的に必要になるアクティビティです。たとえば、イベントの確定予 約 (イベントを確実に実行)、イベントのロック/ロック解除 (参加予約を制御)、取消、後続ア クティビティ (内部参加者向けのレポート生成や原価再配分の実行) などを行います。 他の SAP コンポーネントとの高レベルの統合によって、セミナー管理は、従業員の継続的な知 識の向上と更新をサポートする理想的なツールとなっています。たとえば、人材開発とのリンク によって未習熟資格/能力を識別し、対象となるセミナー管理の研修プログラムで対処すること ができます。Learning Solution とのリンクによって、Web ベースの学習方法とセミナー管理の 従来の集合研修を組み合わせることができます。 © 著作権. All rights reserved. 141 6 章: Human Capital Management (HCM) と SAP SuccessFactors 勤怠管理 勤怠管理アプリケーションは、従業員の勤怠計画、記録、評価に関するすべてのプロセスを支援 します。たとえば、セミナー管理と勤怠管理を統合すると、従業員のコース予約によって出勤の 勤怠データ記録が登録されます。コースを予約した従業員が休暇などで欠席した場合は、その従 業員を登録しようとしたときに、参加不可の旨が通知されます。 図 105: 勤怠管理: 概要 従業員によって実施された作業の評価と従業員の利用可能状況の確認は、人事管理システムに不 可欠な要素です。この情報は、管理会計 (従業員が時間をどのように費やしたか) やロジスティク ス (活動計画のための従業員の利用可能状況の確認) などの領域にも関連し、全社規模の意思決定 に影響します。 勤怠管理を使用すると、勤務時間をフレキシブルに照会および記録することができます。勤務時 間に関する情報は、給与計算でグロス賃金の計算に使用されます。勤務時間、休暇、事業場外勤 務、代替勤務などの勤怠データの記録には、さまざまなオプションが用意されています。 以下のようなタイムレコーディングオプションがあります。 ● 勤怠管理担当者によるオンラインデータ入力 (勤怠マネージャワークプレイスの使用など) ● フロントエンドタイムレコーディングシステムの使用 ● タイムシート (CATS) の使用 ● 従業員セルフサービス (ESS) アプリケーションの使用 給与計算 SAP ERP HCM では、給与計算機能と法的要件がサポートされます。 給与計算は、一般的に、各従業員が実施した労働に対する報酬の計算に関連します。給与計算結 果と給与明細の登録、銀行振込、従業員への支払など、多数のプロセスで構成されています。 142 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP ERP HCM と SAP SuccessFactors の使用 図 106: 給与計算 給与計算には、いくつかの追加の付随処理も含まれます。 これらの付随処理の例を以下に示します。 ● 会計管理への給与計算結果の転送 (費用や負債など) ● データ媒体変換 (金融機関へのネット支給額の転送) ● その他の評価 (支給歴照会や支給総括表など) ● 支給明細書の準備 従業員への支払計算では、以下が考慮されます。 ● 支給エレメントの計算 (総額) ● 法定控除と任意控除 (国依存、正味額) これらの支払と控除は、さまざまなウェイジタイプを使用して支払計算に算入されます。従業員 には通常は銀行振込によって支払われ、支払金額は従業員用のフォームに印刷されます。 © 著作権. All rights reserved. 143 6 章: Human Capital Management (HCM) と SAP SuccessFactors SAP SuccessFactors の概要 図 107: SAP SuccessFactors SAP の経験と世界的なリーチに裏付けされた SAP SuccessFactors ソリューションでは、HR シ ステムにおける SAP の長年の経験が活かされています。SAP SuccessFactors ソリューション はモジュール型であるため、自分のペースでクラウドに移行することができます。 SuccessFactors では、"独自の方法で独自のクラウド" を導入する道筋が提供されます。どこか らでも開始でき、オンプレミスソリューションでの投資を活用し、クラウドで主要コア HR、タ レント、および分析ソリューションを簡単に提供するか、またはすべての HR プロセスを即時に クラウドに移行することができます。シナリオは、総所有コスト (TCO) をできるだけ低くする ように、SAP によって開発および更新される事前提供済の統合を使用してサポートされます。 SAP SuccessFactors 製品は非常に費用効率が高く、実装は通常、2 ~ 6 カ月で完了します。ソ フトウェアが年に 2 回更新されるため、年に 2 回、新機能を利用することができます。 図 108: 自分のペースで配置するモジュール 144 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP ERP HCM と SAP SuccessFactors の使用 SAP SuccessFactors ソリューション 次世代コア人事、包括的なタレントおよび有効な要因の分析など、すべての HCM ニーズを網羅 したスイートが必要です。SAP SuccessFactors は採用から退職に至るまでの従業員のライフサ イクル全体を網羅し、重要なコンプライアンスと戦略的メトリックを提供します。単一の組織デ ータのセットと単一の従業員マスタを使用して、現在、過去、未来のあらゆる角度から要員を参 照することができます。 Employee Central SAP SuccessFactors Employee Central は、最も高いビジネス優先度に応えるアプリケーション スイートを提供します。次世代コア人事システム (HRIS) は、グローバルな企業の要員のために 設計され、SAP SuccessFactors のクラウドを使用して安全に提供されます。Employee Central はすべての従業員データのセントラルリポジトリで、すべての SAP SuccessFactors ソリューシ ョンの基盤となるものです。最新のテクノロジーを使用して構築されており、従来のアプリケー ションよりも柔軟かつ容易に使用することができます。Employee Central の機能を以下に示し ます。 ● レコードの単一グローバルシステム: SAP SuccessFactors プラットフォームには、地理、原 価センタ、法的実体、および従業員タイプ全体に有効日付が設定されます。 ● 完全な要員データ: 人事データとタレントデータを組み合わせることで、包括的な従業員プロ ファイルを提供します。 ● ソーシャルコラボレーション: 要員の生産性を最適化し、イノベーションを促進します。 ● シームレスな統合: ERP、勤務時間と出勤、給付などのオンプレミスまたはクラウドベースの アプリケーションに接続します。 ● 継続的なイノベーション: クラウドで提供される拡張は年に 2 回行われますが、追加費用や中 断は発生しません。 採用 (Recruiting) SAP SuccessFactors Recruiting は、トップタレントを、惹きつけて関わり、最適な候補者を選 択して採用し、その後の業績を測定することができる唯一の包括的な採用ソリューションです。 他のソリューションとは異なり、単にプロセスのフェーズを選択する以上のことに集中できま す。SAP SuccessFactors Recruiting では、以下のことを実行できます。 ● 対象とする必要なタレントの設定: SAP SuccessFactors は、求人を、適切な候補者に対し適 切なメッセージを適切なタイミングで提示するための方法論において特許を取得していま す。 ● 容易で効果的な雇用: 強力な候補者を発掘するためにマーケティングのベストプラクティス を適用することで、採用担当者の時間を節約して結果を得るためのパイプラインを持つこと ができます。 ● 選択の向上: SAP SuccessFactors では、候補者の評価にソーシャル、モバイル、およびコン ピテンシーベースのアプローチを使用して、採用プロセスを迅速化しながら、公正さを維持 します。 ● シームレスな提供: 自動化フォームの使用により新規採用の取り組みと影響が拡大し、従業員 のソーシャルネットワークにおける人員および資源へのアクセス範囲が広がります。 ● 確認可能な結果の取り込み: 採用の費用対効果が向上し、採用戦略がどのように業績を推進す るかを示します。 パフォーマンスおよび目標管理 (Performance & Goals) © 著作権. All rights reserved. 145 6 章: Human Capital Management (HCM) と SAP SuccessFactors SAP SuccessFactors Performance & Goals は、優秀な人員を維持し、報酬を与え、開発するた めに必要となる詳細な従業員の業績情報を備えています。革新的な機能と直観的なユーザエク スペリエンスによって、整合性のある明確な目標と、正確で客観的なタレント評価が可能になり ます。SAP SuccessFactors Performance & Goals では、以下を実行できます。 ● 目標の一致: 従業員とマネージャは、会社の事業目標に個人目標を一致させることができま す。 ● 関連する正式レビューの提供: 容易かつ魅力的なフォーカルレビュー。360 度評価により、業 績に対するインサイトが拡大し、従業員との関わりと維持率が向上します。 ● 業績調整: 直観的で視覚的な従業員の比較により、客観的で事実に基づいた評価が可能になり ます。 ● マネージャへのサポート: ライティングアシスタントとコーチングアドバイザーは、より意味 のあるフィードバックとコーチングを提供します。 ● トップタレントの特定: 同一次元の従業員を比較および評価することで、高い業績を達成して いる従業員や、潜在的な将来のリーダーを特定することができます。 ● 継続的なコミュニケーション: SAP SuccessFactors Mobile を使用すると、問題を容易に追跡 でき、優先度が上位にあるプロジェクトに対する作業を推進できます。 SAP Jam SAP Jam は、取引先、パートナ、同僚とつながって情報、アプリケーション、およびプロセス を処理し、ビジネス上重要な問題を解決することができるソーシャルコラボレーションを提供し ます。また、容易に結果を生み出すことができます。すべてがビジネスアプリケーション内、モ バイルデバイス上、または SAP Jam 内で実行されます。販売、HR、およびその他のプロセスに コラボレーションを追加することで、セールスサイクルを短縮し、得意先や従業員との関わりが 増え、研修費用を削減できます。閉ざされたコラボレーションのサイロを避け、代わりに、ビジ ネス全体の単一の安全なソーシャル基盤があります。SAP Jam では、以下のことを実行できま す。 146 ● 接続: 異なる地域に渡る従業員とのコミュニケーションを改善し、さらにつながることができ ます。 ● 情報共有の改善: 従業員は、迅速に主要問題担当者を検索し、ベストプラクティスを共有する ことができます。 ● 意思決定の推進: チームがプロジェクトの混乱状態を収拾し、コンセンサスを築き、情報に基 づく決定を推進するのに役立ちます。 ● 社外とのコラボレーション: 得意先、仕入先、およびパートナとの戦略策定、コミュニケーシ ョン、進捗の推進を行います。 ● ソーシャルラーニングまたは複合型ラーニング: エキスパートがコンテンツやビデオを登録 し、専門知識を共有できる形式的ではないラーニングで、研修費用を削減します。コラボレ ーティブコミュニティで正式なトレーニングを補完します。 ● ソーシャルオンボーディング: 新しい従業員に必要な人員およびコンテンツを結びつけるこ とで、その従業員が会社に貢献できるようになるまでの時間を改善します。 ● コラボレーティブな業績と目標の管理: 目標の配置と完了を高速化し向上させるため、目標を まとめて作成および共有します。 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP ERP HCM と SAP SuccessFactors の使用 ● コラボレーティブな案件管理: 販売担当、プロダクト管理担当、サービス担当、パートナ、お よびその他の担当者など、案件プロセスにおけるすべての主要な参加者を 1 つにまとめ、分析 および提案の開発にかかる時間を短縮します。主要なステークホルダに対し、リアルタイム で継続的に案件の進捗に関する最新情報を提供します。 ラーニング (Learning) SAP SuccessFactors Learning では、拡張された正式なソーシャルラーニングを、優れたコンテ ンツマネジメント、レポート、分析、およびモバイル機能と組み合わせています。そのため、ラ ーニングはビジネスを変革し、検証可能な投資回収率 (ROI) を提供します。SAP SuccessFactors Learning では、以下のことを実行できます。 ● ラーニングのより効率的な管理: 単一ロケーションにラーニング活動を保存して、コストを削 減し、高い可視性を提供します。 ● コンプライアンスレポートの改善: ラーニングマネジメントシステム (LMS) を使用して、必須 の証明の割当を追跡、学習、自動化します。 ● 正式なラーニングとソーシャルラーニングの複合による ROI の向上: SAP Jam をラーニング プロセスの一環として使用することで、パフォーマンスが向上し、ラーニングの維持率が増 加します。 ● ラーニングの容易な拡張: e-コマース機能を持つ拡張企業ソリューションを使用して、パート ナと得意先をトレーニングします。 ● 管理をより強力かつ直観的に: ウィザードベースの処理と割当プロファイルによって、管理者 は優れた自動化を実現できます。 ● コンテンツデリバリの改善: 独自の iContent サービスで、コスト削減、効率性向上、e ラーニ ングによる高い業績の確保を実現します。 後継者とキャリア開発 (Succession & Development) 事業遂行で成功を収めるには、組織全体での影響を最大限に高めるため、適切な場所に適切な人 員を配置する必要があります。SAP SuccessFactors Succession & Development は、会社のあ らゆるレベルでタレントを特定、開発、および維持し、反応性が高く柔軟な要員を維持するのに 役立ちます。動的で包括的かつ客観的な要員のビューにより、組織内のタレントのギャップを認 識し、そのギャップを埋めることができます。SAP SuccessFactors Succession & Development では、以下を実行できます。 ● キーポジションの特定: 後任管理により、現在および将来にわたるタレントギャップに対処 し、事業遂行が不十分になるリスクを低減します。 ● タレントの確保: 主力となる従業員を積極的に特定し、将来の職務変更に備えて開発します。 ● 要員のインサイトの獲得: 従業員の経験、専門性、業績、およびキャリア意識を可視化するこ とができます。 ● 従業員履歴についての理解: 企業内の全要員の異動をマッピングすることで、従業員が獲得し た経験を参照することができます。 ● キャリア計画の改善: 目標とするキャリア開発プランを使用して、タレントギャップに対処 し、従業員と関わり、ラーニングを推進します。 ● 評価の調整: コンピテンシーベースの基準を使用することで、グループおよび部門での客観的 で正確な評価を実現できます。 報酬 (Compensation) © 著作権. All rights reserved. 147 6 章: Human Capital Management (HCM) と SAP SuccessFactors 従業員への報酬には多大な費用がかかります。多くの会社では最大の費用となることもありま す。SAP SuccessFactors Compensation を使用すると、報酬資金を効果的に割り当てることで トップパフォーマをつなぎ留め、成績の悪い従業員への過剰な支払いを避けることができます。 高い業績に対して報酬を与えるだけではなく、予算を最適化し、コンプライアンスを改善し、マ ニュアルエラーを減少させることもできます。これらすべてがより優れた事業遂行と事業結果 につながります。SAP SuccessFactors Compensation では、以下のことを実行できます。 ● 容易な報酬管理: 基本給と変動給の直観的で設定可能なプロセスは、単純で、正確で、合理化 されたワークフローになっています。 ● マネージャのバイアスの排除: 会社全体で業績ベースの調整を行うことで、公平性と従業員維 持率が改善します。 ● メトリクスを使用したインサイトの向上: ダッシュボードとレポートを他のビジネスデータ と組み合わせることで、従業員の総合的な報酬分析が行えます。 ● 予算の改善と法令遵守: 自動化監視および組み込みレポートにより、支払いを予算と法令に合 致させることができます。 ● データ完全性の確保: データの自動保存によって、時間の節約となり、リスクが低減され、コ ンプライアンス監査が改善されます。 クラウド移行 図 109: SAP カスタマのクラウド移行シナリオ SAP カスタマのクラウド移行シナリオでは、既存の投資を活用し、提供済の統合に接続すること ができます。SAP SuccessFactors および SAP Integration 戦略は、以下の戦略の支柱に組み込 まれています。 ● データファンデーション: SAP と SuccessFactors 間のデータ統合のための基盤を構築しま す。 - 148 従業員および組織のデータ (レポート関係など) が含まれます。 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP ERP HCM と SAP SuccessFactors の使用 ● ● - 重複しているデータ入力および更新は消去されます。 - 2 つのレコードシステムを統合します。 プロセスの統合: 疎結合化されたスイートを横断するエンドツーエンドのプロセス統合 - プロセスによる推進 (業績に対する支払や、採用のための募集など)。 - 双方向の統合によってエンドツーエンドの HR プロセスをサポートします。 - 統合の品質を向上させます (イベントベースや、定期的など)。 シームレスなユーザエクスペリエンス: エンドユーザはバックエンドシステムに関係なく、す べての HCM プロセスに一貫してアクセスできます。 - システム全体での単一アクセスポイントを提供します。 - 一貫したメニューとナビゲーション。 ビジネスニーズに基づいて、追加のソリューションを選択することができます。クラウド、オン プレミス、またはその両方を組み合わせたハイブリッドのいずれにおいても、完全に人事業務を 遂行できる、包括的なソリューションポートフォリオを提供します。提供するソリューションの 一部を以下に示します。 ● クラウドベースのテクノロジー ● リアルタイムでの双方向のプロセス統合 ● データ統合 ● グラフィカルなフローとマッピング ● 集中化された監視および管理 ● 事前構築済のアダプタ ● コミュニティマーケットプレイス (将来) ● SAP Process Integration および SAP Data Services のコンテンツ (マッピングなど) との互 換性 (計画済) ● 時間の経過に伴う変更費用の低減 © 著作権. All rights reserved. 149 6 章: Human Capital Management (HCM) と SAP SuccessFactors 統合オプション 図 110: SuccessFactors および SAP の統合タレントハイブリッドシナリオ 他の SAP および非 SAP 製品を組み合わせるよりも費用効率が高く、すぐに使用できる統合機能 を提供できます。クラウド戦略全体を、疎結合化されたスイートとして説明することができま す。たとえば、オンプレミスソリューション上でクラウドベースソリューションの利点を享受し ながら、シームレスな統合を行うことができます。タレントマネジメント用の SAP SuccessFactors ソリューションと SAP ERP HCM は分離されており、これら 2 つの連携に焦点 を当てています。既存の統合パッケージを使用して、すべての従業員マスタデータをすべての SAP SuccessFactors のタレントモジュールで使用できます。これには、主要なタレントマネジ メントのほかに、学習、採用、および分析が含まれます。報酬や採用などの領域の追加統合は、 多様なインタフェースによってサポートされます。 ビジネス要件に基づいてソリューションを選択することができます。クラウド、オンプレミス、 またはその両方を組み合わせたハイブリッドのいずれにおいても、完全に人事業務を遂行でき る、包括的なソリューションポートフォリオを利用できます。これらのソリューションでは、以 下のことを実行できます。 ● ● ● 150 投資の最大限の活用: - オンプレミスのコア人事アプリケーションの補完および拡張。 - フェーズ化されたアプローチによる組織の変革。 - タレントマネジメントアプリケーションの統合されたスイートの自分のペースでのデプ ロイ。 容易な実装の利用: - 必要に応じたアプリケーションの置き換え。一晩での一斉切り替えは不要。 - すでに SuccessFactors および SAP Business Suite を実行している数百の顧客。 将来につながるロードマップの定義: © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP ERP HCM と SAP SuccessFactors の使用 ● - 確実な成功のための、膨大な調査および開発への投資による拡張および新機能の強力なロ ードマップ。 - 増加しつつある SAP と SuccessFactors の統合による利点。 SAP が提供および更新する、標準統合の提供: - ● SAP と SuccessFactors の HR プロセスの組合せを可能なかぎりシームレスに、かつ可能 なかぎり低い TCO で活用するためのプログラム、ツール、および方法論。 疎結合化されたスイートとしての設計: - クライアントが利用可能なタレントマネジメントにおけるクラウドの継続的なイノベー ションを容易に取り込みながら、安定したコア人事管理 (オンプレミス) を実現。 - プラットフォーム間の依存関係はなし。 SAP SuccessFactors の機能 図 111: タレントハイブリッド概要 タレントハイブリッドモデルを使用して、コア人事管理プロセス (人材管理、組織管理、給与管 理など) をオンプレミスで実行することができます。その際、タレントソリューション (パフォー マンスおよび目標管理、学習、採用) およびオプションでワークフォースアナリティクスに接続 された SAP ERP HCM (すべてクラウド内)、および SAP SuccessFactors が利用されます。 SAP SuccessFactors Human Experience Management Suite (HXM) の詳細については、 https://www.sap.com/products/human-resources-hcm/hxm-suite.html を参照してくださ い。 レッスンのまとめ 以下について学習しました。 ● SAP ERP HCM と SAP SuccessFactors の使用 © 著作権. All rights reserved. 151 6 章: Human Capital Management (HCM) と SAP SuccessFactors 152 © 著作権. All rights reserved. 6章 学習内容のテスト 1. 従業員は、インフォタイプ 0001 (所属情報) で、組織体系図、企業構造、および従業員体系 に割り当てられます。 この文章の内容は正しいですか、誤りですか。 X 正 X 誤 2. 他の SAP コンポーネントとの高レベルの統合によって、セミナー管理は、従業員の継続的な 知識の向上と更新をサポートする理想的なツールとなっています。 この文章の内容は正しいですか、誤りですか。 X 正 X 誤 © 著作権. All rights reserved. 153 6章 学習内容のテスト - 解答 1. 従業員は、インフォタイプ 0001 (所属情報) で、組織体系図、企業構造、および従業員体系 に割り当てられます。 この文章の内容は正しいですか、誤りですか。 X 正 X 誤 正解です。このインフォタイプにデータを入力すると、従業員は会社コード、人事領域、ポ ジション、および給与計算期間ユニットに割り当てられます。 2. 他の SAP コンポーネントとの高レベルの統合によって、セミナー管理は、従業員の継続的な 知識の向上と更新をサポートする理想的なツールとなっています。 この文章の内容は正しいですか、誤りですか。 X 正 X 誤 正解です。他の SAP コンポーネントとの高レベルの統合によって、セミナー管理は、従業員 の継続的な知識の向上と更新をサポートする理想的なツールとなっています。人材開発コン ポーネントでは、開発を計画し、セミナー管理との統合によって従業員の教育/研修を促進す ることができます。 154 © 著作権. All rights reserved. 7章 組込分析 レッスン 1 157 組込分析の使用 章の目的 ● SAP S/4HANA における組込分析の使用 © 著作権. All rights reserved. 155 7 章: 組込分析 156 © 著作権. All rights reserved. 7章 レッスン 1 組込分析の使用 レッスンの目的 このレッスンの目的は、以下のとおりです。 ● SAP S/4HANA における組込分析の使用 SAP S/4HANA の組込分析 図 112: 分析を開始するのにデータ移行は不要 従来のシステムでは ETL と呼ばれる一連のステップで、取引システム (OLTP) から専用の分析 (OLAP) システムへトランザクションデータを定期的に移行する必要がありました。これは取引 システムが高度な分析向けに構築されておらず、トランザクション処理を重視しているためで す。詳細分析を重視しているシステムにデータが物理的に移行されます。この移行が分析に使 用するデータを作成する上で遅延を生み出し、長い道のりに伴って多数の障害点ができてリスク につながります。 さらに、ランドスケープが複雑で実行負荷が高いのに加えて、ETL フロー内で各種コンポーネン トを導入して実行するには特殊なスキルが必要です。ETL アプローチの副作用の 1 つは、1 台の システムから次のシステムへデータを常にコピーするために膨大な量の複製が生成されること です。 SAP S/4HANA を使用すると、OLTP と OLAP が 1 台のインメモリプラットフォーム上で組み合 わされます。つまりデータの移行や複数コピーの生成が不要になり、業績情報の表示に遅れが生 じることがなくなります。このほか、SAP HANA プラットフォームさえあれば良く、さらに簡易 的な IT ランドスケープも用意しています。 この簡易性を主に実現したのは、SAP S/4HANA のデータモデルがシンプルなためです。トラン ザクションデータを別の分析テーブルに準備して集計する必要はありません。すべての分析は コアのトランザクションテーブル上で直接行われます。1 台のシステムから別のシステムへのデ ータ移行、1 台のシステム内でのデータ移行、詳細テーブルから集計テーブルへのデータ移行さ © 著作権. All rights reserved. 157 7 章: 組込分析 えも不要になります。冗長性がまったくありません。さらに SAP S/4HANA には、セルフサービ ス BI を促進し使いやすい組込みの分析ツールが搭載されています。 分析の改良 図 113: 分析の改良を望むユーザの声 複雑さと遅延時間を取り除くことだけが問題ではありません。ユーザが使用できる分析の種類 を改善することも必要です。この数値を見れば一目瞭然です。 全体として、従来のビジネスシステムを使用した場合、最新分析のどの領域でも個人的な満足度 が非常に低かったとユーザは記録しています。それでも同じ数の人が、自分のロールの成功に役 立つ重要な手段だと認識しています。 組込分析 図 114: 組込分析と呼ばれる理由 これまで分析とトランザクション処理は、通常、それぞれ専用のシステムで行う別々のタスクで あると考えられていました。 こちらのシナリオを想像してみてください。あるビジネスユーザが新規顧客の販売注文書を登 録しています。このトランザクション中、新規顧客がリピートしそうな可能性を基にこの顧客に 提示すべき値引量を決定する必要があります。このビジネスユーザは、トランザクションを未完 成のまま保存しました。その日の後になって顧客の顧客生涯価値を分類するために分析が行わ 158 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 組込分析の使用 れ、提示できる割引範囲案とともにレポートが作成されました。翌日、販売注文書を開き直して 適切な割引が適用されました。このビジネスユーザは注文書を確認してもらおうと顧客に電話 しました。顧客はこの値引を大層気に入りましたが、遅すぎました。先に対応していた仕入先に すでに発注した後だったため、この受注はなくなりました。 トランザクション内では、ビジネスユーザの周りにコンテキストインサイトがあるべきでした。 つまりキー情報がトランザクション内に随時表示されているべきだったのです。 分析の必要性をトリガするものがトランザクションだけとは限りません。分析の結果、トランザ クションの方が必要になる場合もあります。たとえば生産中の廃品分析の後、廃棄物発生のしき い値を超過してしまった各プラントマネージャは業務利益への影響の結果に連結しなくてはな りません。詳細データは分析から収集されずに Excel 文書に貼り付けられ、その文書がプラント マネージャ宛の個人電子メールに添付されます。この情報伝達は別のシステム内でタスクを分 けずに分析の時点で単純に送信されるべきです。すべての関連情報が情報伝達のために自動的 に収集されるべきです。 最新のビジネスシステムでは分析とトランザクションがもはや別々のタスクではなく一体化し ているということが重要な点です。 SAP S/4HANA の中心テーマは組込分析、つまり、トランザクション内でのチャンスやリスクに 応じた分析です。SAP S/4HANA はリアルデータを処理するため、すべての分析が常に最新で す。今日の高回転データでは、社内にしろ社外にしろ、たった数分前のデータであっても期限切 れのデータを基にした意思決定は命取りになりかねません。 組込分析 - 例 図 115: 組込分析 - 例 図 "組込分析 - 例" は、SAP S/4HANA 組込分析の使用中の例を表したものです。 ご覧のように新規購買依頼を登録中で、仕入先を割り当てなければなりません。この製品を仕入 れることができる仕入先はかなり少ないため、アプリケーション内の右にある組込分析が鍵とな る意思決定情報のうちいくつかをユーザに提示して同じアプリケーション内で決断できるよう にしています。 このユーザは、最高の納入実績がある仕入先を選択します。 © 著作権. All rights reserved. 159 7 章: 組込分析 高度な BI ツール 図 116: 高度な BI ツールを使用した一連の深い分析 この仕入先の納入実績が 100% に満たない理由を見つける必要があります。たびたび深刻な問 題があるためかもしれません。 ドリルダウンを開始し、この 95% の数値をブレークダウンしてパターンを探します。この懸念 事項がかなり過去のもので今では問題が解決済みの場合もあれば、最新発注まですべて大失敗の 場合もあります。 このシームレスかつ広範なデータ探索が可能な理由は、SAP S/4HANA を使用することによっ て、コンテキスト内でありながら高度な BI ツールが起動できるためです。 仕入先の業績をあらゆる次元から探索し、個々の履歴登録された取引へと必要に応じてドリルダ ウンできます。またツールを使用して隠れた動作パターンを探し出し、警告サインを見つけるこ ともできます。さらに現在の仕入先データとこれまで数年の履歴情報を比較して傾向を割り出 すこともできます。常にこの分析はすべてリアルデータに基づいています。 以上が SAP S/4HANA 分析機能を使用して実現できる機能のすべてであり、前述した図の中の低 レベルな満足度に対処できます。 ビジネスプロセス内で分析できるようにするだけでなく、詳細分析が行えるより高度なツールも 用意しています。 160 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 組込分析の使用 組込分析と戦略分析の比較 図 117: 組込分析と戦略分析の比較 SAP S/4HANA に関連する分析ツールは数多くあります。これらのツールは、以下のように組込 分析または戦略分析で使用されます。 ● 組込分析: コア SAP S/4HANA に搭載されているツール群です。追加ライセンスは不要です。オペレー ショナル分析を重視しています。 ● 戦略分析: コア SAP S/4HANA に搭載されていないツール群です。追加ライセンスが通常必要です。よ り深く、より詳細な BI シナリオを重視しています。 © 著作権. All rights reserved. 161 7 章: 組込分析 SAP S/4HANA 組込分析 図 118: SAP S/4HANA 組込分析に搭載されている機能 SAP S/4HANA 組込分析は、SAP S/4HANA のコアライセンスに含まれています。 このツールは、以下のように対象ユーザのタイプによって分類できます。 ● ● ● 162 エンドユーザ - 多次元レポート: ABAP Web Dynpro をベースにした標準搭載レポート機能。SAP Fiori を 通じて表示される柔軟かつ細分化されたナビゲーション機能を搭載。 - SAP Smart Business コックピット: SAP Fiori をベースにしたコックピット。KPI モデリ ングのアプリツールキットで構築。 - クエリブラウザ: SAP Fiori のポータル表示標準クエリと、ユーザ定義で作成された分析ク エリ。柔軟かついろいろな角度から分析し問題点を抽出できる。Design Studio テンプレ ートがベース。 - Fiori 分析アプリ: 集中分析を表示する各種 SAP Fiori アプリ。 キーユーザ - クエリデザイナ: ユーザクエリの開発に使用 (SAP S/4HANA クラウドでのみ使用可能に なりました)。 - KPI モデリングアプリ: KPI を構築し、それらをドリルダウンに関連付けてタイルに割り当 てるためのツールキット。 IT ユーザ © 著作権. All rights reserved. レッスン: 組込分析の使用 - Core Data Services メンテナンス: CDS はすべての分析の基礎であり、SAP が提供するも のと、ユーザが拡張可能なものがあります。IT ユーザがメンテナンスを行います。 SAP S/4HANA 戦略分析 図 119: SAP S/4HANA 戦略分析の概要 SAP S/4HANA 戦略分析は、コア SAP S/4HANA ライセンスに含まれていません。 これらのツールでは、組込分析で使用されるものと同じ基礎 (CDS ビュー) が利用されます。 組込分析の機能以上を必要とする BI 専用ユーザが使用します。 戦略分析ではオペレーショナル分析よりも、長期の業績の集約ビューを重視します。 戦略分析には下記の領域が含まれます。 ● SAP BW: エンタープライズデータウェアハウス。SAP または SAP 以外の複数データソースを詳細な データステージングと統合し、ETL フローを強力なデータフロー管理と統合するのに使用し ます。データライフサイクル戦略による膨大なデータの格納にも対応できます。 ● SAP Analysis for Microsoft Office: Microsoft Excel ベースの高度かつ多次元の OLAP ツール。制約がなく、より深いデータ探索 に使用されます。 ● その他の SAP BusinessObjects ツール: SAP Predictive Analytics、SAP BusinessObjects Web Intelligence、SAP Crystal Reports な どのツール。 ● ● CDS ビューは、レポーティングツールから直接消費するデータソースとして使用できます。 また、BW データストアオブジェクトをロードするデータソース (抽出機能) としても使用で きます。以上の機能は、この図のレポーティングツールのデータソースに使用できます。 SAP Lumira: SAP Lumira では、デスクトップブラウザおよびモバイルデバイス上で、信頼できるエンター プライズデータソースと個人データからインサイトを取得し、インタラクティブなビジュア © 著作権. All rights reserved. 163 7 章: 組込分析 ライゼーション、ストーリー、およびカスタマイズされた分析アプリケーションを通じて、 それらのインサイトを他のユーザと共有することができます。 - SAP Lumira Discovery: SAP Lumira Discovery は、データ (通常は複数のデータソース) への接続、データの形成、 および各種データからのビジュアライゼーションによるアドホックストーリーの作成な どを柔軟に行う必要のあるキービジネスユーザによって使用されます。他のユーザは、そ のデータやストーリーを利用、構築、および共有することができます。 - SAP Lumira Designer: SAP Lumira Designer は、専門的な分析アプリケーション設計者 (通常は IT 部門で作業) が企業分析アプリケーションとレポートを作成するためのリッチクライアントです。 - SAP Lumira Server: SAP Lumira Server では、BI プラットフォームを活用して、デスクトップ、ブラウザ、お よびモバイルデバイス上で、事業部門および SAP Enterprise BI ランドスケープの Discovery ストーリーと Designer アプリケーションへの安全なアクセスを可能にします。 - SAP BusinessObjects Mobile: SAP BusinessObjects Mobile では、場所や時間を問わずビジネスデータへの接続が維持さ れるため、iPad で SAP Lumira ドキュメントを表示できるようになりました。ページレベ ルおよびビジュアライゼーション内でフィルタと入力コントロールを使用することで、目 的のデータに簡単にアクセスできます。 エンドユーザ向けのツール 図 120: エンドユーザ対象の機能 エンドユーザは、開発領域で作業するのではなく、SAP S/4HANA 組込分析の最終消費者になり ます。エンドユーザは IT にやや詳しく、レポーティングツールに慣れ親しんでいるビジネスユ ーザと言えます。 164 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 組込分析の使用 図 "エンドユーザ対象の機能" は、組込分析と戦略分析に含まれているツールを示したものです。 多次元レポーティングクライアント (MDRC) 図 121: 多次元レポーティングクライアント MDRC とは、使いやすいエンドユーザ向けレポーティングツールです。SAP S/4HANA に組み込 まれており、コア SAP S/4HANA のインストールに付属しています。別途インストールすべきツ ールはありません。 MDRC はクラウド実装とオンプレミス実装のどちらでも使用できます。この MDRC は ABAP Web Dynpro をベースにしており、グリッドレイアウトを使用します。レポートを開くと、分析 を開始する初期レイアウトが表示されます。ここでレポート要素を追加または削除できます。 どの属性や手法も使用できるドリルダウン、ソート、フィルタ、レポートの自由構築などの機能 があります。どの機能も、ABAP レポートをご使用の既存 SAP ERP ユーザにはお馴染みのもの ばかりです。 クライアントは、ごく基本的な OLAP レポート機能に限られています。標準レポートを開くと、 MDRC 内に表示されます。 © 著作権. All rights reserved. 165 7 章: 組込分析 SAP Smart Business コックピットおよび KPI タイル 図 122: SAP Smart Business コックピットおよび KPI タイル Smart Business コックピットには、即座に利用可能な主要業績指標 (KPI) がタイルグループに まとめられています。ユーザ独自のタイルグループも登録可能です。 図 "Smart Business コックピット/KPI タイル" に示すように、タイルによってキー情報が一目で わかるように強調表示されます。数字は警告レベル別に色分け表示できます。タイルの表面に は数字だけのほか、グラフの一部分も表示できます。このタイルの情報はリアルタイムに更新さ れます。タイルを再編成して新しいグループをコックピット内に形成することも可能です。さ らに、各タイルを設定して追加のドリルダウン機能を付けることもできます。タイルにはシング ルサイズのものとデュアルサイズのものがあります。 グループ内で KPI をクリックすると評価が開始され、ドリルダウン機能とそれに合ったアクショ ンが使えるよう KPI ごとに分析する詳細情報が表示されます。これをインサイトトゥアクショ ンと呼んでいます。 たとえば、プロジェクトで達成できなかった利益目標があると、KPI タイルが赤字で表示されま す。そのタイルをクリックすると、コストの明細が棒グラフで表示されます。最大コストをドリ ルダウンすることで、経費管理の中で最も経費が掛かっているものが何かを表示できます。次 に、個々の経費の転記をドリルダウンしていきます。経費の中に間違ってプロジェクトに転記さ れていたものがあったので、このボタンをクリックして別の原価センタに経費を割り当て直しま した。すべて同一画面上で行うことができました。KPI タイルが調整転記を瞬時に反映し、利益 の数字が緑色に戻りました。 ユーザ独自の KPI タイルを作成してドリルダウンを設定できます。 166 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 組込分析の使用 クエリブラウザ 図 123: クエリブラウザ クエリブラウザには、SAP から提供されている使用可能な分析クエリがすべて一覧表示されま す。これらのクエリは、クエリブラウザから開くことができます。ユーザ独自の分析クエリを作 成したり、それをクエリブラウザに表示したりすることもできます。 名前別やアプリケーションコンポーネント別に分析クエリを検索することも可能です。クエリ を開く前にデータ定義を探索することも可能です。 分析クエリにタグ付けしておくことで、キーワードや同義語から検索しやすくすることもできま す。分析クエリにはお気に入りも登録できるため、よく使用されているレポートをすぐに探し出 すこともできます。 このレポートは Design Studio テンプレートをベースにしており、OLAP の基本機能を備えてい ます。 © 著作権. All rights reserved. 167 7 章: 組込分析 SAP Fiori の分析アプリケーション 図 124: SAP Fiori の分析アプリケーション こちらは分析に最適な特定の SAP Fiori テンプレートを使用する SAP Fiori 専用アプリケーショ ンです。 図 "SAP Fiori の分析アプリケーション" では、利用可能な SAP Fiori 分析アプリケーションの一例 を示しています。リアルデータで即時応答できるよう、SAP S/4HANA 内の分析アプリケーショ ンと同じ VDM を使用しています。 エンドユーザは、そのロールに応じて関連のある SAP Fiori 分析アプリケーションに割り当てら れます。 168 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 組込分析の使用 SAP Analysis for Microsoft Office 図 125: SAP Analysis for Microsoft Office MDRC に内蔵されている機能より高度な OLAP 機能が必要である場合は、SAP Analysis for Microsoft Office が推奨ツールになります。 この強力なレポーティングツールを使用すると、シンプルな Microsoft Excel ベースのレポート を作成できるだけでなく、最も詳細かつ高度な書式設定済レポートも Excel 関数/機能との完全 統合を通じて作成することができます。 SAP Analysis 分析機能との統合により、SAP Analysis for Microsoft Office が SAP S/4HANA の オンプレミス版で使用可能になりました。クラウド版では使用できません。 経理責任者と経理計画担当者が使用する主要ツールですが、その使いやすさと定番のインタフェ ースから、役職に関係なく人気のある選択肢となっています。すでに多くのユーザが使用してい ます。SAP BW にとっては主要なレポーティングツールであり、エンドユーザがすでに高めてき たスキルを再利用できます。 SAP Analysis for Microsoft Office には別途ライセンスが必要です。このライセンスは SAP S/ 4HANA に含まれていません。 © 著作権. All rights reserved. 169 7 章: 組込分析 背景情報: 仮想データモデル (VDM)、および SAP S/4HANA での VDM の導入 図 126: VDM - S/4HANA 組込分析の基礎 コアデータモデルが SAP S/4HANA 向けに大幅にシンプル化されました。実体化された集計と 不要な索引に使用されていた膨大な数のテーブルが削除されました。階層化モデルが明細レベ ルにフラット化されました。確実に必要なものだけが格納され、それ以外のものは一切格納され ません。 しかしながらこの効率的なモデルは、データの意味を説明するのにビジネスコンテキストを増や す必要がある分析アプリケーションによる直接消費には複雑すぎる方法です。アプリケーショ ンテーブルの上に配置するレイヤが必要になります。どのようにデータを消費できるか (トラン ザクションか分析か)、どのように手段を集計すべきか、どの手段が現在該当するかなど、ビジ ネスに対応したビューを表示し、データに余分な意味を追加するレイヤ、これが論理層です。 このレイヤは仮想データモデル (VDM) と呼ばれます。 SAP HANA の導入とともに、SAP では SAP HANA Live と呼ばれる包括的な VDM を開発しまし た。この SAP HANA Live は、どの BI ツールからでも簡単に消費できるように、すべての主要 ERP データの基礎データベーステーブルをビューとして公開したものです。SAP HANA Live は Suite on SAP HANA (SoH) を実行するユーザも使用でき、それらのユーザにとって重要です。 ただし SAP S/4HANA の場合、SAP HANA Live は関連しません。SAP S/4HANA データモデル の簡略化には膨大な変更点を加えましたが、SAP HANA Live はオリジナルの簡略化されていな いデータモデルに基づいています。 SAP S/4HANA には、ABAP が管理する Core Data Services (CDS) を使用した仮想データモデル のまったく新しい実装が備わっています。 170 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 組込分析の使用 VDM 図 127: VDM とは? データベーステーブルを構築する目的は通常、アナリティカルアプリケーションによる直接使用 ではありません。これらのテーブルに美しい外観は不要であり、実際に複雑で見にくいテーブル が数多くあります。目に見える必要は一切ありません。テーブルが見苦しい理由は、テーブルモ デルの主な目標がデータの物理的格納であり、アナリティカルアプリケーションの消費を考慮し ていないためです。最適な記憶領域が主な目標であるため、見た目とは常に相反してしまいま す。 VDM とはビューの階層です。最上位の層がアプリケーションから消費され尽くすまで、この中 の各層がビジネスコンテキストを追加し続けます。 最下位の VDM 層はデータベーステーブルの上位に配置され、最も重要なデータがテーブルから 直接使用されます。 次の VDM 層では、データの絞込、フィルタの適用、計算の追加、通貨の換算、列の内容説明の 変更などを行うために、最初の仮想層からデータが使用されます。 VDM のレイヤ数には、技術的に定められた限度はありません。ただし一貫性とガバナンスの目 的上、レイヤ数とその目的はしっかりと定義されていることがよくあります。 VDM の開発には、スクリプトツールやグラフィックモデリングツールが使用できます。CDS の 場合、VDM の開発にスクリプト言語を使用します。こちらは SQL をベースにしていますが、追 加構文とキーワードでさらにセマンティックを追加します。 この仮想データモデルにはどのアプリケーションでも完全に再利用できるビューがあり、ユーザ による拡張が可能です。 © 著作権. All rights reserved. 171 7 章: 組込分析 SAP S/4HANA 組込分析向けの CDS ベースの VDM 図 128: SAP S/4HANA 組込分析向けの CDS ベースの VDM SAP S/4HANA VDM は、ABAP が管理する CDS ビューで構築されます。ABAP が管理する CDS ビューは、S/4HANA システムの ABAP レイヤ内で開発、更新、拡張されます。この CDS ビュ ーは ABAP アーティファクトであり、物理的には ABAP プログラムの配置先である ABAP リポ ジトリ内に格納されます。SAP HANA 内には配置されません。 こちらは ABAP が管理する CDS ビューとして慎重に参照することをお奨めします。なぜなら SAP HANA プラットフォーム内で管理され格納される別の CDS ビューのタイプがあるためで す。こちらは SAP HANA ネイティブ CDS ビューと呼ばれています。これらの CDS ビューは、 S/4HANA 組込分析とは関連がありません。 SAP S/4HANA 組込分析ツールの多くは CDS ビューを直接使用しますが、CDS ビューは一時的 な BW インフォプロバイダも生成します。こちらは、実行時に登録されセッション終了時に消え る動的 BW インフォキューブとしてお考えください。 CDS ビューをデータソースとして使用すると BW BEx クエリを構築できるので助かります。さ らにどの SAP BI (BusinessObjects) ツールでもレポートを構築できます。このため、BEx クエ リがあってもなくても CDS ビューを使用できます。 CDS ビューのもう 1 つのキーコンセプトは、SAP S/4HANA 分析に使用する消費の土台であるこ と、データベース内で消費レイヤを開発する必要性をなくすことです。 172 © 著作権. All rights reserved. レッスン: 組込分析の使用 ABAP が管理する CDS ビュー 図 129: ABAP が管理する CDS ビューとは? CDS ビューは SQL を使用して構築されますが、追加のアノテーションが付属します。CDS ビュ ーを起動すると、SQL ビューが SAP HANA データベース内に生成されます。 ABAP レイヤに到達した時点でデータを拡張できるよう、Native SQL にアノテーションが追加さ れます。このアノテーションは、ビューの使い道 (OLAP 専用など)、制約事項 (フランス国のみ など)、ビジネスコンテキスト (得意先ではなく仕入先専用の勘定など) を説明するものです。 CDS ビューが処理されると、その結果が組込分析エンジンに公開されます。このエンジンは、 BW で使用されるエンジンと同じものです。何年もの間、開発が続けられた、非常に強力なエン ジンです。複雑な階層を含む、非常に高度な多次元クエリを処理できます。 このため、組込 BW は SAP S/4HANA 組込分析の重要なコンポーネントになっています。BW 分 析エンジンは、クエリの処理および一時的なプロバイダの生成に必要です。 CDS ビューには ABAP コードが含まれておらず、データを拡張するアノテーションと標準 SQL のみがあります。CDS ビューのランタイムは ABAP であるため、CDS ビューを実行するには SAP NetWeaver スタックが必要になります。SAP S/4HANA は SAP NetWeaver スタック上に 構築されるため、このシナリオに最適です。 CDS ビューが Eclipse 向けに ABAP エディタで構築されます。現在、CDS ビューはスクリプト で作成されていますが (コピー & ペーストしやすく開発者向け)、今後は作成をガイドするウィザ ード付きのグラフィックツールが開発されるかもしれません。 © 著作権. All rights reserved. 173 7 章: 組込分析 SAP S/4HANA VDM アーキテクチャ 図 130: SAP S/4HANA VDM アーキテクチャ CDS ビューはレイヤとして構築されます。この考え方はベースレイヤビュー (別名プライベー トビュー) をセットにして、高度な共通ビューを再利用できるようにするものです。次に、この プライベートビューを組み合わせて、次のレイヤ (インタフェースビュー) でさらに使いやすいも のにできます。 最後に、さまざまなセマンティック (フィルタなど) を追加することで、アプリケーションコード や分析エンジンによる消費に最適なビュー (コンサンプションビュー) を提供できます。 すべてのレイヤで、拡張を追加できます。どのレイヤでもユーザ独自のビューを加えたり、SAP 搭載ビューと組み合わせることも可能です。 この階層化モデルは、ガバナンスを提供し拡張性を管理しやすくなるよう SAP によって厳しく 強化されたものです。 レッスンのまとめ 以下について学習しました。 ● 174 SAP S/4HANA における組込分析の使用 © 著作権. All rights reserved. 7章 学習内容のテスト 1. SAP S/4HANA 組込分析では、次のどのツールがエンドユーザを対象としていますか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A クエリブラウザ X B Design Studio X C SAP Fiori の分析アプリケーション X D クエリデザイナ X E SAP Smart Business コックピット 2. キーユーザが SAP S/4HANA 組込分析の各種分析を開発するために使用する一般的なツー ルは次のどれですか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A SAP HANA Live ブラウザ X B KPI ビルダ X C Design Studio X D クエリデザイナ 3. 仮想データモデルの機能は次のどれですか。 正しい答えを選択してください。 X A 分析用途に最適化されたデータベースのコピー X B ユーザ用のレポートツール X C 消費可能なデータビュー X D 即時使用可能なビジネスレポート © 著作権. All rights reserved. 175 7章 学習内容のテスト - 解答 1. SAP S/4HANA 組込分析では、次のどのツールがエンドユーザを対象としていますか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A クエリブラウザ X B Design Studio X C SAP Fiori の分析アプリケーション X D クエリデザイナ X E SAP Smart Business コックピット 正解です。エンドユーザを対象としたツールは、クエリブラウザ、SAP Fiori 分析アプリケー ション、SAP Smart Business コックピットです。 2. キーユーザが SAP S/4HANA 組込分析の各種分析を開発するために使用する一般的なツー ルは次のどれですか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A SAP HANA Live ブラウザ X B KPI ビルダ X C Design Studio X D クエリデザイナ 正解です。キーユーザが SAP S/4HANA 組込分析の各種分析を開発するために使用する一 般的なツールは、Design Studio およびクエリデザイナです。 176 © 著作権. All rights reserved. 7 章: 学習内容のテスト - 解答 3. 仮想データモデルの機能は次のどれですか。 正しい答えを選択してください。 X A 分析用途に最適化されたデータベースのコピー X B ユーザ用のレポートツール X C 消費可能なデータビュー X D 即時使用可能なビジネスレポート 正解です。仮想データモデルでは、消費可能なデータビューが提供されます。 © 著作権. All rights reserved. 177 7 章: 学習内容のテスト - 解答 178 © 著作権. All rights reserved. 8章 SAP Activate および SAP Best Practices レッスン 1 181 SAP Activate およびベストプラクティスの説明 章の目的 ● SAP Activate およびベストプラクティスの説明 © 著作権. All rights reserved. 179 8 章: SAP Activate および SAP Best Practices 180 © 著作権. All rights reserved. 8章 レッスン 1 SAP Activate およびベストプラクティスの説明 レッスンの目的 このレッスンの目的は、以下のとおりです。 ● SAP Activate およびベストプラクティスの説明 SAP Activate および SAP Best Practices 図 131: SAP Activate の導入 SAP Activate とは、SAP Best Practices、設定ツール、SAP Activate の方法論を組み合わせたも ので、SAP S/4HANA などの SAP ソリューションの導入をシンプル化して早めるうえで役立ち ます。 SAP Activate は、3 つの緊密に統合されたコンポーネントで構成されまたフレームワークです。 ● SAP Best Practices すぐに実行できるビジネスプロセスで、最適化されながらも業界のベストプラクティスに従 っています。 © 著作権. All rights reserved. 181 8 章: SAP Activate および SAP Best Practices 注記: https://rapid.sap.com/bp ● 方法論 導入プロジェクトをうまく管理してすばやく実行できるようにし、ソリューションを継続的 に最適化できるようにする包括的なロードマップです。 ● ガイド付き設定 SAP Best Practices のコンテンツを有効化して調整をカスタマイズできるようにするツール です。 SAP S/4HANA に移行するカスタマの導入環境の設計時には、カスタマが従う複数のシナリオ と、導入の選択肢の柔軟性を考慮する必要があります。SAP Activate は SAP S/4HANA の以下 の導入シナリオをサポートしています。 ● 新規導入 ● システム変換 ● ランドスケープ変換 新規導入シナリオ 図 132: 新規導入 図 "新規導入" では、顧客が任意のレガシーシステムから移行する最初のシナリオに焦点を当てて います。これには既存システムを変換するよりも、SAP S/4HANA を新規インストレーションか らやり直したり、クラウド版に乗り換えたいとお考えの SAP Business Suite ユーザが含まれま す。 SAP S/4HANA の導入ステップ このシナリオに含まれる SAP S/4HANA 導入の主なステップは以下のとおりです。 182 ● SAP HANA をベースにした SAP NetWeaver Application Server ABAP 7.5 のインストレーシ ョン ● SAP S/4HANA のインストレーション ● SAP Fiori for SAP S/4HANA のインストレーション © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Activate およびベストプラクティスの説明 ● 必要なビジネスプロセスの有効化 ● レガシーシステムからのビジネスデータの移行 SAP S/4HANA Cloud の導入ステップ SAP S/4HANA Cloud には SAP S/4HANA ソフトウェアのインストールは不要です。下記を実 行するだけで済みます。 ● 必要なビジネスプロセスを有効化する ● レガシーシステムからビジネスデータを移行する 導入プロジェクトは何もない状態から開始するものではありません。SAP S/4HANA の初期設 定は事前設定済システムに基づいており、サンプルデータが入ったすぐに実行できるビジネスプ ロセスが用意されていて、そこから開始ポイントが設定されます。 既存の SAP システムの変換シナリオ 図 133: 既存の SAP システムの変換 変換シナリオのステップ 2 番目のシナリオは、システム変換と呼ばれ、現在のシステムを SAP S/4HANA システムに変換 したいと考えている既存の SAP Business Suite ユーザに焦点を当てています。このシナリオに 含まれる主なステップは以下のとおりです。 ● 使用中のシステムを SAP NetWeaver Application Server ABAP 7.5 へアップデート ● データベースを SAP HANA に移行。ただし SAP Business Suite システムがまだ SAP HANA に搭載されていない場合のみ ● SAP S/4HANA と SAP Fiori for SAP S/4HANA をインストール ● データを旧データ構造から新しくシンプル化されたデータ構造へ移行 このオプションを選択する最大の利点は、再導入のない変換です。つまり、既存のビジネスプロ セスを中断することなく、シンプル化した革新的なプロセスにゆっくり時間をかけて移行できる ことです。既存のカスタマイゼーションも変換されるため好都合です。 このシナリオはアップグレードではなく、変換として説明することが重要です。ある SAP 製品 を別の SAP 製品に変換します。アップグレードとは、すでに動作済の製品を新バージョンに移 行することです。 © 著作権. All rights reserved. 183 8 章: SAP Activate および SAP Best Practices ランドスケープ変換シナリオ 図 134: ランドスケープ変換 3 番目のシナリオは、自分の現在のシステムランドスケープを再編成し SAP S/4HANA が対象ラ ンドスケープ内で主役となるようにしたいとお考えの SAP Business Suite ユーザを対象として います。 たとえばレガシーシステムが複数台あり、これらを統合して 1 つの対象 SAP S/4HANA システム とする場合、または企業ごとに分散するなど 1 台のレガシーシステムを複数の対象 SAP S/ 4HANA システムに分割する場合、これに当てはまります。 SAP S/4HANA への変換ステップ SAP S/4HANA に変換するこの例では、次の主要なテクニカルステップが必要になります。 184 ● S/4HANA の新規インストレーション。または ERP から S/4HANA への変換。 ● データの移行やレプリケートに使用する SAP Landscape Transformation Replication Server (SLT) をベースにしたさらなる移行ステップ。 ● セントラルファイナンスのインスタンスのセットアップ。このアプローチは、このレガシー ソースシステム (SAP か SAP 以外かにかかわらず) から財務データをリアルタイムに中央の SAP S/4HANA システム (クラウドまたはオンプレミス) に転記するときに使用します。これ により SAP S/4HANA Finance の使用を早期に開始しながらも、フル変換の準備が整うまで レガシーアプリケーションを既存システム上で実行し続けられます。 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Activate およびベストプラクティスの説明 SAP Activate 方法論 図 135: SAP Activate 方法論 SAP Activate 方法論を使用すると、オンプレミスでもクラウドでもすべての SAP S/4HANA 導 入に対応する単純かつモジュール式の機動性のあるロードマップが実現します。SAP Activate は SAP S/4HANA の初期設定を完全サポートするだけでなく、ビジネスイノベーションを継続す るために本稼働開始後のサポートも行います。 SAP Activate 方法論を使用すると共同イノベーションが可能になり、独自のコンテンツを追加し たいとお考えのパートナにアクセスし、場合によっては業種の要件や国の要件ごとにサポートで きることもあります。ASAP および SAP Launch 方法論の後継システムで、SAP S/4HANA 導入 に合わせて最適化されています。 SAP Activate 方法論のロードマップ 図 136: ロードマップ SAP Activate 方法論を使用すると、SAP S/4HANA を簡単に実装するための包括的なロードマッ プが実現します。 © 著作権. All rights reserved. 185 8 章: SAP Activate および SAP Best Practices 図 "ロードマップ" に示すように、このロードマップでは、最初にトライアル版を使用して SAP S/4HANA の評価フェーズにユーザを導きます。事前に設定されている数多くのビジネスシナ リオを通じて SAP Fiori ユーザエクスペリエンスを試すことができます。 その後、SAP Best Practices の例を使用して、独自のシナリオを準備および設定します。 評価フェーズでは、SAP Best Practices を使用し、ガイドに沿ってフィットギャップ分析を進 め、各自の要件にシステムを完全に適合させるには何をすべきかを見極めます。 実現フェーズでは、SAP Ariba などのビジネスネットワークや、SAP SuccessFactors などのク ラウドベースのアプリケーションとの統合をベストプラクティスに従って実装します。また、こ のフェーズでは、SAP Best Practices に従ってデータ移行、カスタマイズ、拡張を行います。 実装フェーズでは、SAP クラウドベースのトレーニングソリューションである SAP Learning Hub による準備状況など、本稼働に向けた準備の主要領域をすべてカバーできるようにします。 最後には、SAP Best Practices を監視とサポートに使用して、ソリューションの継続運用と最適 化を実現できるようにします。 実行フェーズは、SAP ソリューションを実行および運用するための成果物とタスクを表します。 SAP Jam 上での方法論情報の階層 図 137: SAP Jam 上での方法論情報の階層 SAP Activate 方法論は、ユーザ、パートナ、社内 SAP ユーザにオープンにされている Jam 方法 論コミュニティから使用することができます。 SAP Activate 方法論は、Jam コミュニティの中で次のように構成されています。 ● 186 第一画面には、概要情報、最新アップデート、主要リンクなどが含まれています。 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Activate およびベストプラクティスの説明 ● この第一画面から特定の方法論フェーズに進むことができ、そのフェーズの主要プロジェク ト管理の成果物を調査することができます。 ● さらに絞り込みたい場合は成果物詳細にアクセスして、成果物と適切なアクセラレータの説 明を表示します。 この構造のほか、Jam スペースにはコラボレーション領域があります。各項目についてコメント を記入したり、フィードバックを送信したりすることができます。さらにディスカッションを開 始したり、SAP エキスパートに相談したり、コミュニティと例を共有し合うこともできます。 Activate を Jam 上にホスティングする利点は、最新情報を常に使用できる稼働環境であること です。 SAP Activate 方法論へのアクセスを依頼するには、リンク https://community.sap.com/ topics/activate を使用します。 SAP Best Practices 図 138: Best Practices for SAP S/4HANA SAP Best Practices for SAP S/4HANA には、すぐに実行できるデジタル化された分析と業務の ビジネスプロセスが用意されています。これにはベースラインとも呼ばれる企業に欠かせない ビジネスプロセスが網羅されています。調達から支払までのプロセスを合理化するか、受注から 入金までのフローを最適化するか、簡易化された財務を利用するかどうかにかかわらず、ビジネ スの優先度に応える事前設定が備わっています。 それでは、新しい財務導入例を見てみます。多国籍企業のレポーティング要件に対処するパラレ ル会計を活用し、標準勘定コード表を提供し、帳簿の締め処理、IFRS 準拠の維持、借方と貸方 の追跡、税の計算のベストプラクティスソリューションを事前設定できます。 このようなすぐに実行できるビジネスプロセスは、SAP SuccessFactors Employee Central や Ariba Network などの他のクラウドソリューションに簡単に統合されます。SAP は、クラウドソ リューションとの統合のためのベストプラクティスを提供しています。SAP は、顧客が SAP S/ 4HANA ソリューションを活用および統合できる、基幹業務および業種別ソリューションのベス トプラクティスコンテンツのセットを提供しています。 © 著作権. All rights reserved. 187 8 章: SAP Activate および SAP Best Practices SAP は、SAP Fiori による UX のためのベストプラクティスも提供しています。 ベストプラクティスパッケージは、SAP Service Marketplace で利用することができます。顧客 は SAP Best Practices コンテンツをダウンロードし、自分の環境で使用することができます。ク ラウド実装の場合、クラウドソリューションの提供時にベストプラクティスプロセスが事前有効 化されます。 SAP Best Practices for SAP S/4HANA Cloud 図 139: SAP Best Practices for SAP S/4HANA Cloud SAP Best Practices for SAP S/4HANA Cloud には、即時実行できるプロセス、移行ツール、ビ ジネスデータをレガシーシステムから SAP S/4HANA Cloud に移行するための移行コンテンツ が用意されています。 SAP Best Practices は Enterprise Management、プロフェッショナルサービス、マーケティン グエディションなど、どのクラウドバージョンにも使用することができます。また、SAP Cloud for Customer、SAP Ariba、SAP SuccessFactors などの LoB クラウドソリューションにも使用 することができます。 クラウド版を使用すると、すぐに実行できるビジネスプロセスを詳細表示して、自分のプロセス に適合させる方法を決定することができます。簡易カスタマイゼーションは可能ですが、コアプ ロセスを変更することはできません。 188 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Activate およびベストプラクティスの説明 SAP Best Practices for SAP S/4HANA 図 140: SAP Best Practices for SAP S/4HANA SAP Activate のオンプレミス版には、すぐに実行できるビジネスプロセスと移行ツール/移行コ ンテンツ以外に、以下のベストプラクティスコンテンツも用意されています。 ● SAP Fiori のセットアップと拡張 ● 分析 ● 業種コンテンツ ● オンプレミス業務別ソリューション ● 業務別クラウドソリューションとの統合 これまで、システムは白紙の状態から設定されていました。今回の新しいアプローチは、設定済 プロセスに従ってレビューし、ギャップがある場所を判断するためのものです。このアプローチ の仕組みは、最初からすべてを構築するのではなく、例外を特定するというものです。 クラウド版とは違い、オンプレミス版ではより多くのカスタマイゼーションが可能になっていま す。これにはコアプロセスの設定変更も含まれます。 SAP Best Practices Explorer SAP Best Practices コンテンツは、SAP Best Practices Explorer (https://rapid.sap.com/bp/) から利用することができます。これは、SAP Best Practices を検索、参照、および使用するため の Web チャネルエクスペリエンスです。 © 著作権. All rights reserved. 189 8 章: SAP Activate および SAP Best Practices 図 141: SAP Best Practices Explorer 注記: 図 "SAP Best Practices Explorer" では、SAP Best Practices Explorer へのリンクに アクセスして詳細なアクセラレータにアクセスするためには、SAP ユーザ ID (SUSER) でサインインする必要があることを示すメッセージが表示されています。た とえば、このアクセスではビルディングブロックに関する設定ガイドを確認する必要 があります。 役に立つリンク: SAP Activate ロードマップビューア: https://roadmapviewersupportportal.dispatcher.hana.ondemand.com/# 図 142: SAP Best Practices Explorer および SAP S/4HANA 190 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Activate およびベストプラクティスの説明 図 "SAP Best Practices Explorer および SAP S/4HANA" では、SAP S/4HANA に関連している利 用可能な初期の SAP Best Practices コンテンツの例を示しています。 (例と同様に) 探索するパッケージを選択してから、ローカライズバージョンを選択します。 その後、このページで、範囲明細グループ、範囲明細、およびビルディングブロックにナビゲー トします。 SAP Activate のガイド付き設定 図 143: SAP Activate のガイド付き設定 SAP Activate のガイド付き設定は SAP Best Practices の導入を支援する新しいアプローチで す。 SAP S/4HANA Cloud の場合、SAP Activate のガイド付き設定を使用すると、SAP が提供する 事前設定済ビジネスプロセスのほか、ユーザが追加したカスタマイズに対して、ライフサイクル 管理を簡単に行うこともできます。 SAP S/4HANA での設定ツールの使用方法として、以下の 2 つのケースがあります。 ● SAP S/4HANA Cloud ソリューションの導入 ● SAP S/4HANA の導入 スライドに示されているように、どちらもソリューションビルダツールを使用してベストプラク ティスを有効化することから開始します。 SAP では、これらの作業をサポートするために以下のような各種ツールを提供しています。 ● SAP ソリューションビルダツール: - このツールは、SAP のドメインモデルに従って設定コンテンツを開発および構築するため に使用します。 © 著作権. All rights reserved. 191 8 章: SAP Activate および SAP Best Practices ● ● ● - すべてのプロセスが範囲明細としてモデル化されます。範囲明細は、ビルディングブロッ クを使用して実装されます。 - コンテンツは、単なるオプションではなく製品の不可欠な部分です。ソリューションビル ダツールは、カスタマシステム内での SAP Best Practices コンテンツの有効化に使用しま す。 セルフサービス設定 UI (SAP S/4HANA Cloud edition に関連): - SAP Best Practices で用意されているすぐに実行できるビジネスプロセスの有効化の次 は、プロセスのパーソナライズを行いたいと考えるのが普通です。 - パーソナライゼーションによってビジネスプロセスは通常変わりませんが、ユーザのニー ズに合わせて設定が調整されます。 - SAP では、このパーソナライゼーションを行えるようセルフサービス設定用の使いやすい SAP Fiori アプリケーションを用意しています。 エキスパート設定 (SAP S/4HANA Cloud edition に関連): - 経験上、調整なしに導入できたユーザプロジェクトはほぼありません。 - 新プロセスを追加したり、SAP Activate に用意されている事前設定済ビジネスプロセスを 調整したいと考えるのが普通です。 - SAP では、このニーズに応えるべくエキスパート設定を用意します。 - このエキスパート設定を使用すると、独自の範囲明細を登録したり、ユーザ側でどのよう な補完コンテンツ開発にも (デルタ) ビルディングブロックを登録できます。 IMG と SAP Solution Manager: - 192 本製品の導入ガイド (IMG) や SAP Solution Manager の設定文書に追加された設定オブジ ェクトのリンクから、設定アクティビティを使用します。 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Activate およびベストプラクティスの説明 SAP S/4HANA - ガイド付き設定 図 144: SAP S/4HANA - ガイド付き設定 SAP Activate ガイド付き設定は、ソリューション管理 SAP Fiori アプリケーションから使用する ことができます。これはビジネスプロセスを重視しています。以下の機能を利用できます。 ● ソリューションをパーソナライズできるセルフサービス設定 UI にアクセスするには、ソリュ ーション設定を選択します。 ● データ移行の準備と実行を行う環境を使用するには、データ移行を選択します。 ● プロセスの自動化されたテストを実行するには、プロセステストを選択します。これらのテ ストはバックグラウンドで実行され、テスト結果ではテスト中の画面のキャプチャを含むす べてのステップの詳細な説明が提供されます。 ● トレーニングおよびオンボーディングを使用するには、詳細を選択します。 ● どのプロセスがシステムで有効化されているかを知るには、ソリューション範囲表示を選択 します。 レッスンのまとめ 以下について学習しました。 ● SAP Activate およびベストプラクティスの説明 © 著作権. All rights reserved. 193 8 章: SAP Activate および SAP Best Practices 194 © 著作権. All rights reserved. 8章 学習内容のテスト 1. SAP Activate の 3 本柱は何ですか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A 方法論 X B パフォーマンスチューニング X C ガイド付き設定 X D SAP Best Practices 2. SAP Activate によってカバーされる 3 つの導入シナリオは何ですか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A システム変換 X B 新規導入 X C ランドスケープ変換 X D データベース移行 3. 以下の SAP Activate 方法論フェーズを正しい順に並べ替えてください。 正しい順序に並べてください。 0 準備 0 評価 0 実現 0 実装 © 著作権. All rights reserved. 195 8章 学習内容のテスト - 解答 1. SAP Activate の 3 本柱は何ですか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A 方法論 X B パフォーマンスチューニング X C ガイド付き設定 X D SAP Best Practices 正解です。SAP Activate の 3 本柱は、方法論、ガイド付き設定、SAP Best Practices です。 2. SAP Activate によってカバーされる 3 つの導入シナリオは何ですか。 正しい答えを選択してください (複数可)。 X A システム変換 X B 新規導入 X C ランドスケープ変換 X D データベース移行 正解です。SAP Activate によってカバーされる 3 つの導入シナリオは、新規導入、システム 変換、およびランドスケープ変換です。 3. 以下の SAP Activate 方法論フェーズを正しい順に並べ替えてください。 正しい順序に並べてください。 1 準備 2 評価 3 実現 4 実装 正解です。正しい順序は、準備 - 評価 - 実現 - 実装です。 196 © 著作権. All rights reserved. 9章 SAP サービス レッスン 1 199 SAP Services へのアクセス 章の目的 ● SAP Services へのアクセス © 著作権. All rights reserved. 197 9 章: SAP サービス 198 © 著作権. All rights reserved. 9章 レッスン 1 SAP Services へのアクセス レッスンの目的 このレッスンの目的は、以下のとおりです。 ● SAP Services へのアクセス SAP Service が提供するサービス 図 145: SAP Service で提供されるサービス SAP Services を導入すると、IT とビジネス戦略を連携し、ソフトウェアを迅速に設定して運用 し、ピークの運用レベルを維持することができます。 SAP Service が提供するサービスには、以下のようなものがあります。 ● SAP Help Portal - ● SAP ソリューションのエキスパートになるには、SAP 製品の全一覧に関する文書にアクセ スし、Learning Journey ガイドを使用します。 SAP Training and Adoption © 著作権. All rights reserved. 199 9 章: SAP サービス - ● SAP Support Portal - ● SAP Support Portal および SAP ONE Support Launchpad にアクセスすると、ナレッジベ ースの検索、問題に対するソリューションの検索、インシデントの報告を行うことができ ます。 サービスおよびサポート計画 - ● SAP が提供するトレーニングおよびイネーブルメントによって、ビジネスユーザは SAP ソリューションの運用と最適化を行うための知識とスキルを身に付けることができます。 SAP ソフトウェアを最もよく知っている信頼できるアドバイザと連携することで、変革へ の道のりのあらゆる段階でのサポートを受けることができます。 SAP Community - SAP プロフェッショナル向けソーシャルネットワークである SAP Community によって、 何千人もの SAP ユーザの日々の働き方がどのように変化しているかを理解します。 SAP Help Portal 図 146: SAP Help Portal SAP Help Portal にアクセスすると、インストール、アップグレード、製品の利用可能性に関す る最新情報を常に把握することができます。 ● SAP Documentation by Product (製品別の SAP 文書) - ● Learning Journey - 200 必要な文書にジャンプするには、SAP 製品の全一覧を参照してください。 Learning Journey は、優先度の高い SAP ソリューションの能力を最大限に活用する道筋 をナビゲートできるように設計された、構造化されたビジュアルガイドです。一度ご覧く ださい。 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Services へのアクセス ● サポートの利用 SAP Store - ■ SAP とパートナのソリューションをオンラインで発見、試用、購入できます。 SAP Community - ■ 質問を投稿して、他のユーザやエキスパートと知識を共有できます。 SAP サポート - ■ 解決策を見つけるか、SAP から回答を得ることができます。 SAP Developer Center - ■ 開発者向けにカスタマイズされた、SAP Community の各種ビュー。 SAP のトレーニングと認定 - ■ SAP のすべてのトレーニングと認定プログラムを確認できます。 SAP Help Portal は無料で提供されています。SAP Help Portal にアクセス: http:// help.sap.com. SAP Training and Adoption 図 147: SAP Training and Adoption ® SAP ソフトウェアは、ビジネスの成果に変革をもたらすように設計されています。この価値を 実現するには、従業員が適切な知識とスキルセットを身につける必要があります。最良のテクノ ロジーであっても、従業員がそれを適切に使用できるようになっていなければ、パフォーマンス が低下する可能性があります。このため、トレーニングとイネーブルメントは非常に重要です。 ビジネスニーズに合ったカスタムトレーニングを見つけてください。 ● SAP が提供するトレーニングサービスの詳細 © 著作権. All rights reserved. 201 9 章: SAP サービス - ● SAP ソフトウェアのポートフォリオ全体にわたって、さまざまな形式で、総合的な最新の トレーニングとイネーブルメントが提供されます。それによって、革新的なテクノロジー について学び、採用することができます。 SAP ソリューションのデプロイ、採用、保守 - SAP テクノロジーの導入、採用、保守を行うための継続的な学習フレームワークを活用し ます。 SAP Training and Adoption: https://www.sap.com/training にアクセスしてください。 SAP Training and Adoption サービス SAP Training and Adoption のトレーニングと教育サービスをご覧ください。 SAP Training Shop ホームページ: https://training.sap.com にアクセスしてください。 図 148: SAP Training Shop ホームページ 予定されているコーススケジュール、デジタル学習オプション、SAP Global Certification など、 SAP Training and Adoption ポートフォリオの最新情報をご覧いただけます。 SAP トレーニングカタログ 図 149: カタログの探索 202 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Services へのアクセス ● 講師によるトレーニングの各種オプション - SAP Learning Class、対面オプション 経験豊富なトレーナーがスケジュールに則って指導する対面トレーニングにより、SAP ソ リューションに関する知識を深めましょう。この SAP Learning Class 対面式トレーニン グは、SAP のトレーニングセンターで開催されるもので、1 日から 5 日間で終了するソリ ューション分野の単一トピックに関するトレーニングから、20 日間以上にわたって 1 つの SAP ソリューション分野全体について学んだり認定試験の準備をしたりできるアカデミ ー (トレーニングバンドル) 式のトレーニングまで、多岐にわたります。 SAP では対面トレーニングを 50 か国以上で提供しています。 - SAP Learning Class、バーチャルオプション SAP のバーチャルトレーニングは、トレーニングセンターで実施される従来型の対面トレ ーニングと同様のエクスペリエンスを提供します。唯一の違いは、トレーニングをあなた の自宅または職場で受けるという点です。SAP のバーチャルコースでは、従来型の対面ト レーニングと同じインストラクター、トレーニングシステム、コース資料、パーソナルな サポート、および講師との直接的なエンゲージメントを提供します。 - SAP Learning Class、実践オプション 実践トレーニングは、SAP Learning Class の対面オプションで提供することも、バーチャ ルオプションで提供することもできます。SAP の認定トレーナーが、SAP トレーニングシ ステムや詳細な演習を通じてお客様をサポートし、ご質問に答えます。この実践指向のト レーニングでは、演習の割合がおよそ 90% で、理論的な知識を学ぶ時間を設けていない ので、そうした知識は、SAP Learning Class の実践オプションセッションの前に習得する 必要があります。 ● SAP E-Academy (単一のコースアクセス) - ● SAP の高度にインタラクティブな Web ベースコースでは、組織が必要とするトレーニン グをタイムリーかつ集中的に提供および受講することができます。e-ラーニングの受講者 は、時間や場所を問わずトレーニングコースにアクセスし、必要な回数および頻度で繰り 返すことができます。 顧客別のトレーニング - 顧客別のトレーニングでは、SAP エキスパートから、御社向けの、総合的な同一のライブ トレーニングを受けることができます。このトレーニングは、SAP の施設またはサービス オフィス、バーチャルライブクラスルーム、または会社のオフィスやトレーニング施設で のオンサイトで利用することができます。 SAP のオンライン学習プラットフォームである openSAP の無償トレーニングをご利用くださ い。openSAP では、SAP の最新イノベーションについて学習できるように、Massive Open Online Courses (MOOC)、ポッドキャスト、マイクロラーニングプレイリストを通じてさまざま な無償の学習機会を提供しています。 ● Enterprise MOOC - ● openSAP Enterprise MOOC は、ゲーミフィケーションやディスカッションフォーラムな ど、実証されたクラスルームコンセプトを活用し、同僚やエキスパートとオンライン配信 形式でやり取りします。 ポッドキャスト © 著作権. All rights reserved. 203 9 章: SAP サービス - ● openSAP MOOC を補完するため、SAP では、自分の都合に合わせて学習できる最大限の 柔軟性を実現したポッドキャストを提供しています。関連トピックを購読し、最新情報を 入手してください。 マイクロラーニング - openSAP でのマイクロラーニングでは、自己完結型の小さなコンテンツで学習し、トピ ックの内容を把握したり、単に既存の知識を補完したりすることができます。 SAP Learning Hub 図 150: SAP Learning Hub SAP が提供するデジタルビジネス向けの学習プラットフォームです。SAP Learning Hub で、希 望の方法やタイミングで SAP について学びます。 SAP Learning Hub では、オンライン学習コンテンツへの 24 時間週 7 日のアクセス、インタラク ティブな SAP Learning Room、パブリッククラウド環境またはプライベートクラウド環境にお けるライブ SAP トレーニングシステム (オプション) が提供されます。個人、企業、大学は、e ラーニングコース、SAP トランザクションシミュレーション、ハンドブックなど、数千ものトレ ーニングタイトルから選択することができます。 ● Learning Journey - ● e ラーニングコース - ● 204 一般的な各種 SAP ソリューショントピックを網羅したセルフペースのオンラインコース にアクセスします。それぞれに、エキスパートによる記録された指導モジュールや実世界 のシミュレーションなど、非常に効果的な学習コンポーネントが含まれています。完全に オンラインで、自分のペースで、かつ自分のスケジュールで学習します。 SAP Live Access - ● 特定のロールおよび SAP ソリューションについて、十分な能力を得たりスキルを伸ばした りするための推奨される経路を詳細に説明した、視覚的かつインタラクティブなガイドで す。全経路の計画において、Learning Journey は混合学習方針のデジタル要素も示しま す。 自分で学習するための、SAP ソフトウェアアプリケーションの完全に設定されたライブバ ージョンへのオンデマンドの実践的なアクセスです。会社のアプリケーションの本稼働 インスタンスとは別に、安全でプライベートな実世界の環境で演習を行い、スキルを磨き ます。SAP Live Access は、SAP Learning Hub の契約者専用のアドオン購入オプションで す。 SAP Learning Room © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Services へのアクセス - ● アイデア、スキル、ヒントを同僚と交換し、ライブセッションと Q&A を通じて SAP ソリ ューションエキスパートからアドバイスとガイダンスを得るためのソーシャル学習フォ ーラムです。SAP Learning Room には、ビデオチュートリアル、ベストプラクティス文 書、SAP ソフトウェアの認定試験の教材も含まれています。 e-Books - 上級コースを導入するためのオンラインの e ブックです。すべてのデスクトップおよび モバイルデバイス、e ブックの機能完了追跡、学習時間の記録、ブックマークなど、自己 学習を容易にして拡張する機能と互換性があります。 SAP Learning Hub: https://training.sap.com/shop/learninghub にアクセスしてください。 継続的な学習フレームワーク 図 151: 学習サービス 成功するトレーニング戦略の策定、完全なユーザイネーブルメントの確保、高度な指導によるフ ォローアップ、持続的なガイダンス、持続的なサポートが行われます。 ● 継続的な学習フレームワークの発見: - ● 導入に関するガイダンスのほか、既存アプリケーションに対する新規ユーザのトレーニン グとスキルセットの拡張を、5 段階のフレームワークで行います。 教育コンサルティングサービスの変更管理: 教育ニーズの評価、戦略的なトレーニング計画の作成、直接的なサポートを行う SAP エキス パートの支援により、ソフトウェアトレーニング目標を迅速に達成します。 - 組織変更管理: ■ - SAP の IT 変更管理サービスを利用して、ビジネス目標を迅速に達成します。主要なリ ーダーシップの変更、組織的変更、技術的変更、文化的変更を調整および統合します。 さらに、不測の事態や移行を円滑に予測することができるように、変更に対する心理的 な影響についての理解を深めます。 研修要求分析: ■ トレーニングおよびサポートから変更管理、パフォーマンス改善まで、SAP が提供す るニーズ分析によって教育要件を評価します。組織に最適な学習オプションを選択し ます。また、組織目標の詳細な調査を行い、教育計画をビジネス戦略全体に合致させま す。 © 著作権. All rights reserved. 205 9 章: SAP サービス - エンドユーザサービス: ■ - SAP Enable Now の導入サービス: ■ ● SAP のサービスは、組織によるユーザのスキルとコンピテンシーの分析に役立ち、ユ ーザの生産性を高める計画と教材を提供します。 SAP Enable Now では、ソフトウェアプログラムの採用を増やして習熟度を高めるため に従業員が必要とする知識を提供することができます。導入を成功させ、将来にわたっ て SAP Enable Now を持続的に使用できるようにします。 SAP Learning Hub の詳細: - ビジネスニーズに合った幅広いオプションによって、さまざまな SAP 学習コンテンツおよ びオンラインラーニングルームにクラウドベースで即座にアクセスします。 SAP Global Certification 図 152: SAP Global Certification インテリジェントエンタープライズが、認定 SAP エキスパートによって、最高の状態で運営さ れるようにします。SAP Global Certification プログラムは、デジタル世界向けに設計されていま す。 認定の機会から最高の価値を引き出すために、SAP では特定の対象企業向けに多階層の資格認定 パスを提供しています。 ● アソシエイト認定 - ● デルタ認定 - ● 206 ポートフォリオの一部については、SAP 認定コンサルタントがそれぞれのスキルと知識を 最新の状態に保つために、デルタ試験を実施しています。特定のソリューションについ て、前提条件の提携会社試験に合格すると、デルタ試験を受ける資格があります。 スペシャリスト認定 - ● この認定は、SAP コンサルタントの基本的な知識要件を対象とし、SAP ソリューションの 幅広い知識とスキルを得ることができるようにします。 この認定は、アソシエイト認定に加えられたもので、特定のロールまたは統合コンポーネ ントに焦点が当てられています。 プロフェッショナル認定 © 著作権. All rights reserved. レッスン: SAP Services へのアクセス - この高度な認定には、実証されたプロジェクト経験、ビジネスプロセスに関する知識、 SAP ソリューションに関するより詳細な理解が必要です。 SAP Support Portal 図 153: SAP Support Portal SAP Support Portal を使用すると、技術サポートリソースおよび製品サポートエキスパートに迅 速かつ容易にアクセスすることができます。 ● 広範なナレッジベースのソリューションや、Guided Answers や Cloud Availability Center な どのインテリジェントツールを使用するソリューションがあります。 ● 迅速な問題解決と予防のため、Expert Chat および Schedule an Expert サービスを利用して SAP サポートエキスパートから直接サポートを受けることができます。 ● ソフトウェアのダウンロード、インシデントのチェック、ユーザの管理など、一般的なタス クにすばやくアクセスできるように、個人ダッシュボードをカスタマイズします。 SAP Support Portal: https://sap.com/support にアクセスしてください。 サービスおよびサポート計画 デジタルトランスフォーメーションを簡素化し、優れた成果を迅速かつ効率的に達成します。 ● Premium Engagements - ● パッケージ化されたサービスとサポートによって導入をサポートして、SAP との共同イノ ベーションを実現し、画期的なビジネスモデルを構築します。 サポート計画および成功計画 - ビジネスへの適応を支援するガイド付きサポート計画を使用してオンプレミスソリュー ションをクラウドに移行し、ハイパフォーマンスなソリューションを実現します。 © 著作権. All rights reserved. 207 9 章: SAP サービス ● イノベーションおよびアドバイザリサービス - ● 導入サービス - ● デジタルトランスフォーメーション、クラウド導入、持続可能なイノベーションへの最善 の道を踏み出すために必要なガイダンスを受けます。 独自の専門知識とベストプラクティスを組み合わせて、SAP ソリューションの導入、移 行、および採用を促進します。 クラウドサービス - スピード、イノベーション、柔軟性、弾力性、簡易性が約束される、組織と顧客にとって の価値を創出します。 SAP が提供するサービスおよびサポート計画: https://www.sap.com/services.html にアクセ スしてください。 SAP Community SAP プロフェッショナル向けソーシャルネットワークである SAP Community によって、何千人 もの SAP ユーザの日々の働き方がどのように変化しているかを理解します。 ● SAP Community: https://community.sap.com/ にアクセスしてください。 ● 質問と回答 ● ブログ レッスンのまとめ 以下について学習しました。 ● 208 SAP Services へのアクセス © 著作権. All rights reserved. 9章 学習内容のテスト 1. SAP Support Portal では、顧客またはパートナがインターネットを介して SAP サービスを発 注することができます。 この文章の内容は正しいですか、誤りですか。 X 正 X 誤 2. SAP Training and Adoption では、クラスルームトレーニングのみが提供されます。 この文章の内容は正しいですか、誤りですか。 X 正 X 誤 © 著作権. All rights reserved. 209 9章 学習内容のテスト - 解答 1. SAP Support Portal では、顧客またはパートナがインターネットを介して SAP サービスを発 注することができます。 この文章の内容は正しいですか、誤りですか。 X 正 X 誤 正解です。SAP Support Portal では、顧客またはパートナがインターネットを介して SAP サ ービスを発注することができます。 2. SAP Training and Adoption では、クラスルームトレーニングのみが提供されます。 この文章の内容は正しいですか、誤りですか。 X 正 X 誤 正解です。SAP Training and Adoption では、クラスルームトレーニング以外のトレーニング も提供されます。 210 © 著作権. All rights reserved.
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